ロングハブボルトへの交換(打ち替え)ってどうやるの?
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5ミリを超えるスペーサーをかませるなら、ロングハブボルトへの交換(打ち替え)が必要。なおハブボルト交換はブレーキを外す必要があるので、作業はブレーキの分解整備ができる人限定だ。しかし足まわりにこだわる人は、やり方を知っておくだけでも興味深いはず。
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5ミリを超えるスペーサーをかませたいときはハブボルトの打ち替えが必要、という話がありましたが……
※「スペーサーの正しい使い方」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。5ミリを超えるスペーサーは、ロングハブボルトに交換しないと、ホイールナットがしっかり噛まなくなりますので。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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そこで今日は、ハブボルトの交換がどんな作業なのか、取材したいと思います。
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ただ、ハブボルトの交換はその前にブレーキを外す必要があります。ココがちょっと問題ですね。
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ブレーキのような重要部品の分解は、お店でも整備士資格が必要な作業なんです。
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誰でもやっていい作業ではないんですね。……それも当然か。
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というわけで「ハブボルト交換」は、ブレーキの分解整備ができる知識や技術を持った人限定の作業です。
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やり方だけならネットでいくらでも調べられる時代なんですけど……、ハブボルトの打ち替えは、スプラインをダメにしてしまう人がけっこういます。
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スプラインとは?
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順を追って説明しましょう。
ハブボルトの出方が少ないと、ナットがしっかり噛まず危険!
事前にキャリパーなどを外す必要がある
ハブボルトの交換方法①
ハブボルトを外すには?
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キャリパーを外して、サイドブレーキ解除の状態ならば、テンションがなくなるのでローターが外せます。
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ローターを外したら、円盤みたいなハブベアリングが見えるようになります。
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ハブボルトは、ハブベアリングにささっているんですね〜。
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この状態になったら、いらないホイールナットをボルトにかませます。
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不要ナット? 普段ホイールに装着している大切なナットを使ってはダメなんですか?
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そうですね。
なぜかというと、次にハンマーで叩くからです。 -
こうすると、純正ハブボルトが後ろ側にスコーンっと抜けますよ。
ローターはパカっとすぐ取れる
ハブベアリングが姿を見せる
ハブボルトに不要なナットをかませる
ナットを付けたらオモテから叩く!
抜けた純正ハブボルト
スプラインについて知っておくことが重要
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抜けたハブボルトの、根元部分に注目しましょう。ここに縦のミゾが彫ってある。コレがスプラインです。
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ハブベアリング側の、穴のほうにも縦ミゾが切ってありますよ。
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ホントだ。
このスプラインが重要ということでしたよね。 -
外す時はいいんですが、新しいハブボルト(ロングハブボルトなど)を付けるとき、このミゾが正確に一致するようにハブボルトを挿し込まないとマズイのです。
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ミゾが完全に一致してなくても、ボルトは付けられるというか、付いてしまう?
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そうなんですよ。でもスプラインが一致していない状態で装着すると、縦ミゾ同士がつぶれてしまいます。
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スプラインがつぶれると、どうなるんでしょう?
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ハブボルト自体がしっかり留まっていない状態になるので、ホイールナットを回し込むときに、いっしょにボルトが空転してしまう。
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あわわ。
ホイールが付かないってことか。 -
付かなくなるか、外せなくなるか、どちらかですね。後者の例もありました。
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ハブベアリング側のミゾもナメてしまっているというのは……嫌な予感がしますね。
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そうなると、ハブベアリング自体を交換しないといけなくなる。いい値段しますよ〜。数万円はかかると思う。
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確かに、この場面は要注意ですね。
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なお縦ミゾ同士が一致していると、カリっという感触が指に伝わってくる。「あ、ここだな」って分かります。
これがスプライン
ハブボルトは裏から通して付ける
ハブボルトの付け方は、次ページ!