プロに教わるデッドニング講習③-4
ブチルゴムの取り方(地道編)
ブチルゴムの取り方の裏技編を先にやったが、ここから先は地道編。裏技で取り残したブチルを、きれいさっぱり取り切る。一般的によく登場するヘラやパーツクリーナーの使用は最小限で、ブチルをもってブチルを制すプロのやり方。
ヘラやパーツクリーナーの使用は最小現に! ブチルゴムはブチルで引っ張る
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「ブチルゴムの取り方(裏技編)╱近道はない……こともない?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回紹介した冷凍スプレーを使っても、ドア鉄板側にブチルゴムは残ります。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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キレイに根元から取れるわけではない…。
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そうです。凍結させたブチルゴムが根元からキレイに取れるケースはまれで、たいていは途中で折れますね。
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バッキンバッキン取れるのはいいけど、どうしてもドア鉄板側にブチルゴムが残る。
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ここからは地道にいきましょう。
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ふむ。
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僕の場合は、ドア鉄板側に残ったブチルゴムは、なるべくブチル同士でくっつけて取っていきます。
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どういう意味ですか???
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先に取れているブチルゴムを、こんなふうにベチャっとくっつけて、また引っ張り直すんです。
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取れたのにまたくっつけるんだ…。
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そうすることで、鉄板側に残ったブチルを引っ張れます。
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ブチルをブチルにくっつけて、引っ張っているのか。
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ここでも冷凍スプレーをかけて、一体化させてから引っ張るのも有効です。
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ふおぉ。
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このやり方だけで、けっこう取れる場合(車種)もありますよ。
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……でも、こんなまどろっこしいやり方をしなくても、付属のヘラでごそーっと取れるのでは?
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う~ん。僕の場合は、ヘラでこじって取るのは最小限にします。そもそも傷が付く、っていうのもあるし。
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あ~。ここでも安易に道具を使わないプロの慎重さが出ました。
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あとヘラで取ろうとすると、かえって伸びてしまったりして、意外とうまく取れなかったりもするのです。
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確かにヘラを使ったところで、取り切れるものではない。
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だったらブチルをペタペタやって取れる範囲で取っても、ほぼ同じことです。
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ナルホド。そのやり方で、ここまで来ました。
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ほぼ取れているように見えます。
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最終的にドア鉄板に残った少量のブチルであれば、パーツクリーナーで拭いて取ります。
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ウエスに吹いてから、拭きます。
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ただしパーツクリーナーについても、使用は最小限にしたいです。
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それはなぜ?
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パーツクリーナーでゴシゴシ拭くと、ドア鉄板の塗料が少し落ちたりするんです。
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あ、ホントだ。布に黄色い塗料が付いている。
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まあ、鉄板の裏側の塗装だからもともと薄かったりするし、少しくらい落ちても問題はないんですけど、気にはなると思うので。
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ごもっともです。
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というわけで、ブチルゴムはできるだけ人力で、がんばれるところまでがんばりましょう。
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プロの人は日常的にお客さんの車を触っているだけあって、ブチルゴムの取り方ひとつとっても慎重ですね~。
ピト!
プシュー
ポキン
キレイに取れた!
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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