電装DIYの知識
サイドステップ奥にアンダーLEDを取り付ける方法
アンダーLEDを多数施行しているプロの職人に、LEDテープの取り付け方法を教わる「アンダーLED教室」。今回はサイドステップ編。長さがあるサイドには、フロントとはまた違ったコツがある。なおフロント編は別記事で紹介。
サイドには長めのLEDテープが必要になる
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アンダーLED職人に教わる「アンダーLED教室」。今日はサイドステップ編です。
※フロント編は「LEDテープライトを車に取り付ける方法╱アンダーLED編」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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サイドステップは、フロントバンパーと違って長さがあるので、5メーター売りのLEDテープが必要になりますね。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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今回のように5メーターから切り出す場合は、自分で配線をハンダ付けする必要があります。そこで、配線接続部分の防水処理が重要になってきます。
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防水スミチューブとシリコンコーキングを使った防水方法は、以前に教わったテクニックですね〜。
5メーターで明るいタイプを用意する
アンダーLED向きなLEDテープ、イルミスタの5050テープLED・防滴クリアドーム(5m)。1メーターあたり60個のチップLEDを搭載する60LED/mタイプが人気。
詳しいやり方は、「LEDテープをカットしたときの防水処理方法」で解説している。
固定する場所はサイドステップ底面ではない?
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サイドにLEDテープを貼るときの注意事項。サイドステップの下(底面)には、貼らないほうがいいでしょう。
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ウーム。
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なぜなら、サイドステップを擦ったら、その時点でLEDテープが切れてしまいますからね。トラブルの元です。
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確かにね。
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それとサイドステップの形状にもよりますが、真横から車を見たときに光源が見えてしまう可能性も高い。
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フロントと同じことが言えるわけですね。
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そうなんです。だからイルミスタで作業するときは、サイドはほぼアルミバー必須となっています。
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ただ、イルミスタで販売しているアルミバーは1メーターまでしかないので、サイドアンダーLEDには不十分です。
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今回のモデル車ムーヴで、サイド用のLEDテープの長さが1.7メーターですもんね。
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ホームセンターなどに行けば2メーター超のアルミバーも手に入るので、それを使います。
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2メーターあれば国産車はだいたいの車種で足りると思います。アルファード&ヴェルファイアでも、だいたい2メーターなので。
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あの〜、野本研究員。1メーターのものを、2本使うのもアリですよね?
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いや、そのやり方は、つなぎ目ができてしまうので難しいと思いますよ。
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つなぎ目ができるとダメ?
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車の腹下って、意外とそんなに都合良くフラットではなかったりするんですね。
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フムフム。
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1本なら、しならせながら付けたりできますが、2本だと接合部分で合わせるのが難しい。
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なるほど。
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アルミバーを車体に固定するときは、ポイントポイントでの固定になるので、なおさらです。2本の接合だとつなぎ目がバタつく可能性があります。
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それでLEDテープが剥がれてしまう可能性もありそう。
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だから、2ミリ厚などの薄さで、かつ長い1本モノが一番使い勝手がいいのです。
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その薄さもポイントなんですね。
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曲がらない直線のバーでは、車体に固定するのは難しいと思います。それに加えて、厚いものほど重さの問題も出てきます。
サイドステップ奥に貼って光源を隠す
2ミリ厚、20ミリ幅、長さ2メーターのアルミバーを使う。ホームセンターで買ってきたもの。
サイドステップ奥にアルミバーを固定する方法
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ここでは、イルミスタ・デモカーの固定方法を紹介しておきます。
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こんな風に(↑)サイドステップより一段奥まったところに、アルミバーを通しているんですね〜。
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フロントやリアと違って、サイドの奥は車体の鉄板などがなかったりします。そのため、数ヶ所はステーを使っています。
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ステー?
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車体側の鉄板にステーをネジ留めして、そのステーに対してアルミバーを固定しているんですね。これはアンダーLEDではよく使う手法です。
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今回のムーヴのサイドの例でいうと、スタート地点は、車体のフレームがある場所なので、そこは直接リベット留めしました。
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でも、これ以降は車体側に直接固定できる鉄板がなかったので、ステーを使っているんですね。
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でも、もっと外側には鉄板がありますよ!? わざわざそれを避けて空中に付けているようにも見えますが……これはなぜ?
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その鉄板は、ジャッキポイントにかかってしまうのでダメなんです。
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あー、なるほど。こんな場所にLEDテープなんか貼ってしまったら……
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ジャッキをかけたら、LEDテープをつぶしてしまいますね。
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だから、アルミバーが必須になってくるんですね〜。
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腹下の固定事情は、車種によって違いますけどね。車種によっては、一部区間だけステーを使えば固定できるケースもありますよ。
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このムーヴの場合は、ステーはリベット留めですが、最近はアルミのネジを使うことがほとんどですね。どっちにしても穴を開けないといけないのは同じですが。
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ネジは、アルミ製じゃないとダメなんですか?
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錆びないように、ということですね。
腹下の状況によって、いろいろな形状のステーを使う。
ムーヴはほとんどが空中区間だったのでステー固定になっている。
両面テープは、自動車用の強力タイプを使う
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これは以前にやったフロントと同じですが、両面テープは、LEDテープ付属のままでは粘着力が弱いので、いったん剥がして、自動車用の強力タイプに貼り替えます。
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その上で、アルミバーに貼り付けていくんですね〜。
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プロのアンダーLED職人が付けると、こんな風にビシっと付きます。
LEDテープの末端の防水処理
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仕上げとして、LEDテープ末端の防水処理をほどこしましょう。
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あれ? それなら「LEDテープをカットしたときの防水処理方法」で教わりましたよ。
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それは配線を付けた部分の防水処理であって、配線の付いていない側は、切りっぱなしの状態ですよね。
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そういえば、そうでした。つまりサイドステップの一番後端ですね。
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ここは、LEDテープの固定も兼ねて、シリコン製コーキングを打っておけばいいのです。
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この作業を後回しにしたのは、固定を兼ねる、という意味合いもあるからですね。
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なるほどね。でも後回しにして忘れないように、注意が必要ですね。
少量のシリコンコーキングとして、バスボンドを代用している。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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