電装DIYの知識
アンダーネオンLEDを、DIY取り付けする時の注意点まとめ
アンダーネオンLED(アンダーLED)をDIYでやる前に、知っておきたい9つの注意点。まずは材料のLEDテープの防水性から、LEDテープを車に取り付ける方法、電源取り出し方法まで。工程順に解説しているので、技の全容もつかめる。
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ①
LEDテープは防水タイプが理想。せめて防滴を使う
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まずは使うLEDテープに関する注意点から。
●レポーター:イルミちゃん
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アンダーネオンLED(アンダーLED)は、水がバシャバシャかかる腹下にLEDテープを付けますから、理想は防水タイプを使うことです。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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LEDテープは、「非防水」「防滴」「防水」とランクが分かれています。
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普通のLEDテープ(非防水)を使うと、ショートするので危険です!
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ②
防水タイプのLEDテープは両面テープでは付かない
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防水性という意味では、LEDテープがシリコンで覆われた防水タイプが理想。しかし欠点もあります。
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防水LEDテープの欠点?
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それは両面テープではくっつかないこと。シリコンに両面テープを貼っても剥がれてしまいます。
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それは困る。
バンパー下に、固定できない? -
防水タイプを使うなら、両面テープ固定ではなく、アルミバーを車体に取り付けて、それに対してタイラップ(結束バンド)でくくり付けるなどの工夫が必要になります。
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う〜ん。DIYだと、両面テープでスポイラーにペタっと貼る人が多いと思う! 何とかなりません?
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それなら、オモテ面だけシリコン樹脂で覆われた「防滴タイプ」(クリアドーム)のほうが使い勝手がいいです。
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防滴タイプで明るいLEDテープを……となったら、イルミスタでよく使うのは3チップの5050を搭載するクリアドーム(↓)です。
防水用のシリコン樹脂が裏目に出る
防水性は下がるが、取り付け性の良い防滴タイプ
イルミスタの「60LED/1m クリアドームテープLED」
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ③
LEDテープ末端の防水処理はしっかりと!
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防水や防滴のLEDテープを選んだとしても、カットした末端部分は防水&絶縁処理が必要です。
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切りっぱなしは、やはりショートする危険があります。
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なお、LEDテープの末端処理の仕込み方法は、「LEDテープライトを車に取り付けする下準備(配線加工)」で詳しく解説していますよ。
スミチューブSA2(防水型 熱収縮チューブ)
太さの違いで4種類ある。サイズ等、詳しくはエルパラHPの「スミチューブSA2」を参照。
太めの収縮チューブで末端部をカバーする
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ④
意外と電気を喰う! 配線はAWG20が定番
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LEDテープの配線を延長するときは、「明るいLEDテープは意外と電気を喰う」という点に注意しましょう。
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普通のLEDは消費電力が小さいので、細線(AWG24、0.2スケア線)でいいんですが、アンダーネオンLED(アンダーLED)では、LEDテープを長いまま使ったりもしますよね。
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フロントスポイラーに1本モノの1メーターを貼るとか……。
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この場合、明るいタイプだと1アンペア以上の電流が流れることもあります。LEDテープの種類にもよりますが。
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サイドステップだったら、もっと長いかも……。
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そうですね。マージンも考えるとAWG20(0.5スケア)という規格の太さを使うのがオススメです。
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AWG表記とsq(スケア)表記は、どちらも配線の太さを示しています(↓)。
█ AWGとsq(スケア)の対応表
AWG 18 | 0.75 スケア |
---|---|
AWG 20 | 0.5 スケア |
AWG 22 | 0.3 スケア |
AWG 24 | 0.2 スケア |
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ⑤
低い場所ではギボシ端子を使わないこと
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バンパーにLEDテープを取り付ける以上、どこかにギボシ端子を使っておかないと、バンパーを脱着するときに困ります。
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ただし、ギボシ端子は防水ではありません(※防水ギボシ端子なら別)
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だから、地面に近い場所では使わないようにします。LEDテープに延長コードをつなぐところは地面に近いので、防水での配線接続を考えます。
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スプライス端子と防水収縮チューブを使った、プロおすすめのつなぎ方の例(↓)です。
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プロおすすめの配線のつなぎ方は、「LEDテープライトの配線を延長する方法」で詳しく解説しています。
脱着可能なギボシ端子。使い方は「ギボシ端子の正しい付け方」参照。
スプライス端子で配線同士をつなぐ
防水収縮チューブで絶縁&防水する
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ⑥
付属の両面テープだと剥がれやすい!?
