バッテリーを外す順番╱外す前にバックアップ電源をセット
車のバッテリーを外す順番を、初心者向けに解説。なお普通にバッテリーを外すと、車やナビのメモリー(設定情報)が飛んでしまうので、ここではバックアップ電源を使った「メモリーを飛ばさないバッテリー交換のやり方」をガイドする。
車やナビのメモリー(設定情報)を飛ばさないバッテリー交換方法
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初心者向きに車のバッテリー交換方法を解説していきますが、「単なるバッテリーの交換手順」なら、他にもいくらでも解説例がありますので……
●レポーター:イルミちゃん
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ここでは、車やナビのメモリーを飛ばさないバッテリー交換方法を解説していきます。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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メモリーってなんのこと? という人は、バッテリーを外す前に、下記記事を読むのがオススメ。
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まず、メモリー用のバックアップ電源を用意します。
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このように(↓)アルカリ単三乾電池・8本をセットしましょう。
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エネループやエボルタ(充電式)でもいいですか?
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う〜ん、充電式の電池は電圧が低いので、8本使っても12Vにはならないんですよ。
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ナルホド。ここは失敗が許されない場面だから、アルカリ単三乾電池を用意しましょう。
✔ アルカリ乾電池は1本1.5V電圧なので、8本直列で12V電源を作れる。それがバックアップ電源の仕組み。
✔ しかし、1.2Vなどの充電式電池だと、9.6Vにしか達しない。正常にバックアップされない可能性もある。
バックアップ電源(メモリーバックアップ)の取り付け
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準備ができたら、バックアップ電源(メモリーバックアップ)の本体をボンネットのフックなどに下げておきます。
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引っかかるようになっています。
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次に、バッテリーのプラスターミナルにかぶっているターミナルカバーをめくって外します。
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そうすると、プラスターミナルが見える状態になりますね。
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ここで、バックアップ電源本体とつながっている、赤いバッテリークリップを挟んで固定します。
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これ、正確にはバッテリーターミナルのどこに噛ませればいいのでしょうか?
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ターミナルの金属部分で、ガッチリ挟んで固定できる場所であれば特に決まりはないです。
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通電させるから、金属部分というのは必須ですね〜。
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ただし、バッテリー本体だけでなく、バッテリーターミナルも錆びているから交換しよう、なんていう時は取り付け位置に注意が必要ですね。
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ターミナルまで交換する場合でも、メモリーのバックアップはできるんだ。
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できますが、その場合はバックアップ電源のクリップを、ターミナル部分に固定したらいっしょに外れてしまいますので。
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その時点で、メモリーが飛びますね。
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というわけで、純正配線が接続されているターミナルブロックのネジなどに固定しておきます。
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ようは、純正配線が接続されている金属部分に付けておく、ということですね。
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「ターミナル交換まではしない通常のバッテリー交換」であれば、バッテリーターミナルでもターミナルブロックでも、外れなければ問題ないです。
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今回は、ターミナルまで交換する流れで解説していきますよ。
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エーモンのバッテリークリップは、ロック機構も付いているので、挟んだあとはカチっとロックさせます。
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マイナス側も同じですね。
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そうです。バックアップ電源本体の黒いクリップを、マイナス側のバッテリーターミナル(今回はターミナルブロック側)へつなぎます。
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これでメモリーを保護するための、バックアップ電源は取り付けできました。
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バッテリー交換が終わるまでは、このバックアップ電源によって、メモリーが維持されます。
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ちなみにバッテリーを外した状態でクリップが取れたら?
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その時点でメモリーは消滅します。当然ですが。
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しっかり固定できているか、今のうちに確認しておきましょう。
バッテリーターミナルを外すときは順番に注意
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「ターミナル交換まではしない通常のバッテリー交換」だとすれば、次はバッテリーターミナルを外します。
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プラスとマイナスどっちを先に外すのか、順番がありましたね。
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バッテリーを外すときはマイナスが先ですね。
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ターミナルのネジの締め付けによって、バッテリーの端子を挟み込んでいるので、このネジをゆるめれば……
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ターミナルごと、スポンと上に抜けます。
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これでプラスターミナルも、外しにかかれます。
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バックアップ電源はターミナル側につながったまま、ターミナルを外すことに成功しました。
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ただし、この外し方は、あくまでも「ターミナル交換まではしないバッテリー(だけ)交換」の場合です。
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ターミナルも新品に交換したいときは?
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着脱するポイントが変わってきますね。
予備解説
プラスを先に外そうとすると、工具の先が車体金属に触れたときにショートして火花が散る。これは車体金属がマイナス線代わりになっているため。
「マイナス側が外れた状態」ではじめてプラスターミナルに触るようにすれば、ショートは防げる。
このネジをゆるめる
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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