プロに教わるデッドニング講習⑭

---

タイヤハウスのデッドニング方法

• 1
• 2

タイヤハウスのデッドニング講習・実践編がスタート。今回はタイヤ＆ホイールを外すと見える、タイヤハウス内のインナーカバーを取り外した、ボディ側（鉄板側）にデッドニングする作業を解説する。

• 

  「タイヤハウスのデッドニングの効果と材料」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

• 

  今回から、タイヤハウスのデッドニング方法を解説していきます。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

• 

  まずタイヤ＆ホイールを外します。やり方は別記事（↓）で詳しく解説しているので、ここでは省略します。



「タイヤ交換方法╱車のタイヤの正しい外し方をプロに教わる」参照。

• 

  タイヤを取り外すと、タイヤハウス内にインナーカバーが付いているのが見えます。


• 

  今回のモデル車は新車のスイフトでキレイですが、普通だったらタイヤハウス内なんてドロドロ状態だと思います。

• 

  確かに。

• 

  なので、最初の作業は水洗いして、汚れを落として、乾かす……から始めるのが普通かなと思います。

• 

  なるほど。今回は洗車不要で、作業を進めています。

• 

  キレイになったら、タイヤハウス内のインナーカバーを取り外しますが、例によって作業前に、フェンダー周辺を養生しておきましょう。


• 

  インナーカバーってどうやって取るの？

• 

  インナーカバーは、たくさんのクリップで固定されているのが見えると思います。


• 

  このクリップを1本ずつ外していきます。クリップ外しや、内張り剥がしを使って、取り外していきましょう。


• 

  それから、場所によってはプラスネジで固定されている箇所もあります。


• 

  アーチ状のインナーカバーを外すためには、奥の面に付いているカバーを取らないと、アーチ状のカバーが外せないパターンもあります。


• 

  かぶっているカバーを先に外さないと、外せないこともあるんだ。

• 

  そうですね。まあ、いずれにしてもピンやネジを外していくだけなので、難しい作業ではありません。

• 

  すべての固定を外せば……アーチ状のインナーカバーがごそっと取れます。

インナーカバー外れかけ


• 

  タイヤハウスデッドニングは、取り外したインナーカバーに対しても施工しますが、その前にまず、ボディ側（鉄板側）のデッドニングから解説しましょう。

• 

  ここからは前回紹介した、オーディオテクニカのダンピングアブソーバーを貼っていきます。



Amazonなどでも買えるオーディオテクニカ AT-AQ460 ダンピングアブソーバー

---

• 

  これをタイヤハウス内のどこにどう貼るのでしょうか？

• 

  まず、僕の場合は、全面貼りはしません。

• 

  ……ほう。ここまでのデッドニングは全面貼りしてきた佐伯研究員だけど、タイヤハウスは違うのね。

• 

  タイヤハウス内を覗き込むと、まず純正状態で黒くなっている場所がありますよね。

• 

  なにかを吹き付けた痕みたいのがありますね。


• 

  純正状態でスプレータイプの制振材のようなものが吹き付けられていて、多少のロードノイズ対策がされているわけです。

• 

  あ～なるほど。

• 

  純正状態で黒くなっているところは、タイヤハウスのインナーカバーでは隠れない部分ですので、そこには制振材を貼りません。

• 

  丸見えになる場所には貼らないんだ。

• 

  貼ってもいいんでしょうけど、僕の場合は貼らないです。見た目の問題もあるし、純正でも制振材的なものを吹いてありますから。

• 

  ではそれ以外の鉄板に貼っていくのね。

• 

  主には、タイヤハウスのインナーカバーで隠れていた、裏側の鉄板がターゲットですね。

• 

  それでは鉄板を脱脂しましょう。


• 

  なんだか凹凸だらけだな。シートを貼るのが難しそうですが……

• 

  そうですね。「1枚モノでペタリ」とはいきません。相手の形状が複雑なので、細かく切って貼っていくほかないですね。

細かく切り出す



鉄板に貼り付け


• 

  フレームなどに貼るときは、フレームの幅に合わせて細長く切って、貼ります。


• 

  鉄板の面に対しても、凹凸などがあって大きいシートをそのまま貼るのは難しいので、細かく切り分けた制振材を貼り合わせていくのが現実的なやり方です。


• 

  当然ながら、インナーカバーを固定しているクリップやネジの穴は塞がないように注意しましょう。

• 

  そういう意味でも、制振・吸音材を細かく分けたほうがいいんだ。

• 

  今回のスイフトではこのような貼り方になりました。


• 

  バーンと大きく貼れないだけに、これまた根気のいる作業ですね。