エアバッグ付きピラー(内張り)の外し方
ピラーの外し方。従来は「内張りはがしでこじる」で外れたものだが、最近はエアバッグ内蔵のピラーが増えているので、こじるだけでは外せなかったりする。そこで、エアバッグ付きピラーの内張りを外す方法をガイド。
エアバッグの付いたピラーは、普通のピラーのようには外れない
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今日はピラー(内張りカバー)の外し方をやります。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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え?
なんでまた???●レポーター:イルミちゃん
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だって、ドライブレコーダーの配線通しなどでも、ピラーの内張りが外せないと困りますよね?
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そりゃそうだけど……ピラーの内張りって、ただ単に内張りはがしでこじるだけでいいのでは?
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いや。それで外せるのは従来のピラーの話で、最近はピラーエアバッグが付いた車が増えているでしょう?
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それで、「ピラーエアバッグが付いているピラーの外し方が分からない」という人はけっこう多いのです。
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ナルホド。
確かにそれは、やっかいな感じ。 -
通常のピラーとは、ちょっと外し方が違います。
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内張りはがしでこじるだけでは取れない?
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一番最初に防水ゴムを外し、内張りはがしでこじって浮かせるという入り方は同じですが……
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これだけだと、5~6センチ程度の隙間は開くものの、ピラーを完全に外すことはできません。
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このあたり(↑)で、止まってしまう仕組みなんです。
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なんだこれ?
なんか引っかかりがあるぞ。 -
ようするに、「ピラーのエアバッグが作動したとき、ピラーカバーが飛んでいかないような仕組み」なんですね。
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あ~。
ピラーが外れないって、そういうことか。 -
エアバッグが開けるだけの隙間はできる。しかしそれ以上は開かないように、ヒモが付いているような状態です。
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そういうことね。
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まあ、実際にはヒモではなくて、こんな感じのピン(↓)で留まっているのですが……
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この固定を解除しないと、ピラーが外れないんです。
ウェザーストリッパー(防水ゴム)を引っ張って外す
内張りはがしでピラー内張りを外す
✔ 隙間から白いピンが見える。
エアバッグ内蔵ピラー(内張りカバー)の外し方
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どうやって外すのでしょうか?
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このピンは、90度回転する仕組みになっているんですよ。
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フムフム。
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で、最初はこのピンが横向きになっている状態でピラーカバー側に刺さっています。
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ピラーカバー側の溝は縦方向に切ってあるので、横向きに回転させたピンで、十字にロックされたような状態です。
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それで引っかかってるわけか。
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つまりピラーを固定しているピンを、90度回転させて縦向きにすれば抜けるってことです。
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でも、ピラーカバーが付いた状態で、どうやって内部のピンを回すの?
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最初に内張りはがしでピラーを浮かせたら、数センチは隙間を空けられるので、そこからラジオペンチなどを差し込んでピンを掴むんです。
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手は入らないので、ラジオペンチなどで掴んでピンをひねって、90度回転させるのです。
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ピンのロックが解除されて、ピラーの内張りが外れました。
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この仕組みが分かってさえいれば、カンタンに外れますね。
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注意点としては、戻すときにはまた、ピンを回転させてロック状態にしておかないと危険です。
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……その作業を忘れると……
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ピラーエアバッグが作動したときにピラーの内張りが飛んでしまいますので、大変危険です。
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顔にピラーが飛んでこないように、しっかりロック状態を確認しましょう!
ピンの形状
✔ ピラーカバーが外れた状態で撮影したもの。手でひねると回転する。
ピラーカバー側の溝にハマっている
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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