防水カプラーの作り方(端子の取り付け方法)
防水カプラーの作り方・使い方がわかると、車外の配線にとても有利。まず防水であること。なおかつLED配線で主流の細線を、脱着可能な状態で接続できるメリットは大。そこでカプラー用端子の取り付け方法を、一から詳しく解説する。
防水ギボシ端子と防水カプラーの違い
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車外の配線を、防水かつ脱着可能な状態でつなぐアイテムとして、防水ギボシ端子があることを紹介しましたが……
●レポーター:イルミちゃん
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今日は防水カプラーの使い方を解説します。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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防水ギボシ端子と、防水カプラーの使い分けがよく分からない人も多いと思われます。
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脱着できるという点は同じなんですが、そもそもカプラーは複数の線をまとめて脱着できるのがメリット。
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ギボシ端子は1本ずつ、ですからね。
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それから防水ギボシ端子は、ベースがあくまでもギボシ端子です。なので、0.5スケア以上の配線コードにしか使えません。
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つまり、細線(0.2スケア)には使えない。
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そうなんです。
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しかし、現実にはLED製品の配線は細線が主流なので、細線の登場頻度は高いですよね。
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細線同士を単に接続するだけなら、いろいろ方法はありますが「防水仕様で細線を脱着できるようにつなぐ」となると、細線用の防水カプラーの出番となります。
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つまり、防水ギボシ端子と比較すると、以下のような使い分けになるんですね。
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なお通常のカプラーは、エーモンからもたくさん出ていますが、防水となると上の一種類のみです。
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カプラーが全て防水というわけではありませんよ〜。
詳細はAmazonのエーモン 防水カプラー 2極(2891)
プラス線とマイナス線をまとめて1個のカプラーに
2本の配線をまとめて脱着できる
エーモンの「防水カプラー(2極)」は0.2スケアの細線専用となっている。
カプラーの作り方(カプラー用端子のかしめ方法)
細線用の電工ペンチが必要になる
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ここからは、カプラーの具体的な作り方(端子のかしめと、カプラーへの差し込み作業)です。
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エーモンの防水カプラー(2極)は、細線専用なので、細線用電工ペンチを使ってかしめます。
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普通の電工ペンチではできない?
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カプラー用の端子はとても小さいから、無理ですね。
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まずはニッパーで、端子を切り離します。
ニッパーと、エーモンの細線用電工ペンチを用意。
Amazonで販売されている【おすすめセット】エーモン 防水カプラー2極(2891)+細線用電工ペンチ(1431)を買う手もある。
配線コードの被覆をむく
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配線コード先端の被覆を、約3ミリ程度むきます。
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0.2スケア線を使っているのが前提なので、0.2(AWG24)と表記された穴を使ってむいています。
むく量は約3ミリ
カプラー用端子のかしめ方
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端子のかしめの順番。大きいツメと小さいツメがありますが、先に小さいツメを芯線にかけてかしめます。
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ここではメス端子を例にしていますが、付け方はオス端子も同じです。
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小さいツメをかしめるときは、細線用の「INS」と書かれた穴で軽くかしめて、仮固定します。
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「INS」は本番ではないんですね。
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本締めは、もうひとつ小さい穴の「AWG28-22」の穴に移して、ぎゅ〜っとかしめます。
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次に被覆にかけた大きいツメをかしめます。このツメは、「INS」と書かれた穴のみで本締めできます。
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小さいツメを芯線に、大きいツメは被覆にかかるように圧着するのがポイントです。
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非常に小さい点を除けば、ギボシ端子のかしめ方と同じですよ。
手前に見える大きいツメではなく、芯線にかけた小さいツメをかしめている。
穴を移して本締め
大きいツメの本締め
端子をカプラーに差し込む
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端子のかしめが2本分できたところで、カプラーに差し込みます。
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ここでは、メス端子を2本付けた場面。
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メス端子は小さいほうのカプラーに付きますが、差し込むときは、向きがあるので注意です。
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ツメを折り曲げた側ではなく、ひっくり返した反対面を上にして、カプラーに差し込みます。
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差し込みが甘いと、引っ張ってすぐ取れてしまうので、注意です。
奥まで差し込む
防水パッキンのロック
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防水カプラーの中にはオレンジ色の防水パッキンが入っていて、白い部分が外枠になっています。
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カプラー背中の白い枠を押し込むことで、カチっとロックがかかります。
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ここまでやらないと、防水になっていません。
ロックがかかった状態
オス端子の付け方も同じ
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オス端子も付け方は同じで、大きいほうのカプラーに差し込みます。
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これでOK!いつでも簡単に配線を脱着できます。
逆さまに差し込むの同じ
白枠を押し込んでロック
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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