ドアロック・アンロック信号線の取り出し方
ドアロック時、+12Vの電気が一瞬だけ流れる線が「ドアロック信号線」。アンロック時にだけ電気が流れる線が「アンロック信号線」。通常のLED取り付けなどでは使わないが、例えば「ドアロック時(アンロック時)に何かを光らせる」といった制御を行うユニットを取り付けるときにはこの電源が必要になってくる。
なお、車種によっては「普段は微電流が流れていて、ロック時(アンロック時)に電気が流れない」という逆パターン(マイナスコントロール)を行うものもあるが、ロック・アンロック動作に連動している点では同じことだ。
配線図がなくても見つけることはできる
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ドアロック信号線は、「ドアをロックしたとき一瞬だけ+12の電気が流れる線」です。配線図がなくても検電テスターを使って調べることは可能です。
●アドバイザー:エーモン ジュニア研究員
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え、検電テスターで判別できるんですか? 一瞬しか電気が流れないのに?
●レポーター:イルミちゃん
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検電テスターを配線の端子に当てた状態で、実際にリモコンで「ドアロック」してみればいいわけです。ドアロック線なら一瞬だけ検電テスターが反応します。
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なるほど、そういうことか。じゃあアンロック線はその逆ってことですか?
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ですね。アンロック動作に連動するのがアンロック線。だからこの2つはセットで調べることができますね。
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でも、車の配線ってたくさんあるから、検電テスターで1本ずつ当たるのは大変そう……。
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今回はデイズの例ですが、運転席足元のキックパネルを外した裏を通っているケースは多いです。ドア側に付いているロック・アンロックのスイッチとつながっている配線が、この付近を通ることになるので。
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なるほど〜。でも、それならドアスイッチ付近で取るほうがカンタンなのでは?
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それだと取り出した後で、配線コードを室内側に引き込む作業が必要になりますよ。それはけっこうタイヘン……。
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そっか。だから車内側で捕まえるんだ。
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そういうことです。運転席足元付近からドア側へ渡っていく前の、キックパネル裏で捕まえるのが効率的です。
検電テスターの定番モデル
取り方
キックパネル裏から取り出す方法を紹介します
内張りを外す
デイズの場合は運転席足元のステップがキックパネルの上側にかぶさっているので、まずはステップを手で引っ張って外します。
次にキックパネルを引っ張って外します。ここはネジやピンが使われている車種が多いですね。
キックパネル裏にはこのように純正配線が集中していて複数のカプラーが見えます。この中からロック信号線とアンロック信号線を探し出します。
検電テスターをアース接続する
検電テスターのクリップ側を車体金属部にかませてアース接続します。これを忘れると何をやってもテスターは反応しませんよ。
検電テスターがきちんと動作しているか怪しいときはアースポイントを変えてみます
アンロックに連動する線を探す
検電テスターをカプラー内の配線の端子にあてながら、キーレスリモコンのドアアンロックボタンを押す(ロック解除)という調べ方になります。ドアスイッチ側のアンロックボタンでもOKです。
一瞬だけ光ったらアタリ!
ロック状態からドアアンロックした瞬間にだけテスターが反応する線があれば、それが「ドアアンロック信号線」ということになります。
ドアロックに連動する線を探す
次はドアロック線の探し方ですが、これはリモコンのドアロックボタンを押しながら調べます。まずアンロック状態にしておいてロックを押す!
一瞬だけ光ったらアタリ!
ロックした瞬間だけ検電テスターが反応するのが「ドアロック信号線」です。アンロック線と近い場所を通っている可能性が高いと思われます。
アンロック線を分岐させる
ドアアンロック信号線を、配線コネクターのミゾ(貫通している側)にかませます。今回は細線だったのでエーモンの白い配線コネクターを使いました。
あとはプライヤーでフタを閉じるだけ。配線コネクターのもう一方のミゾ(ストッパーがある側)にはあらかじめ分岐用の配線コード(0.2スケア)を付けておきます。
配線コネクターを閉じるときは、先の細いラジオペンチではなくプライヤーを使うのが正解
ドアロック線を分岐させる
やることはさっきと同じ。ドアロック信号線を、配線コネクターのミゾ(貫通している側)にかませます。
プライヤーでフタを閉じる。配線コネクターのもう一方のミゾ(ストッパーがある側)にはあらかじめ分岐用の配線コード(0.2スケア)を付けておきます。
配線が太めだった場合は、赤い配線コネクターまたは異線径コネクターなどを使います
エレクトロタップを使うときは接触不良に注意。この問題については、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
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