ヒューズホルダーの種類と選び方
ヒューズの選び方ではなく、ヒューズホルダーの選び方。後付けでヒューズをかませる時に必要なアイテムだが、定番のエーモン製を例にとっても種類が多く、初心者には違いが分かりにくいはず。
なおエーモンヒューズホルダーは2021年以降にモデルチェンジ(旧モデルは2023年生産中止)した製品も多いので、改めて最新・現行ラインナップでの違いを解説する。
後付けでかませるヒューズには、ヒューズホルダーが必要
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「電装品を取り付けるときはヒューズをかませましょう」とよく言いますが……
●レポーター:イルミちゃん
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ヒューズを後付けする場面で使うのが、ヒューズホルダーです。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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下のように、純正配線から電源を取り出した直後にヒューズホルダー(とヒューズ)をかませておくのが理想です。
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具体的な付け方は、「ヒューズをかませるって、なんのこと?」で解説済みですが……
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今日はヒューズホルダーの種類と選び方について、ガイドしておきましょう。
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ヒューズ同様、ヒューズホルダーもエーモン製は自動車業界の定番です。しかし、何しろ種類が多い。
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現行モデルラインナップでいうと、全部で9種類ですね。これでも以前よりは減らしてスッキリさせています。
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ホルダーだけで?
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そうなんです。
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ドレを買ったらいいのでしょうか?
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う〜ん……。
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エーモンの広報担当が迷うほど、難しいようであります。
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いや、そうじゃなくて、どれもそこそこニーズがあるので、コレと決めるのがナカナカ。
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では、どう違うのでしょう?
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まず、大きく分けると、使用するヒューズの種類が違うんですよ。
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フムフム。
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ヒューズにも、いろいろなカタチのものがあります。
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自動車の純正ヒューズは、平型・ミニ平型・低背(ていはい)の3種類がほとんど……でしたよね。マイクロ2ヒューズもじわじわ増えているようですが。
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純正ヒューズはそうですね。後付けでヒューズホルダーを使う場合は、ガラス管タイプのヒューズ(管ヒューズ)も出てきます。
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そして、それをもっと小さく細くした、ミニ管ヒューズというのもあります。
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ミニ管ヒューズはアンペア数が小さいので、主にLEDカスタムなどに使うのに最適。
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なるほど。
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あとは、純正ヒューズと同じ平型やミニ平型ヒューズを使う、という手もあります。
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ホルダーを使うってことは、純正のヒューズが切れたときと違って、自分の車の形状に合わせて選ぶわけではありませんよね?
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そうですね。それは関係ないです。あくまでもヒューズホルダーと、ヒューズ形状が合っていればいいので、そこは好みです。
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ヒューズ形状の違いを知った上で、次にエーモンヒューズホルダーの違いを見ていきましょう。
✔ ひとくちメモ
純正ヒューズが切れたときのヒューズ交換とは違い、配線の途中にヒューズをかませるためにはホルダー(入れ物)が必要になる。
管ヒューズ
ミニ管ヒューズ
平型ヒューズ
ミニ平型ヒューズ
管ヒューズホルダーの超ロングセラーモデル
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まず、昔からあるエーモンのスタンダードモデルが、「Y74」と「B138」ですが、2021年にそれぞれモデルチェンジして「3366」と「3365」になりました。
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2つの違いは?
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どちらも管ヒューズタイプですが、対応するヒューズの容量(アンペア数)が違います。
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なお10アンペアの「3366」は、エーモンヒューズホルダーの中では、一番売れているモデルになります。
10アンペア以下の管ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン ヒューズホルダー(3366) ※旧Y74
20アンペア以下の管ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン ヒューズホルダー(3365) ※旧B138
消費電力の小さい電装品ならミニ管ヒューズホルダー
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次は、LEDカスタムなどにピッタリの、ミニ管ヒューズホルダーです。
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ミニ管は、アンペア数が小さめってことですね。
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そうですね。ホルダー自体にも細線が使われているので、LEDの配線(細線)とつなぐのにも最適です。
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2.5アンペア以下だから、大容量の電装品には向きませんが、LED用途としては十分です。
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なるほど。
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防水タイプもあります。
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主に、車外のLEDカスタマイズ用途を意識して作ったのが、防水タイプですね。
2.5アンペア以下のミニ管ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン ミニ管ヒューズホルダー(3371) ※旧2845
2.5アンペア以下のミニ管ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン 防水ミニ管ヒューズホルダー(2890)
大容量タイプも選べる平型ヒューズホルダー
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ここまでは管ヒューズを使うタイプのホルダーでした。
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ここからは平型ヒューズを使うタイプのホルダーです。
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どう違いが出てくるんでしょう?
