リレーとは? 「使い方」と「回路のしくみ」を初心者向きに解説
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難しくて苦手!……とネガティブイメージを抱きがちなリレーを、初心者向きにひも解く。リレーとは、簡単にいうとスイッチ。一体どこが「スイッチ」なのか、イラストでわかりやすく解説する。まずは車の電装カスタムでよく出てくる4極リレーを攻略しよう!
リレーとは? 意外とシンプルなリレー回路のしくみ
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「リレー」と聞くと、「難しそう」「よく分からない」「苦手」と感じる人が多いと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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ずいぶんとネガティブなイメージばかりですね。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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なんかこう、リレーという言葉自体が、複雑な制御回路を連想させると言いましょうか……
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これ以上、ネガティブな誤解を広めるのやめてください。
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では!
リレーの正体をカンタンに説明してほしいです。 -
リレーをカンタンに言うと、スイッチですね。
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スイッチ……? スイッチってボタンを押して、オンオフを切り替えますよね。
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でもリレーに押すボタンなんて付いてませんけど? もしかして線を引っ張るのかな??
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リレーは、ポチッと押すスイッチではなく、自動で接点を切り替えるスイッチなんですよ。線を引っ張るのはやめて。
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自動のスイッチ?
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そうです。自動でオンオフしたり、電気を流す先を切り替えたり、リレーの種類によって制御は変わりますけど。
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てゆーか、リレーの種類がいろいろあるとか! ますます混迷を深めますね。
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といっても、車の電装カスタムで重要なのは「4極リレー」と「5極リレー」だけ。それだけ覚えれば十分です。
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ヨンキョクリレーにゴキョクリレー。もはや暗号にしか聞こえない。
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……リレーになにか、ウラミでもあるんですか?
普通のスイッチ
リレー
4極リレーと5極リレーの違い
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「4極」「5極」と言っているのは、つなぐところが4つあるか、5つあるかの違いですよ。
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4極リレーって、配線が4本付いてる……ということなんだ。ここまではわかりやすい♫
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そうです。エーモンのリレーは最初から配線が付いているから、見た目にも分かりやすいです。
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普通のリレーは、配線が付いていないんですか?
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接点が出ているだけ、だったりします。エーモンリレーは、DIY向けに出来ているんですよ〜。
4極リレー
詳細はAmazonのエーモン・4極リレー(3235)
5極リレー
詳細はAmazonのエーモン 5極リレー(3237)
4極リレーのしくみはシンプル
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まず問題は、なぜ配線が4本も付いているのか……という点です。
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リレーの中身は、こうなっています。
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4本のうち、赤を「電源」につなぎます。例えば車で一番しっかりした電源である、バッテリーのプラスにつないだとします。
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バッテリーのプラスにつないだら、電気が流れっぱなしになりますけど?
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そうはなりません。リレー内部では赤と黄の間にスイッチがあって、普段はオフの状態になっていますから。
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普段はスイッチオフ?
ではどうやってオンにする? -
そのタイミングを決めているのが、青なんですよ。
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ほほう。
青は黒とつながっていますね。 -
そうです。
そして黒はあらかじめボディアースしておきます。 -
フムフム。
で、青はどこにつなぐんですか? -
それは好みですが、例えばイルミ電源につなぐとします。するとスモールオンの段階で、青→黒へと電気が流れますね。
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青→黒の間には電磁コイルがある。ここに電気が流れると磁力が発生して、スイッチをカチーンとオンに切り替えるんです。
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つまり、青→黒ラインに電気が流れると……赤→黄ラインもつながって電気が流れる?
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そういうことですね。つまり青がスイッチ代わりになるのです。
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青をイルミ電源につないでいた場合、スモールオンを合図に、赤→黄がつながりますので、バッテリーの電気が黄に流れます。
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では……電装品は黄につなぐということですね。
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そうですね。赤は「電源」に、黄は「電装品」に、青は「連動させたい線」に、黒は「ボディアース」につなぐんです。
4極リレーの使い方
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あのぉ〜。
4極リレーのしくみは分かりましたけど…… -
そうですか。
それは良かった。 -
でも、なんか納得できないというか……
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なんでしょう?
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さっきの例題でいうと、「スモールオンで、バッテリーの電気が電装品に流せる」という話ですよね。
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でも、それなら最初からイルミ電源を取っておけばいいじゃないですか!
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その場合は「イルミ電源線から、直接電気を取る」というカタチになりますよね。
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純正配線から電源を取るのは普通でしょ?
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LEDを付けるぐらいならそれでもいいんですが、大容量の電装品を付けたり、長いテープLEDを大量に付けたりすれば、電気が不足します。
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ほー、そう言えば、そんな話を聞いたことありますね。
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純正配線は、もともと何か純正機器が使っている線。そこからあまり大量に電気を取ると、支障が出ます。
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……ヒューズが飛んだりとか。
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それもある。でも4極リレーを使えば、電源自体は容量のあるところから取っておくことが可能になります。
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そういうことか〜。
スイッチの使用可能電力を越える場合も便利!
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4極リレーの使い方の例を、もうひとつあげておきます。
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他にも使い方があるんだ。
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手動でオンオフするスイッチを使うにしても、電装品によってはスイッチ自体の「使用可能電力」を越えてしまうケースもあります。
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なんのことですか?
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例えばエーモンの「貼り付けプッシュスイッチ」は、上限で200ミリアンペアまでしか電気を流せません。
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それに対してフットライト用途などでよく使う、「3連フラットLED」は1個あたり60ミリアンペア流れます。
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もしも4席分付けたら、4個で240ミリアンペアか。
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すると、スイッチの使用可能電力を越えてしまいます。
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そっか。その理屈で言うと、長〜いテープLEDにスイッチを使うのも厳しそうですね。
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そんなときは4極リレーで、以下のようにつなぎます。
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こうすると実際にLEDに流れる電気は、スイッチを経由してません。
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スイッチのオンオフの信号は、リレーの青→黒に流れているだけの合図なんだ。
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そういうことです。実際の電源はヒューズなどから取って直接LEDに送るので、上限200ミリアンペアという制限を受けなくて済みます。
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これは賢いつなぎ方だなー。
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リレーは使い方次第で、いろいろできるんですよ。
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もしかして、リレーの面白さが分かったかも♪
上限200ミリアンペアまで!
定番の3連フラットLED
4極リレーをこうつなぐ!
リレーの使い方についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
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