LEDテープライトの配線を延長する方法
LEDテープライトを車に付けるために、配線を延長する工程。なお今回は車外での取り回し。その場合、重要なポイントが「防水処理」だ。アンダーLED・グリルイルミ・ドア開閉LEDなど、多くの技で必要な作業なので、順を追って丁寧に解説する。
LEDテープライト配線の延長準備
配線の被覆を剥く
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延長コードの選び方(※)は前回教わったので、今日はLEDテープライトの配線を延長する手順です。
●レポーター:イルミちゃん
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まずは、前回選んだ配線(赤黒並行線)の先端の被覆をむきとります。
●アドバイザー:イルミスタ・野本研究員
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赤黒平行線は、赤と黒の2本が一体になっているので、先端だけ2本に裂きます。
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裂いたのは、先に収縮チューブを通すためです。
被覆むきについては、「ワイヤーストリッパーの使い方」参照。
収縮チューブは防水を使う
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今回は車外の配線。
収縮チューブ(↓)は防水タイプを用意します。 -
ここでは、細い防水収縮チューブ「SA2-1」を使います。
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だいたい2センチ位で切り出しました。
防水型・熱収縮チューブ「スミチューブ」。今回使用する(↑)「SA2-1」(5.8ミリ)。詳しくはエルパラHPの「スミチューブSA2」を参照。
収縮チューブを切り出す
収縮チューブを通す
LEDテープライト配線と延長コードの接続
まずは銅線同士の合流
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被覆をむいた内部の銅線を、よじりながら合流させます。
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次に端子を付けますが、この場面ではスプライス端子を使うのがオススメ。
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スプライス端子ってなに? という人は、以下の記事を見てください。
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スプライス端子を使う場合は、よじりながら合流させた銅線を、折り返すのがポイント(↓)
LEDテープライトの配線と延長コードが合流。
イルミスタでは100個385円で買える「スプライス端子」。(※記事制作時の価格)
スプライス端子を圧着する
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今回は、スプライス端子を使った接続方法です。
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野本研究員がスプライス推しな理由は、後で聞くとして……
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まず、スプライスを端子をかぶせます(↓)
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銅線を折り返すことで太さを稼ぎ、接触面積も増やしています。これは、接触不良を起こしにくくするコツ。
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配線(被覆)といっしょにかませるのもポイント?
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銅線だけに単独で端子をかけたら、引っ張ったときにすぐにちぎれてしまいますからね。
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これで配線がつながりました。
銅線と被覆を重ねてスプライス端子をセット。
電工ペンチで圧着する
電工ペンチの使い方の基本は、「電工ペンチの正しい使い方」を参照。
収縮チューブで絶縁する
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次は、スプライス端子の上に収縮チューブを移動させて、熱であぶります。
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ところで防水タイプの収縮チューブは、ドライヤーの熱ではなかなか収縮しません。
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外での作業は、ターボライターであぶるのが野本流。普通のライターだと、炎が風に流されてしまうので。
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注意しないとあぶり過ぎます。初心者にオススメはしませんが、使いこなすと作業効率が上がります。
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これで、LEDテープライトと延長コードがつながりました〜。
配線が防水で接続できた!
防水収縮チューブは中にノリのようなものが入っていて、密閉されるしくみ。
ハンダ付けやギボシ端子で配線を延長するケースも
今回、ギボシ端子を使わなかった理由は?
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ところで、さっき延長配線をつなぐときに「スプライス端子」を使いましたよね。
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そうですね。一般的にはギボシ端子を使う人が多いと思いますが……
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ギボシ端子を使わなかった理由は?
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今回は、LEDテープライトをフロントバンパー裏に付けようとしています。
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……すると、「一番最初に延長コードとつなぐポイント」は、かなり地面に近い低い位置なのですよ。
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あー。
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一般的なギボシ端子は防水ではないので、この場面では使わないほうがいいです(※防水ギボシ端子を除く)
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野本流の付け方だとギボシ端子は使わない?
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いや、使いますヨ。
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え?
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もっと高い位置では、ギボシ端子を使って「配線を脱着できるようにしておく」ほうがいいですよ。
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それはなぜ?
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フロントバンパーを外すときに、配線が脱着できないと困るから。
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あ、そっか。
引っ張られてちぎれてしまう。 -
要するに1発目の延長部分では使わないけれど、もっと先のほう(上のほう)では使います。
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そういうことかぁ。
製作するのはアンダーLED
配線の延長方法を使い分ける
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配線の接続方法は、以下の3つを使い分けてます。
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この中で最も接触不良が起こりにくいつなぎ方は、ハンダで直結することです。
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あれ!?
今回はハンダを使いませんでしたが? -
ハンダが使える人は、それが一番いいですよ。ただハンダ一式を持っていない人も多いので、スプライス端子にしたんです。
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端子の中ではスプライス端子がいいってこと?
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スプライス端子は、上から防水収縮チューブ(スミチューブ)をかぶせることで、防水接続ができます。
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そうか。
アンダーLED用に、適している。 -
外で作業していたら、ハンダごて用の電源も取りにくいですし。
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その点でも、スプライス端子は便利なんですね〜。
①ハンダで直結する
別記事の「ハンダで配線同士を接続する方法」参照。
②スプライス端子でつなぐ
今回紹介している方法。
③ギボシ端子等でつなぐ(脱着可能)
別記事の「ギボシ端子の正しいかしめ方(付け方)」参照。
ハンダとスプライス端子の仕上がりは近い
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なお、ハンダで直結したときも、防水収縮チューブをかぶせる点は同じです。
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つまりハンダとスプライス端子は、防水でつなげるんだ。
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そうですね。より接触不良率が低いのは、ハンダ直結ですけどね。
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フムフム。
でも仕上がりはどっちも近い。 -
そして両者に共通するデメリットとして、配線の脱着はできない。
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だから、ギボシ端子と組み合わせて使うのか!
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バンパーにLEDテープライトを付ける場合、どこかで1回はギボシ端子を使って脱着可能にしたい。それはなるべく水のかからない上のほうで、ということです。
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いろいろナットク!
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次はいよいよ、車両に取り付けます。
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フロントアンダーイルミまで、もう少し!
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「LEDテープライトを車に取り付ける方法(アンダーLED編)」に続く。剥がれない付け方を、詳しく解説します。
スプライス、ハンダ共に、接続部は防水かつ、コンパクトに仕上がる。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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