LEDテープライトの種類と選び方。明るいのは? おすすめは?
LEDテープライトは、色と価格だけで何となく選んではいけない! 重要なのは「搭載チップLED」の種類と数。そこを知れば、明るさや寿命の差も理解できるし、車用・家庭用・店舗用と、用途に応じたおすすめがどれなのかも分かる。
LEDテープライトの明るさと性格はチップで決まる
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LEDテープライト(いわゆるテープLED)には、いろいろな種類があるので、どれを選んでいいか分からない、という人が多いはず。
●レポーター:イルミちゃん
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まず、LEDテープライトの明るさや性格を決めるのは、「搭載しているチップLED」の種類と数、です。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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ほほう。
チップに注目、ですね。 -
テープ状の基板にチップLEDが並んでいるのが、LEDテープライトですから。
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そうでした。
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つまり搭載しているチップLEDの違いが分かると「どういう製品を選べばいいのか」が見えてきます。
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そこで、チップLEDの種類別に分類してみました!
明るさで有利なLEDテープライトは5050タイプ
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まず明るさを求める人に人気なのは、5050というチップLEDを使ったタイプです。
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要するに、LEDの粒(チップ)が大きいんだ?
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そうですね。5050は大型で、しかも1個あたりにチップが3つずつ搭載された「3チップLED」なんです。
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では、明るさ重視の人には、コレがおすすめなんですね。
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もっと明るいのもありますよ?
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平川研究員、5050タイプが明るいと言ったそばから、何言ってるの?
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同じ5050系のLEDテープライトでも「搭載しているチップが多いタイプ」があるんですよ。
5050テープLED 30LED/m
LED通販大手のエルパラで買える「5050テープLED 30LED/m 非防水タイプ」 ※防滴タイプや防水タイプもある。
同じLEDチップなら、多く搭載しているほうが明るい
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同じ種類のLEDチップなら、数が多いほうが明るくなりますね。
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当然そうですよね。で、5050チップLEDの搭載量を倍に増やしたのがこのタイプ(↓)
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おお〜!
倍になった。 -
最初に紹介した「5050テープLED 30LED/m」は、1メーターあたりに5050を30個積んでいる、という意味。
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後ろの表記も重要ですね。
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1メーターあたりで30LEDと表記したり、5メーターあたりで150LEDで表記したりと、言い方はいろいろですが。
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そのへんは、買うときによ〜く見ないといけないな。LEDテープライトの表記は、統一されていないし。
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そうですね。そしてこの「60LED/m」は、1メーターあたりに60個の5050を積んでます。つまり5メーターだと300LEDです。
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ということは!
明るさも2倍にパワーアップ。 -
それと、光源の間隔が狭くなるので、粒々感が出にくいというメリットもあります。均一に照らすようになるので。
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こんなのがあるなら、最初からコレを出してくれればいいのに。何をもったいつけているのでしょう?
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いや、そういう話じゃないんですよ。メリットもあれば、デメリットもありますので。
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え!?
数が多いとデメリットがあるの? -
1メーターあたりの消費電力が増えますし、チップLEDが集積していることで、発熱量も大きくなります。
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ムムム……。
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だからこういうタイプは、放熱がしっかりできる環境で付けていないと、すぐ切れる、という事態になりやすい。
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そういうことね。
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LEDテープライトは、放熱が追いついていないと寿命が短くなるのです。
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LEDが切れる要因は、熱なんですね。
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「5050テープLED 60LED/m」のようにLED搭載量が多いタイプで長寿命を求めるなら、LEDテープライト専用のアルミフレームを使って熱を背面に逃がす……などの工夫が必要になってきます。
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でも明るさを求めるなら、コレが最強ってことか〜。
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いや、明るさだけならもっと上もありますけど……
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へ?
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1メーターあたりに、96個の5050を積んでいるタイプ(↓)もあるので。
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5050がギッシリだぁ〜!!
