車からLEDテープライトの電源を取る方法
アンダーLEDのやり方・最終工程。車に付けたLEDテープライト用に電源を取り出す。外装(車外)のLEDの場合は、スモール連動が定番だが、その合理的な理由をおさらいしつつ、具体的な手順を解説していく。これでアンダーLEDが光る!
車外のLEDならスモールランプ連動が定番
LEDを夜だけ光らせるならスモール連動に
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前回、車体へのLEDテープライト取り付けができた(※)ので、あとは電源を取るだけですね。
●レポーター:イルミちゃん
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「車の電源」と聞くと、一般的にはバッテリーを想像するかも知れませんが……
●アドバイザー:イルミスタ・野本研究員
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LEDテープライトの配線をバッテリーにつなぐと、常に光りっぱなしになってしまいます。
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外装(車外)に取り付けたLED用の電源は、ポジションランプ(スモールランプ)から取るのが定番ですね。
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DIYでも定番の取り方ですが……そういえばなぜみんな、スモールランプから取るんだろう?
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外装のLEDを昼間から光らせても、よく見えないですしね。スモール連動なら夜だけ光るので。
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そっか。
それは合理的だ。 -
それと、今回はフロントバンパー裏にLEDテープライトを付けました。この場合、電源はエンジンルーム周りのどこかで取るのが一番難易度が低い。
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ところが。エンジンルーム周りでは、ACC電源(アクセサリー電源)やIG電源(イグニッション電源)は取れない車種が多い。
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そういう事情もあるのか。
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室内側なら、ヒューズボックスやナビ裏からいろいろな電源を取れますが……
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室内側で電源を取るとなると、配線を延長して室内へ引き込む必要がありますよね。
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確かにアンダーLEDは車外ですから、車外で取るのがてっとり早い。
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という意味でも、ポジションランプから電源を取るのが定番になるのです。
なお、新型車種ではヘッドライト裏からスモール電源が取れない例が出ている。その場合は、「ヘッドライト裏からスモール+12V線が取れない車の対応策」を参照。
夜、光りっぱなしは困るという人は?
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ただ、ポジションランプから電源を取るということは、スモール連動で、夜は常に光りっぱなしになってしまう。
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消灯させたい人もいるでしょうね。
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その場合、ポジションランプから電源を取った上で、スイッチをかませる、という手があります。
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しかしスイッチを付けるための作業が増えるので、今回は、最もカンタンな付け方として、スイッチはなしでいきます。
LEDにスイッチをかませたいときは、「車にスイッチを取り付ける方法(配線図)」参照。
LEDテープライト配線の取り回し作業
配線を下から上に引き上げる
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まずフロントバンパー下に取り付けたLEDテープライトの配線を、エンジンルーム上側へと通します。
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こんなシーンで役に立つのが、配線ガイドですね。
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注意点としては、フロントバンパー裏を通すこと。奥に行くと、ファン等に引っかかってしまう恐れがあります。
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配線がフラフラ遊んでいるのも危険ですね〜。
配線ガイド・クネクネタイプを使用
配線ガイドを先に下から上に通す
配線ガイドに配線をくくりつける
エンジンルーム上方へ引き上げる
コルゲートチューブを巻く
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車外を取り回す配線は、コルゲートチューブを巻いて保護しておきましょう。
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コルゲートチューブは、2本分(プラスとマイナス)まとめて巻くとして、5Φくらいでいいと思います。
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被覆の劣化を防ぐのが目的ですね。
ギボシ端子を付ける
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ポジションランプ裏に余裕を持って届く長さを確認できたら、余りそうな延長コードをカットします。
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そして、この延長コードにギボシ端子を付けましょう。
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LEDテープライト側の配線は、プラス線にオス端子、マイナス線にメス端子を付けておきます。
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そうすると、電源側はプラス線にメス端子を使うことになり……
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ショートを防止できます。
余分な延長コードを切断
付け方は「ギボシ端子の正しい付け方(かしめ方)」参照。
こうなればOK!
ポジション(スモール)線から電源を取る
検電テスターでプラス、マイナスを調べる
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純正のポジションバルブにつながる2本線の、どっちがプラスで、どっちがマイナスかを調べます。
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そしてLEDテープライトの配線をつなぐのですが……その前に、ヒューズをかませておきましょう。
この作業をやったことがない人は、「検電テスターの正しい使い方」参照。
ヒューズホルダーを用意する
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何かあったときの保険として、後付けのLEDテープライトのプラス線には、ヒューズをかませておいたほうがいいですよ。
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保険って……。
何の保険ですか? -
例えば配線が切れて、それが金属に当たってショートすると、純正のポジションランプのヒューズが飛びます。……ヒューズが飛ぶならまだいいんですけど。
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そういえば、アンダーLEDを付けたバンパーを擦って、LEDテープライト自体が破損するとかもあり得ますね。
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バンパー底に貼った場合は、十分考えられますよね。
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なんにしても、ショートの危険はゼロではない。
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そのときに車両側に影響を与えないようにするため、ここで防波堤となるヒューズをかませておくのです。
後付け用のヒューズホルダーを用意
ここで使ったのは、エルパラの「コード付きヒューズホルダー」。ヒューズは別売り。
スモールプラス線の分岐
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ポジションランプのプラス線の被覆を少し剥いて、銅線を露出させておき、ヒューズホルダーの銅線をくくりつけます(↓)
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そこに、スプライス端子(↓)をかませます。
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最後に分岐点にビニールテープを巻いて、絶縁しておきましょう。
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こうやって先にヒューズホルダーの線を電源線につなげて、この反対側にLEDテープライトのプラス線をつなげばいいのです。
スプライスの基礎知識については、「スプライス端子で配線を接続する方法」参照。
電工ペンチで圧着
スモールプラス線の分岐ができた
電源とLEDテープライトの接続
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ヒューズホルダーの反対側の配線に、ギボシ端子メスを付けます。
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ポジションランプのマイナス線も同様に分岐させて、こちらはギボシ端子オスを付けます。
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そしてLEDテープライトのプラス線を、ヒューズホルダーにつなげます。
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残ったマイナス線同士もつなげて、電源取り出し完了!
ヒューズを入れる
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最後にヒューズホルダーを開けて、ヒューズを入れておきましょう。
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何アンペアのヒューズを入れればいいの?
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今回は1アンペアだとLEDテープライトの電流値ギリギリになってしまうので、2アンペアの管ヒューズを入れておきます。
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これで保護も万全。
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スモール連動のフロントアンダーLEDが、完成しました!
今回使ったヒューズ
単品で買える「ミゼットヒューズ」。1アンペア、2アンペア、3アンペアがある。
イルミ電源は配線から取り出すのが定番だが、中にはヒューズから取り出せる車もある。そのあたりの事情はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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