電装DIYの知識
LEDテープの電源を、リレーを使ってバッテリー直結で取るには?(前編)
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LEDテープといえど、大量に使う場合の電源は「バッ直」が正解だ。そしてバッテリー直接でも光りっぱなしにならないよう、リレーを用意。初心者に優しい、ハンダ不要の配線方法を解説する。
LEDテープでもバッテリー直結したほうがいいケースとは?
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車外にLEDテープを付ける場合、グリルやフロントバンパーに1本付けるだけなら、スモールランプの配線などから電源を取ることが多いと思います。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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しかし! LEDテープの中でも、明るいタイプを選んで、しかも大量に使うとなると……
●レポーター:イルミちゃん
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純正配線からの電源取り出しでは、許容量を超えてしまいます。ヒューズが飛んだり、あるいは配線が発熱したりして危険です。
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明るいLEDテープの代表と言えば、3チップの5050チップLEDを使ったモノが定番ですが……
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5050のLEDテープを使って、フロント・サイド・リアにアンダーLEDを取り付け。そこで消費電流を測ってみたら、実測で6アンペア超に達しました。
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6アンペアは、純正配線から分岐で取っていいような電流量ではありませんね〜。
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そうですね。
そのやり方では危険です。 -
『では、こういう場合はどうするの?』というのが今回のテーマ。アンダーLEDに限った話ではありませんよ〜。
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この場合は、バッ直(バッテリーから直接電源を取ること)での配線作業が必要ですね。
例:フルアンダーLEDなど
テスターで電流値を測定
ここではエーモンの4極リレーを用意
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バッテリーから直接電源を取るとはいえ、単純に直結するだけだとLEDテープが光りっぱなしになってしまいます。
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ハイ。そこで登場するのがリレーです。今回は定番のエーモンのリレーを例に説明します。
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ちなみにコレ(↑)は5極リレーですが、「LEDテープの電気をバッ直で取る」用途なら4極リレーでいいので、1本線を抜きます。
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そんなことができるんだ。
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端子がツメで引っかかっているだけなので、すぐ抜けるような作りになっています。
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エーモン5極リレーには、赤・白・黄・青・黒の5本線がありますが、このうち白を抜けば、4極リレーと同じ使い勝手になります。
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こんなウラ技があるとは、知りませんでした。
光モノ専門店、イルミスタでもよく使われるエーモンの5極リレー(3237)
ドライバーの先などで、ツメのロックを解除して……
スポ!
通常は最初から4極リレーを買えばよいのだが、手元に5極リレーしかなければ、この手でOK。
リレーを使ってバッテリー直結用の配線を作る
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さて、リレーの使い方です。色分けされた4本の線の内容は、下のようになっています。
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4極リレーのきほんは、「リレーの使い方入門/回路のしくみ」を見てくださいね〜。
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今回のケースでは、LEDテープは「黄色」の配線につなぐということです。
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黄色がエーモン4極リレーの出力線ですね。
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アンダーLEDを例にすると、フロント、サイド左右、リアのLEDテープを合流させて、この黄色につなげばいいわけです。
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どうやって合流させるんでしょう?
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やり方はいろいろありますが、ハンダを持ってないとか、ハンダは苦手……ということであれば、こんなアイテムもあります。
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これは、2分配だから2個しかつなげないのでは?
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3つ組み合わせると、4分配になるんですよ。
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……というようなやり方もひとつです。
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おお、なるほど。
これなら初心者でもカンタンそう♪ -
あるいは、平行線(ダブルコード)を用意して、自分で分岐ハーネスを作るもよし。
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4本切り出して、以下のように端子を付ければ、4分配ハーネスのできあがり。
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プラス側はリレーにつなぐためにギボシ端子オス、マイナス側はそのままバッテリーマイナスに直結できるように、クワ型端子を付けます。
※「ギボシ端子の正しい付け方」参照。
※「クワ型端子の正しい付け方」参照。
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このパターンでもOKです。どっちでも結果は同じだし、ハンダは不要ですね。
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この分岐ハーネスはイルミスタで売ってないんですか?
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売ってません。DIYラボなのに、ラクばっかりしようとしてますね?
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……アハハ。
DIYで楽しみながら作るとするか。
イルミスタの分岐用Y型ギボシ端子
Y型が3つで4分配
リレーの黄色につなぐと…
プラスとマイナスの線が一体化している赤黒平行線。今回は0.5スケア(AWG20)を使用。
リレーの黄色につなぐと…
LED配線は合流させればいいというものではない!?
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ところで今回は4本の配線コードを、そのままリレーの黄色に直結しました。
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なかなか強引に行ってますよね。
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強引に見えますが、こうしたのには理由があるんです。
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というと?
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もしもリレーより手前で合流させて、1本にまとめてからリレーにつなぐとしたら、その合流線には、全テープLEDの電流が流れることになります。
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そういえば!
……そうなりますね。 -
最初に計測した通り、今回のアンダーLEDを例にすれば、合計で6アンペア以上流れていましたよね。
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ということは、合流線には6アンペア流れる……。
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ですね。それなりに太い配線を使わないと、危険です。0.2スケアの細線ではもちろんNGですし、0.5スケアでも許容範囲を超えるレベル。
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もしも、1本にまとめる場面があるなら0.75スケア以上を使いましょう。
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今回は0.5スケアだけで済ませるために、リレーに直結したんですね。
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そうなんですよ。僅かな長さのために0.75スケア線も買ってください、みたいな話になるので、なんだかなぁ……と思って。
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なぜかDIYに優しいイルミスタ・野本研究員のリレー配線教室。「LEDテープの電源を、リレーを使ってバッテリー直結で取るには?(後編)」に続きます。
今回の記事で使ったのは定番的な0.5スケアだが…。
バッ直にはメリットだけでなくデメリット(リスク)もある。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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