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より大容量のヒューズホルダーがありますが、それだけに平型ヒューズホルダーは、配線が太めの1.25スケアからしかないんですよ。
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さっきのミニ管用と比べると、あきらかに線が太いです(↓)
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E432は、1.25スケア配線が使われています。
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ということは、LEDの細線などとつなごうとすると、かえってやっかいですね。
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そうですね。もっと大容量の電装品を想定したヒューズホルダーですので。
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なるほど。
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さらに太いのも出てきます。
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E433は、30アンペアのヒューズまで対応するので、3スケアの太線が使われています。
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あの〜、3スケアってどうつなぐんでしょうか? ギボシ端子は2スケアまで……でしょう?
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太線用のギボシ端子などを使います。
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太線用のギボシ端子!
そんなのあるんでしたっけ? -
あるんですよ。
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このギボシ端子(↑)は、1.25〜3スケアの太線に対応しています。
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なんでもあるんですね〜。
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そして、平型ヒューズホルダーの防水タイプがこちら。
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エンジンルームなどに設置されることを想定した、車外電装品用のヒューズですね。
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防水ミニ管ヒューズホルダーは小容量でしたが……
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こちらは大容量が必要なケースでの、防水ホルダーですね。
15アンペア以下の平型ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン 平型ヒューズホルダー(3369) ※旧E432
30アンペア以下の平型ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン 平型ヒューズホルダー(3370) ※旧E433
詳細はAmazonのエーモン ギボシ端子セット・後入れスリーブ(3306)
15アンペア以下の平型ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン 防水平型ヒューズホルダー(2889)
ミニ平型ヒューズホルダーもある
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平型ヒューズを小さくしたカタチの、ミニ平型ヒューズ用のホルダーもありますよ。
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ミニといっても、15アンペア・30アンペアまで対応するなら十分大容量ですね。
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ミニ平型というのは、平型を小さくした、という意味の名前であって、ヒューズとしての容量が小さいわけではありません。
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そういうことね。
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ですので、15アンペア対応モデルは1.25スケア、30アンペア対応モデルは3スケアの太線が使われています。
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そのあたりは、平型ヒューズホルダーと同じなんだ。
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そうです。違いとしては、ミニ平型ヒューズホルダーのほうはカバーが付いています。
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ヒューズが小さいから、フタで閉まるようになっているんですね。
30アンペア以下のミニ平型ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン ミニ平型ヒューズホルダー(3368) ※旧E425
15アンペア以下のミニ平型ヒューズ用
詳細はAmazonのエーモン ミニ平型ヒューズホルダー(3367) ※旧E424
参考までにエーモンヒューズホルダーの人気ベスト3
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というわけで、違いをいろいろ解説してきましたが、最後に販売数での人気ランキングを公開すると……
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1位と3位はともに管ヒューズホルダーですので、管ヒューズ勢力が、平型ヒューズ勢力を圧倒する結果となっております! どう思われますか、解説の中塚研究員?
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まあ、でも、人気ウンヌンより、使用用途に合わせて選んでくださいね。
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それを言ってしまったら、身もフタもないランキングでした〜。
エーモンヒューズホルダー人気ランキング
順位 | 種類(品番) |
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1位 | ヒューズホルダー(3366)※旧Y74 |
2位 | ミニ管ヒューズホルダー(3371)※旧2845 |
3位 | ヒューズホルダー(3365)※旧B138 |
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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