アンダーLEDをやる前に知っておくべき! テープLEDの防水性能
車外でテープLEDを光らせる技は「防水テープLED」を使う。そして「防水」には何段階かの防水等級(ランク)があって、この違いを知らないとLEDが長持ちしない。なおアンダーLEDのやり方は「LEDテープライトを車に取り付ける(アンダーLED編)」を参照。
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アンダーLEDやグリル&開口部イルミなど、車外でテープLEDを使うなら「防水テープLED」を使わないといけませんが……
●レポーター:イルミちゃん
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テープLEDの防水性能もどんどん進化していて、種類が増えています。今回は違いを分かりやすく解説したいと思います。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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種類は、「防水」と「防水でないもの」の2種類だけではないんだ。
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「防水」の中で種類がある。防水等級(ランク)というのがありますが、非防水から順を追って解説しましょう。
防水ではないテープLED=非防水
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段階を追って説明していくと、まずは防水ではない非防水テープLEDがあります。
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防水ではないから非防水(ひぼうすい)と呼ぶんですね。
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テープLEDの基板がムキ出しになっているタイプなので、当然ながら防水性はゼロです。水がかかるような場所では使えません。
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ところで防水テープLEDが出ているこの時代に、非防水を選ぶメリットってまだあるんですかね?
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もちろんですよ。放熱性という意味では非防水が一番有利ですから。当然、長持ちしやすい。
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そっかー、そのメリットがあるのか。
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熱が逃げないような場所……例えば木製のものに貼ったりするなら、非防水でないと極端に寿命が縮まります。
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貼る場所によって、熱が逃げる・逃げないの違いがあるですね。
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それと表面を樹脂で覆っていないので、色がキレイだったり、LED本来の明るさが発揮できているのも非防水の良さですね。
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車の車外では使えないけれど、非防水には非防水の良さがいろいろあるんだ〜。
クリアドーム【IP65】
5050テープLED 30LED/m クリアドーム 白色 5m
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その名の通り、透明の樹脂で覆われているのが「クリアドーム」です。
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ここからは防水テープLEDですね。
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クリアドームは防水というよりは「防滴レベル」と考えたほうがいいですね。樹脂でコーティングされているのは、オモテ面だけなので。防水等級は「IP65」です。
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裏面は基板ムキ出しなんですね。
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そうなんです。だから貼り付けた面に、横の隙間から水が入ったりするとショートの原因になりますよね。
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車のドレスアップで見かけることも多いですよね。使ってもいいのかな〜。
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水が直接バシャバシャかかる場所はNG。でも例えばドアに貼るとかなら、雨の日ドアを開けたときだけ水がかかるレベルなのでほぼ問題ないと思います。
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まさに「防滴」。
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ドアは鉄板なので、クリアドームを使っても放熱できますから、その意味でも向いています。
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ドアを開けた時に光らせるなら「クリアドーム」か。
シリコン防水テープLED【IP67】
5050テープLED 30LED/m シリコン防水 白色 5m
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シリコン防水テープLEDはシリコン樹脂で全体がカバーされています。
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オモテもウラも覆われているから、安心感ありますね。
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防水等級は「IP67」。基本的には防水テープLEDと言えますが、内部が空洞なので完全な防水とは言えません。水中で使えるほどのレベルではない防水テープLEDです。
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フーム。まあ、でも車に貼る以上は水没させるわけではないからコレでも十分、問題なさそうですが。
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ただ内部が空洞なため、点灯させて温まった状態から急速に冷え込んだりすると結露する可能性があり、アンダーLEDなどで使うとすればその点が気になりますね。
全灌(ぜんかん)防水テープLED【IP68】
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テープLEDがシリコン樹脂に完全に埋まっているのが、全灌(ぜんかん)防水テープLEDです。
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これが最強の防水テープLEDですね。
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防水等級は「IP68」。
「水中使用も可能なレベル」です。 -
それって!
水槽に入れて光らせてもいいってことですか?
まさしく(↓)そういう用途のテープLEDですね。
こんな感じの使い方でもOK
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ただし! テープLED自体は防水でも、配線コードをハンダ付けしたりする部分は別ですから、全部まるごと水の中に入れられるわけではないですよ。
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そりゃそーだ。
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完全に基板を覆ってしまっているので、放熱性という面では不利です。だから最初から電流(明るさ)を意図的に抑えた作りになっています。
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では同じチップLEDでも、非防水より暗いということ?
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ですね。それと本来のLEDの色より、色温度が高くなってしまいます。
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それは…青っぽくなってしまうということですよね?
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そういうことです。
光の色としては、非防水が一番キレイです。
防水タイプは放熱性が悪いので、熱対策を施すのが理想
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防水テープLEDは放熱性が悪いという話ですが、放熱性が悪いとどういう問題が出てきますか?
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カンタンに言えば寿命が縮まります。例えば発熱量の多い3チップの5050を搭載したテープLEDで、クリアドームタイプだとします。コレを熱が逃げないような場所に貼ると、すぐ切れてしまいます。
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とはいえ非防水ではダメな場所だったら、困りますね〜。何か対策はありますか?
放熱性を高めるために、アルミフレームなどのパーツを組み合わせる手があります。
こんなアイテムがある!
テープLEDの幅と同じ、10ミリ幅のアルミフレーム平角棒
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こういうフレームにテープLEDを貼ると、防水テープLEDでも熱が逃がせます。テープLEDの固定にもなるから一石二鳥ですよ。
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グリルイルミやアンダーLEDをやるときに役立ちそう! テープLED選びは思ったより奥が深いです。
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