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ただし! ここまで来ると、普通のLEDテープライトのように、5メーター等の長さでは点灯すらできません。
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パワーがありすぎなのですね。
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実際、エルパラでは「96LED/m」タイプは、1メーターの長さでしか販売していません。
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つまり、短く明るくはできるけど……
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長さが必要なときは、使えないのです。
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なるほどね〜。限界超え気味のLEDテープライトとも言えそうです。
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それと非防水タイプのみ。防滴タイプや防水タイプは基板をシリコン樹脂で覆うので、放熱の面で無理が出てくる。
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そっか。同じ5050系でも、数が少ないタイプなら防滴とか防水タイプも選択できるんだ。
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そうなんです。
そういう違いも出てきます。 -
いろいろ分かってくると、余計に迷うような……。
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傾向として、明るさを求める人は「60LED/m」を選ぶけれど、店舗用・看板用みたいなプロユースだと「30LED/m」の支持率が高いです。
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プロは当然、切れにくさ(長寿命)を重視しているんですね。
5050テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「5050テープLED 60LED/m 非防水タイプ」 ※防滴タイプや防水タイプもある。
5050テープLED 96LED/m
エルパラで販売している「5050テープLED 96LED/m 非防水タイプ」 ※長さは1メーターのみで色も限られる。
消費電力と発熱を抑えた3528タイプのLEDテープライト
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LEDテープライトで一番売れ筋なのは、明るい5050タイプですが、その次に定番的なのが3528タイプです。
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これはLEDチップが、ちょっと小さくなっている。
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3528チップLEDは、ワンチップ(素子がひとつ)です。
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つまり3チップの5050には、1個あたりの明るさでは負けますね。
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そうなんですが、メリットがある。消費電力と発熱が少ないんです。
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なるほど。
そこは反比例の関係ですね。 -
だから、5050タイプほどの光量が必要がないなら、本来は3528のほうがおすすめなんです。メーターあたりの価格も下がるし。
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価格も安いし、寿命も長くなる可能性が高いんだ。
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実際のところ、プロの業者の方が店舗照明用やディスプレイ用途などで使うLEDテープライトとしては、こっちのほうがよく使われていますよ。
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そういえば車用のLED加工屋さんでも、3528のLEDテープライトはよく使っている気がします。
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車用の中でも、例えばアンダーLEDなどを想定すると、光量が欲しいですよね。その場合は3528より5050を使うことが多いとは思いますが、狭い場所では3528のほうが有利ですね。
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そうなんですか?
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LEDテープライトの幅が細いんですよ。5050だと10ミリ幅ですが、3528だと8ミリ幅になるので。
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あ!
チップLEDが小型になる分、幅を抑えられるんだ。 -
だから、「狭い場所でできるだけ明るさがほしい」、というようなケースでは、3528タイプで、LED搭載数の多いタイプが向いているのです。
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なんだか、5050系のLEDテープライトよりLEDの数が多い気が……
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そうですね。3528系は多いものになると1メーターあたり120個、つまり5メーターで600LEDも搭載しているので多いですね。
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どおりで。
ビッシリなわけだ。 -
これも、チップLED1個あたりの消費電力が小さいからこそできることです。
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消費電力と発熱が小さい利点を生かして、数多く積んでいるんですね。
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それによってLEDチップの間隔が狭くなるので、均一に光らせることができます。
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あの〜、3528は5050より暗いって言いますけど、数を倍に増やしたらけっきょく同じ明るさにならないんですかね?
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そこまでは、いっていない。5050は1個が3チップなので、明るさ重視ならやはり5050タイプがおすすめです。
3528テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「3528テープLED 60LED/m 非防水」 ※防滴タイプや防水タイプ(色は限られる)もある。
3528テープLED 120LED/m
エルパラで販売している「3528テープLED 120LED/m 非防水」 ※防滴タイプも選べるが、防水タイプはなし。
直角や鋭角に曲がるLEDテープライトもある
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同じ3528タイプの中でも、ちょっと特殊なのが曲がるLEDテープライトです。
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S字を描いている基板に3528チップが積んであって、曲げることができるんです。
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LEDテープライトが曲がるのは、フツウの話では?
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いやいや。
こう曲がる(↓)のは、フツウですが…… -
ここで紹介するタイプは、こう曲がる(↓)!
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あー、なるほど!
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直角以上の、V字にも曲がります。
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部分的に基板が細くなっている。だからできるんだ。
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そうなんです。ただ、細いので、放熱性では不利になって寿命が短くなる。だからエルパラでは3528タイプしか扱ってないんです。
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こういうのも、発熱の少ない3528のメリットを生かしていると言えますね。
曲がる3528テープLED 60LED/m
エルパラの「3528まがピタテープLED 6000K」。ケルビン数の異なるタイプはあるが、基本的に白〜電球色系のみ。
サムスン製チップ5630タイプも高性能
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次は、サムスン製5630チップLEDを搭載しているタイプです。
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これは……粒が大きめのチップLEDですね。
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5630はワンチップなんですが、5050と同等レベル……か、少し上回るぐらいの明るさを持っているんです。
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なんと!
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有名なのは5050のほうですけれど、明るさはほぼ同等だし、チップLED自体の信頼性も高いのが5630なんです。
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そうなのかー。
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ただ、いろいろな色が揃っているのは5050のほう。一方5630は店舗照明に向いている高演色タイプのLEDテープライトなので、白や電球色のケルビン数のラインナップは豊富に揃っていますよ。
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聞いていると、車用とか家庭用というよりは、プロユースなLEDテープライトという感じがしますね。
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ですね。店舗用として、商品をキレイに見せたりするのにおすすめです。価格も5050とそんなに変わりません。
5630テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「高演色5630テープLED 60LED/m非防水」 ケルビン数のラインナップが豊富。
ケルビン数を操れる、3527チップLEDタイプ
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次は、3527チップLEDタイプです。
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ムム。
3528と似てますけど。 -
実際、サイズは3528とほぼ同じチップLEDなんですが、2色分のチップを搭載した特殊なLEDなんですよ。
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2色分のチップLED?
