バルブの種類|バックランプ編
バックランプのバルブの種類。国産車の場合は、ほとんどがT16・T20・S25の3種類のどれか。それぞれ写真付きで解説するので、この機会に自分の車のバックランプがどれなのかを確認しておこう。LED化する際や、切れた電球の交換時に役立つ。
バックランプのバルブタイプとは
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バックランプをLED化したり、切れた電球を交換するときのために、自分の車のバルブタイプについて知識を持っておきましょう。
●レポーター:イルミちゃん
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バックランプのバルブタイプは、国産車の場合はほとんどT16、T20、S25のどれかに集約されています。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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どう違うのかと言いますと……
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一番小さいのがT16で、それをそのまま大きくしたような電球がT20、そして口金が付いているのがS25です。
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自分の車のバックランプの種類が分からないなら、バルブ後部を見れば、書いてあるはず。
T16、T20、S25バルブの違い
よく登場する、3つのバックランプ用バルブの違いについて解説します
T16バックランプ
最近の車に多い小型のバックランプバルブ。消費電力は16Wで最も低い。それゆえに灯体を小さく設計できる等メリットがあるため、現行世代の車はほとんどがこのT16タイプになっている。消費電力なりに、最も暗い。
T20バックランプ
サイズが大きめのT20バルブ。消費電力は21Wなので、T16タイプより明るい。S25と同等の消費電力だが、ガラスとフィラメントのみで構成されており、コストは安い。そのせいか国産車ではS25よりは採用例が多い。
S25バックランプ
消費電力21W。口金が付いているので、コスト的に割高なS25バルブは、国産車では採用例が少なくなっているが、欧州車のバックランプとしてはまだまだ主流。ピン(出っ張り)が付いていることで引っかかるため、抜けにくい。
純正バックランプの傾向は「エコ」すなわち「暗め」
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3つのバックランプの違いを解説してきましたが……
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現行車種の場合は、ほとんどがT16を採用しています。今どきの車でT20とかS25を使っている例はほぼないです。
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デッカイ電球を入れる時代じゃないんだ。
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そうですね。消費電力が下がっていく方向なのは、フォグランプなどと同じですよね。
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ただ、明るさなら、主流のT16よりも、T20やS25のほうが明るいんです。
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そこはやはり、消費電力に比例するんですね。
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純正電球のルーメンを比較すると、下のようになります(↓)
T16とT20の比較。バルブも小型化の傾向が鮮明
█ 純正バックランプの明るさ
T16 | 260 ルーメン |
---|---|
T20 | 400 ルーメン |
S25 | 400 ルーメン |
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しかし、T16が主流ということは……最近の車のバックランプは、以前よりも暗いってこと?
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そういうことになります。リフレクターの進化が補っている面はあるとは言え、純正は暗めの傾向です。
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え〜!
バックランプは明るいほうがいいと思うけど。 -
最近の車は「バックモニターが付いているから、明るさはいらない」という意見もありますが、明るく照らしたほうがモニターの映像も見やすいのは事実ですね。
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ですよねぇ〜。
う〜ん、T20の電球に交換しようかな。 -
ソケットが違うので互換性はありませんよ。
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そっか。
そりゃそうですね。 -
スバル系の一部の車種ではT20が採用されていたり、欧州車ではS25が主流だったりはするんですけど……
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なぜ欧州車は、いまだにS25なんだろう? 遅れているのか? それとも何か、別の事情が?
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ちなみに、S25だけポッチ(出っ張り)が付いていて、構造的には一番抜けにくい。
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他のはささっているだけ?
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そうなんです。だから「S25は最も安全性が高い」なんて、言われたりもします。
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欧州車でいまだにS25が主流なのは、そういった理由があるから?
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そういう面も、あるかもですね。
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でも国産車では、やはり消費電力の低さが重視されるんだ。
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そうですね。消費電力が低いほうが熱量も少ないので、ランプ自体を小型化・軽量化できるといったメリットも生まれます。
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でもなあ。
明るさが犠牲になるんでしょ? -
しかし、だからこそ、LED化することのメリットが大きい、とも言えますよ。
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なるほど!
そりゃそうだ。LED化すればいい! -
その前に、もう少しくわしく解説しておきましょう。この記事は「バックランプをLED化する前に知っておくべきこと」に続きます。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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