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一般的なLEDテープの裏面に付いている両面テープは、紙製です。
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バンパー下に、ついついペタリと貼りたくなりますが……
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紙の両面テープだと、バンパーやスポイラーに貼ってもすぐに剥がれてきてしまう。ではどうするか?
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ひと手間かかりますが、自動車用の両面テープに付け替えてから貼ると、まず剥がれる心配はなくなりますよ〜。
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ⑦
光源の粒々が見えないようにする付け方
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アンダーネオンをきれい見せるコツは、LEDの光源を隠して、粒々が見えないように取り付けることです。
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ポイントは、LEDテープの取り付け位置。バンパー底面に貼る場合は、できるだけ後方に貼るようにします。
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とは言え、そもそもボトムに厚み(奥行き)がないバンパーも多いですよね……。
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そうですね。だから本当の理想を言えば、アルミバーを使って固定するのが一番いいです。
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バンパー底面より一段高い位置に設置することで、どんなに遠くから見ても光源が見えないように処理できます。
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アルミバーを使った取り付け方は「LEDテープライトを車に取り付ける方法(アンダーLED編)」で解説中。直貼りより手間はかかるけど、仕上がりが断然キレイ!
遠くから見ると光源が見えてしまう例
光源は見えずに路面だけ光るのが理想
後ろのほうを狙う
アルミバー
イルミスタの「アルミ平角棒 10×2×1m」
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ⑧
ポジションランプから電源を取る時は容量に注意!!
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アンダーネオン用に取り付けたLEDテープを夜だけ光らせるようにするには、スモール連動にするのが定番です。
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この場合、電源はスモールランプ(ポジションランプ)の配線から取り出すのが定石ですが……
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ただ、フロントアンダーLEDだけならともかく、フロント+両サイドとか、リアまで含めたフルでのアンダーネオンをやるならば、明らかに電気の取り過ぎです。
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ヒューズが飛ぶ!
というか、万が一飛ばなかったら、なお危険……。 -
ポジションランプをLED化すると、ポジション自体が使う電気が激減しますよ。ポジションが電球の人は、まずそこからLEDに交換するのがオススメ。
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あー、なるほど。
そんな対策があるんですね。 -
しかしそれにしても、ポジション線から何本ものLEDテープの電源は取れません。そういう組み方をする場合は、バッ直ケーブルを使うか、リレーを使ってバッテリーから直接電源を取りましょう。
具体的な手順は、「車からLEDテープライトの電源を取る方法」参照。
リレーの勉強は、「リレーの使い方入門╱回路のしくみ」参照。
アンダーネオンLED╱DIYの注意点 ⑨
保険としてヒューズの仕込みを忘れずに!
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純正配線を分岐させて電源を取るときは、分岐させた直後のところに後付け用のヒューズホルダーをかませておきましょう。
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まずヒューズホルダーの配線を、純正配線(スモール+線)に合流させて、その上で延長コードとつなぐのがいいですね。
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延長コードとつなぐ場面でギボシ端子を使っておけば、バンパーを外すときにはココで抜き差しが可能です。
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中に入れるヒューズのアンペア数は、LEDテープの容量によって変わりますが、フロントスポイラーに明るいタイプを1メーター分貼った場合は、1アンペアでは足りない可能性があります。
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アンダーネオンLEDの具体的なやり方は、下記の関連記事で詳しく解説していますよ〜。
エルパラの「コード付きヒューズホルダー」。ヒューズは別売り。
今回の技(フロント1メーター貼り)では、2アンペアヒューズを使っている。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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