プロに教わるデッドニング講習⑬

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タイヤハウスのデッドニングの効果と材料

タイヤハウスのデッドニングについてプロに聞く。前回までのデッドニング講習では車内のデッドニング方法を学んできたが、これは車外のタイヤハウス。ロードノイズ対策に有効だ。

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  「スペアタイヤハウスのデッドニング方法（制振と防音対策）╱後編」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここでデッドニング連載を振り返ると、ドア→天井→フロア→ラゲッジと進んできました。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  もう全面に貼り尽くした気がしますが……

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  しかし、デッドニングは車内だけではありません。

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  あん？

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  車外で施工するデッドニングもあります。

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  ……まさか、ボディの外側に制振材を貼る気？？？

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  いやいやいや……車外というのは、例えばタイヤハウスやエンジンルームのデッドニングのことです。

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  そういうことね……
  確かに車内ではない。

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  天井やフロアのデッドニングは「室内の静粛性を高めるため」なんですけど、「騒音源に近い場所を抑え込む」のが、タイヤハウスやエンジンルームのデッドニングです。

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  なるほど。

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  今回は特にロードノイズ対策として有効な、タイヤハウスデッドニング方法を解説します。

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  タイヤハウス……っていっても、具体的にはどこにどうやって施工するのでしょうか？

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  車のタイヤハウスには樹脂製のインナーカバーが付いていますよね。


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  このインナーカバーをいったん外して、奥のタイヤハウスの鉄板に制振・吸音材を貼ります。


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  それから、取り外したインナーカバーの裏側（天井側）にも貼ります。


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  へえぇ……。こんなところまでデッドニングするんだ。

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  この場所は、昔は貼りモノではなくて、よくタイヤハウスに制振スプレーを吹いたりしていました。


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  吹き付ける制振材でも効果はあります。でも最近は貼り付けタイプの制振材がいろいろなメーカーから出ているので、それを使う機会が増えました。

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  タイヤハウスデッドニング専用の材料があるということ？

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  そうです。この連載で使ってきたオーディオテクニカのシリーズにも、そういうものがありますよ。

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  今回は、オーディオテクニカのダンピングアブソーバーというものを使います。

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  これがタイヤハウスデッドニング専用の材料。



Amazonなどでも買えるオーディオテクニカ AT-AQ460 ダンピングアブソーバー

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  このダンピングアブソーバーは、3層構造になっていて、一枚で制振材と吸音材の両方の効果があります。

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  え～っと、ではこの1種類のシートだけ貼ればいい？

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  そうですね。

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  フロアデッドニングもロードノイズ対策の一環でやりましたけど、フロアとはまた別の材料があるんだ。

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  フロアデッドニングでは断熱効果もあるものを使いましたよね。だからあれはあくまでも室内用です。

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  そっか。タイヤハウスは車外だから断熱効果なんて意味がない。

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  そうですね。タイヤハウスデッドニングに必要なのは制振と吸音。なおかつカバー越しとはいえ水のかかる場所なので、こういった専用品を使うことをオススメします。

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  なるほどね。

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  タイヤハウスをデッドニングする目的は、ロードノイズの低減と振動の抑制に尽きます。だから車内を静かにしたい人にはオススメのメニューといえますね。

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  下からの騒音を減らして静音化するのは、フロアデッドニングと似ているけれど、どのくらい効果があるんだろう？

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  こういう技って、その車のオーナーさん自身でないと違いが分かりにくいですが、本人に聞くと「ぜんぜん違う！」と皆さん言いますね。

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  そうなんだ！

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  僕のように、ふだんその車に乗っているわけではなくて、施工しただけの人間にはちょっと効果が分かりにくいですけど……。

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  正直なコメントですが……そりゃそうですよね。

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  でもお客さんの意見を聞く限りでは、毎日その車にのっている人ならハッキリと分かる差があるみたいです。

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  ただ、ロードノイズ対策が目的な人は、フロアデッドニングとどっちを優先すればいいか悩むなぁ。

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  作業上のメリットを言うと、タイヤハウスデッドニングは車の外側から施工するものなので、内装をバラす必要はありません。



タイヤを外し、インナーカバーを外して施工する。

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  その点では、ルーフやフロアのデッドニングよりは手を出しやすいとは言えます。

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  今までの大技に比べたらカンタンなんだ。

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  そうですね。天井・フロアもやったほうが効果があるのは当然だけど、大変なので……。

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  では、天井やフロアは将来の楽しみにとっておいて、タイヤハウスデッドニングを先にやるっていうのはどうかな？

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  現状でロードノイズがうるさいと感じていて、なおかつ手軽に対策したいのであれば、それもアリだと思います。