配線を分岐しながら延長する「主線の送り」方法。これは覚えて損なし
配線の分岐・延長も進化して、今どきは便利なコネクターがある。基本の使用方法・分岐のラクさもポイントだが、「延長しながら分岐もできる」使い方がさらに便利。スマートな配線処理が簡単にできる。
ワゴ・ワンタッチコネクターは工具不要で配線を分岐
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前回は「端子台」を解説(※)しましたが、今日は端子台とは打って変わった方法を紹介しましょう。
※「端子台とは? その仕組みと使い方を初心者向きに解説」参照。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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と言いますと?
●レポーター:イルミちゃん
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今どきの便利コネクターを使った、カンタンな配線の分岐方法です。
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便利なのはいいですね。しかし、コネクターは品質が問われます。
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そうですね。カンタンかつ信頼性も高いコネクターとしてオススメなのは、WAGO(ワゴ)のコネクターですね。
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ワゴ?
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このワゴ・ワンタッチコネクターはその名の通り、配線を差し込んで閉じるだけです。
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このように工具不要でつなげます。
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コレは簡単! 3本の配線を入れる穴があるので、2分配に使えるということですね。
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そうなんですが、このワゴ・ワンタッチコネクターでできる、便利な延長方法というのがあるんですよ〜。
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え。
分岐じゃなくて、延長の話?
マ
メ
知
識
穴に配線を差し込む
レバーを下げてロックする
「主線(メインの電源線およびアース線)送り」はマスターすると便利
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ワゴ・ワンタッチコネクターの使い方として便利なのが、主線を延長しながら、枝線を出していけるところです。
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ん?
なんのことでしょうか? -
例えばテープLEDの例。1本だと、最大5メーターですが……
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これを複数本連結して使いたい場合には、各テープLEDに対して電源をつなぐ必要があります。
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車ではそこまで長くは使わないでしょうが、ここでは延長の例として、店舗照明用にテープLEDを付けるときなどを想像してみてください。
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お店の照明なら、長〜いテープLEDを使いますね。
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普通の分岐の方法だと、離れた位置にある電装品(ここではテープLEDの2本目、3本目)に対して、より長い延長コードが必要になりますよね。
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そりゃそうですね。
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店舗照明用途などだと、5メーター先、10メーター先にくるテープLEDに対して、どんどん長い延長コードが必要になる。
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そうなりますね。
ジャマになりそう。 -
しかし、このワゴ・ワンタッチコネクターを使うと、主線(メインの電源線またはアース線)を送りつつ、真ん中から1本だけ分岐線を出せます。
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分岐線を取り出しながら、1本の主線を延長していくイメージです。
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つまり、何本も長い延長コードを重ねて走らせる必要がないのです。
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な、なるほど。
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つながる電装品が増えると、根元の配線の電流量が増える点に注意は必要ですが、ワゴ・ワンタッチコネクターは1.25スケア、2スケアなどの太線でも扱えるところがポイントです。
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主線を分岐させたその付近で3つ、4つの電装品につなぐのなら、前回登場した端子台などでもいいのですが……
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しかし、各電動品が離れた位置にある状況だと、延長コードだらけになる。
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そうです。長いテープLEDを例に説明しましたが、「主線の送り」方式は覚えておくと便利ですよ。
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「分岐」してから「延長」ではなく、「延長しながら分岐」という発想ですね。
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主線は1本ですので、トータルで使う配線も短くなるし、スマートな配線処理が可能になります。
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車の電装品取り付けでも、応用できそうですね。
✔ テープLEDに長さがある場合、単純にテープLEDを連結するだけでは、電力不足が起こる。
✔ コネクター自体のスペックとしても、20アンペアまで対応。
配線コードの選び方や、配線分岐に使うエレクトロタップの正しい選び方についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。どちらも「知らないと車にリスクが生じる重要な話」です。
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