USB電源を車内の隠れた場所から取る方法
スマホの充電用途に限らず、車でもUSB電源の必要性が高まっている。最も手軽なのはシガーソケットに差し込むタイプのアダプターだが、USBケーブルがダラ〜ンと丸見え。そこで配線を隠してUSB電源を取るための便利アイテムを紹介。取り付け方も解説する。
車内の見える場所をUSBケーブルが通るのは見栄えが悪い
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最近は、車の用品でもUSB電源で動作する機器が増えていますよね。
●アドバイザー:イルミスタ・野本研究員
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確かに。USB電源が必要なのは、スマホの充電だけじゃないですね。
●レポーター:イルミちゃん
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しかし、シガーソケットに差し込むタイプのUSBアダプターだと、配線が丸見えになってしまいますよね。
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スマホの充電だったら、充電している間だからいいとしても……
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ずーっと付けっぱなしにしておく機器は、見えない場所から電源を取りたいところです。
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そうすれば、シガーソケットもスマホ充電用に空きますね。
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そういうメリットもあります。
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でも……。
見えない場所ってドコ? -
例えばヒューズボックスや、ナビ裏など。裏から電源を取り出せる場所は、いろいろあるじゃないですか。
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それはそうですけど……今ほしいのは、USB電源ですよ? 車の電源は12Vだから、USB機器には使えないのでは???
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そうですね。車はDC12V、USB電源はDC5V。なので、電圧が違います。
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だめじゃん。
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だから「デコデコ」を使うんですよ。
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デコデコ?
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DC/DCコンバーターのことを、通称デコデコと言うんです。ようは、電圧を変換する部品のことですね。
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それはつまり……車の12V電源を、USBの5V電源に変えられる?
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そうです。
こういう部品(↓)を使います。 -
これは、DC/DCコンバーター単体ではなくて、それにUSBポートが合体したアイテムです。
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USB機器のUSBケーブルを、そのまま差せるようになっているんだ。
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そうですね。あとは反対側に出ている線に、車から電源とボディアースを取るだけです。
USBケーブルが見苦しい
車の電源はヒューズなどから取り出せる
USB DC/DCコンバーター
車のDC12Vを、USB電源の5Vに変換できる。USB DC/DCコンバーター
ヒューズから取った電源を5V化する方法
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見えない場所から電源を取るなら、ヒューズボックスが定番。今日はそこから取り出す例で紹介しましょう。
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この場合は、セットでヒューズから電源を取るためのアイテムが必要になりますね。
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車のヒューズには平型(ひらがた)、ミニ平型(ミニひらがた)、低背(ていはい)など種類があります。自分の車のヒューズ形状に合った、ヒューズ電源コネクターを用意しましょう。
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つまりヒューズ電源コネクターを買うのは、ヒューズを調べてから……ですね。
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そしてDC/DCコンバーター側の線には、あらかじめギボシ端子を付けておきます。
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では!
どのヒューズから電源を取りましょう? -
USB機器用の電源なので、基本的にはエンジンオフで遮断されるACC電源(アクセサリー電源)から取るのがよいでしょうね。
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電源の種類を調べるには、検電テスターが必要です。
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まずはACC電源ヒューズの探し方。エンジンオフでは反応せず、ACCオンになった段階で、検電テスターが反応するヒューズを見つけましょう。
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ACC電源ヒューズは、どんな車でもすぐに見つかりますね〜。
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見つけたら、純正ヒューズを抜きます。
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純正ヒューズが抜けたら、純正ヒューズを、ヒューズ電源コネクターに差し込み直します。
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純正ヒューズを流用するので、保護回路はそのまま生かせる仕組みです。
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もう一か所の差し込み口は?
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こっちは、電源取り出し線のためのヒューズを付けておきます。これは付属品です。
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この部分のヒューズは、使う機器に合わせたアンペア数を選ぶといいんですけど……
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そんなこと言われても……。
分からないカモ。 -
よく分からなければ、3Aや5A(アンペア)あたりを付けておけばOK。このヒューズの主な目的は、ショートさせたときなどに回路が遮断されることですので。
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次にヒューズ電源コネクターを、もとのヒューズの位置に差し込みます。
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あとはこの線を、DC/DCコンバーターのプラス線とつなげばいいんですね。
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残るはボディアースの配線。延長コードとクワ型端子を使って、下写真のようなアースコードを作ります。
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今回のモデル車(L175ムーヴ)は、助手席側グローブボックス裏にヒューズボックスがありました。この場合は、ボディアースもグローブロックス裏の金属部のネジで取ると、てっとり早いですね。
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これでDC/DCコンバーターの電源が取れました。
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DC/DCコンバーターにUSB機器のUSBケーブルをつないだら、そのまま裏に隠してしまえばOKです。
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グローブボックス裏などの隠れた場所で、USB機器の電源が取れるってことですね〜。
ヒューズ電源コネクター
ヒューズ形状の種類の違いで3種類ある。
両者はギボシ端子でつなぐ
端子の付け方が分からない人は、「ギボシ端子の正しい付け方」を参照。
接続準備完了!
検電テスター
使い方が分からない人は、「検電テスターの正しい使い方」を参照。
ヒューズの金属露出部分に、テスター先端を当てる。
写真の工具は、純正で付属のヒューズ抜き。なければラジオペンチ等で引っ張ればすぐ抜ける。
2か所ヒューズの差し込み口があるが、純正ヒューズは足に近いほうに差し込む。
付属のヒューズもセットしたところ
リアル配線図
別記事の、「クワ型端子の付け方」なども参照。
ボディアース接続する
ヒューズから電源を取り出すのは定番ではありますが、定番だからといってデメリットがないわけではありません。はじめてヒューズから電源取り出ししようとしているなら、下の動画(YouTube)の内容もチェックしておくことを強くオススメします(DIYラボ編集部)
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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