タイヤチェーンの付け方

タイヤチェーンの付け方。「今まで一度もやったことがない」人にもわかるように、初心者向きに解説する。今どきのタイヤチェーンは車を動かさずにカンタンに付けられるが、雪の中で初めてやると泣きそうになるので、事前に練習しておこう。
タイヤチェーンの取り付けは、1回は練習しておくとよい
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新手のチェーン規制も導入されて、なにかと話題のタイヤチェーン。
●レポーター:イルミちゃん
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しかし、最近はチェーンを付けたことがない、という人も多いですよね~。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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まあ、雪国ならスタッドレスタイヤ履くし、太平洋側なら雪はほとんど降らないし?
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……で、普段は雪がさほど多くないエリアで大雪が降ると、慌ててチェーンを買ってきて自分で取り付けたりするのですが……
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タイヤチェーンばかりは、自分で付けるしかないですね。雪で店まで行けないんだから。
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その結果、けっこう道路に落ちてますよね。
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なにが?
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外れてしまったチェーンが。
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……ちゃんと付けられてない、ってやつか。
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タイヤチェーンを買っただけで満足しないで、一回は取り付けの練習をしたほうがいいですね。
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そりゃーそーだ。
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実際に、雪が降ってから「タイヤチェーンをはじめて(あるいは久々に)取り付ける」パターンだと、手もかじかんでいるし、うまく付けられないんですよ。
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大寒波で大雪が降る前に、タイヤチェーンの付け方をおさらいしておきましょう。

予備解説
従来のチェーン規制は、スタッドレスタイヤでも走行可能(チェーンと同義)だったが、今後は、通行止めになる一歩手前の大雪時は、スタッドレスタイヤでは走行不可の「リアルチェーン規制」が行われる可能性がある。
(特定区間のみ。詳細は国道交通省HPの「チェーン規制Q&A」参照。
チェーンの今どきの主流はゴムやウレタン製
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ここで、タイヤチェーン取り付け前の注意点。
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チェーンといっても実際は昔ながらのクサリじゃなくて、今どきはゴムみたいのが主流ですよね。
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こういうやつですね
(↓) -
この手のウレタンやゴムのタイヤチェーンの取り付け方は、細かい点は製品によって多少違いがあるにせよ、だいたい同じような感じではあります。
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フムフム。
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まず基本中の基本として、タイヤチェーンは駆動輪に取り付けます。
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今回はFF車(前輪駆動)なので、前輪に付けます。
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それから、もうひとつ注意点。ゴムやウレタン製のタイヤチェーンは、古くなると劣化しますので寿命があります。
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ええッ!!
チェーンに寿命なんてあるの! -
だって、ゴム製品ならタイヤと同じわけですから、寿命はありますよ。
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本当だ、今回のタイヤチェーンにも、使用期限は5年って書いてある。
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古くから持っているチェーンを取り付けるときは、まずはこの点に注意しましょう。

今回使うのはAmazonでも販売されているソフト99の救急隊ネット ※サイズはいろいろある。

このタイヤチェーンはウレタン製。
タイヤチェーンの付け方

チェーンをタイヤに巻き付ける
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では、取り付けてみましょう。
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チェーン本体のほかに、ゴムの輪っか(ゴムバンド)が2本、それから取り付け工具で、フッカーというのが付いてます。
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なお、タイヤチェーンには、〈オモテ・ウラ〉もあるし、〈内側・外側〉の向きもありますからね。
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スパイクみたいな、トンガリが付いているほうが地面側ですね~。
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そうなんですけど、取り付けるときはまず、スパイク面を上にして置きます。
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そしてタイヤの裏側を通すようにして……
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こういう風に置きます(↓)
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この時点だと、スパイク面が上(空の方向)を向いているんだ。
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そして、最終的にはオモテ側にくるフック側(黄色いフック)は、この時点では奥側にいってます。
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なんか、一見すると逆向きのようでややこしい気もしますが……
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まあ、ようするに説明書通りにおいているだけですので、その通りにやれば大丈夫。
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それで次は?
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タイヤチェーンの、この部分とこの部分を持ちます。
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今回のタイヤチェーンだと、「A」と説明書に書いてあるポイントで、タイヤの「上側・奥」にいく連結ポイントなんです。
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ふむふむ。
まずはその2点を手に持って…… -
こうやって持ち上げながら、両者を寄せてきます。
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この2点が、上に上がってきました。
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で、タイヤの上側で連結します。フックを穴に引っ掛けるだけだから簡単です。
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奥側を連結したら、そのあと手前側を連結したくなりますが、ここは後回しです。
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タイヤの「下側・手前」となるポイントを、奥から引っ張り出して来ます。
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この下側のポイントを連結します。今回のタイヤチェーンだと「C」って書いてあります。
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「上側・奥」のつぎは、「下側・手前」なんですね~。つまりこれも、対角線的な攻め方か。
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そして最後に、「上側・手前」のポイントを連結します。今回のタイヤチェーンだと「B」と書いてあります。
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なるほど。車を動かす必要もなく、タイヤチェーンがタイヤに巻かれました~。よく出来ているなァ。
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ここまで取り付けたら、“たわみ”をなくすように全体を整えます。


シュルシュル~

セット完了



最初の連結ポイント2点をタイヤの上に持ち上げてくる






とりあえずチェーンが巻かれた


タイヤチェーンにゴムバンドを引っ掛ける
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手前の黄色いフックに、ゴムバンドを引っ掛けるんだ。
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これ、スタート地点はどこでもいいんですが……
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1箇所先に引っ掛けたら、対角線上に位置しているフックまで伸ばして引っ掛けます。
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このときに、付属工具のフッカーを使うんですね~。
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2点に引っ掛けると、こうなる(↓)
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次はこう攻めて、引っ掛けます。
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ゴムバンドで四角を描くように、反対側にも引っ掛ける。
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あとは同じ要領で、すべてのフックに引っ掛けます。
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できた!
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まだです。今回のタイヤチェーンだと、このゴムバンドがタイヤ1本につき2本あるので、2週目も同じように繰り返します。
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同じ手順で、全てのフックに引っ掛ければ……
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これでタイヤチェーンの取り付けは完成です。
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分かってしまえば、今どきのタイヤチェーンの付け方はカンタンです♪
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そうなんですけど、雪の中で説明書見ながらやるとかだと、意外と大変ですよォ~。
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……やはり雪が降る前に、1回だけ練習しておくのがベストですね。
最後に付属の輪っか(ゴムバンド)をひっかけます



グイーン


バチン






2周目

できた!


DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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