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白と電球色の2色発光。それが可能なLEDテープライトなんですよ。
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3527は2チップを搭載している。しかし同じ色ではなくて、白と電球色のチップの組み合わせなんです。
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白と電球色を混ぜた?
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そうですね。
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どんな色になるんだろう?
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白と電球色の発光具合をそれぞれ変えることで、ケルビン数(色温度)をほぼ無段階でコントロールできます。
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つまり、白と電球色だけでなく、その間を好きに選べる?
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そういうことですね。ただし専用のコントローラーが必要になります。
3527調色テープLED
エルパラで販売している「3527調色テープLED 非防水」
側面発光するLEDテープライトもある
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これまで紹介してきたLEDテープライトは、正面に光を飛ばすタイプですが、横向きに照射できるモノもあります。
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車のLEDアイラインなどの用途によく使われるのが、このタイプ(↑)ですね。
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なるほど〜。
コレは車用の定番だ。 -
そのため、このLEDテープライトは非防水ではなく、樹脂で覆われた防滴タイプのほうがおすすめ。
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こっちは335チップLEDがギッシリ。きれいにライン状に光るんですね。
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ただし、「335 180LED/m」は非防水しかないです。
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あらま。
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というのも、LED数が多くなって、熱の問題が出てくるためです。
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やっぱり熱か〜。
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だからこの「335 180LED/m」は、別途シリコンチューブに入れて、粒々感を消してライン状に光らせるのに使ったりする用途ですね。
335側面発光テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「側面発光クリアドームテープLED 1m」
横向きに照射する
335側面発光テープLED 180LED/m
エルパラで販売している「アイライン用側面発光テープLED 180LED/1m 非防水」 別売りのアイライン用シリコンチューブに入れて使うことを想定した製品。
長くても消費電力の小さい1206タイプ
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小さい1206チップLEDを搭載した、LEDテープライトもあります。
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このチップLEDは、ホントに小さいな〜。車用ではあまり見ない気がする。
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明るさがあまり必要ない場面向き、ですね。
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つまり、5050タイプの逆の用途か。
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家庭用では、「ほのかに光らせたい」など、そういうニーズもありますからね。
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ならば、発熱の心配もあまりない?
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そうなんです。消費電力が少ないので、電源を取るアダプターなども小型のもので済みますね。
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そういう面でも、家庭用として扱いやすいんだ。
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それとテープ幅も、5ミリなので細いです。家庭用(DIY用)として見ても、棚などのライトアップがしやすいのでおすすめ。
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チップ自体が小型だと、LEDテープライト自体を細身に作れるわけですね〜。
1206テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「極細クリアドームテープLED」 ※1mのほかに5mもある。
テープを超極細に作れる2012タイプ
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次は2012か〜。でもチップの大きさとしては、1608のほうが小さかったような?
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そうです。チップLEDは1206より大きい2012を使っていますが、横向きにすることで、LEDテープライトの幅を抑えているんです。わずか2.5ミリ幅!
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しかし、こんなに細いLEDテープライト……どこに使うんでしょう? 車用ではないし。
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模型とか、ジオラマとか。そういう細かいモノのライトアップにニーズがあって、けっこう人気あるんですよ。
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へ〜。
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一番小さいLEDテープライトですね。
超極細2012テープLED 120LED/m
エルパラで販売している「超極細2012テープLED 非防水」 色も豊富だ。
テープLEDの幅に差が出る!
下から順に5050、5630タイプは10ミリ幅。3528、3527、2835タイプは8ミリ幅。335、1206は5ミリ幅。2012は2.5ミリ幅。
2835は主に照明用途で生まれたLED
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最後に紹介するのは、ちょっと特殊な2835チップLEDを使った、LEDテープライトですね。
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あれ?
それはさっき出てきませんでしたっけ? -
それは3528ですね。
3528と2835は違うんですよ。 -
……なんか、言い方を逆にしただけではッ?
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LEDチップのサイズは同じです。実際のところ。
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3528との違いは、2835は照明用に開発されたチップLEDであること。放熱性を高めてあるなど、電流に耐えられる設計になっています。
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寿命が長かったりするのかな?
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そうですね。照明用途というのは、まさにそういうことですね。
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じゃあ、3528よりも、こっちのほうがいい?
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ただ、色付きチップは入手性が悪くて、エルパラでも白色〜電球色系のみの扱いとなっています。
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3528みたいに、いろいろな色が選べるわけではないんだ。
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ハイ。色で個性を出すというよりは、照らすモノをキレイに見せるためのLEDなので、店舗照明用途にはおすすめ。
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でも店舗でも照明ではなくイルミネーション的に使うんだったら、3528?
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そういうことですね。
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LEDテープライトの性格は、チップLEDの種類次第で大きく変わるということが、よく分かりました〜。
2835高演色テープLED 60LED/m
エルパラで販売している「高演色2835テープLED 60LED/m 非防水」 照明用途だけあってケルビン数が豊富に選べる。
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