プロに教わるデッドニング講習①
カーオーディオのプロに教わるデッドニング講習スタート
カーオーディオのプロに教わる、デッドニング新連載。単なるデッドニングのやり方にとどまらず、プロが現場で実践しているコツ・便利かつ意外な使用アイテムなどは、DIYユーザーにも大いに参考になる。まずはデッドニングはなぜドアから? という基本解説から。
カーオーディオのデッドニングはドアから始まる。それはナゼ?
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この連載では、カーオーディオのプロインストーラーにデッドニング方法を教わっていきます。
●レポーター:イルミちゃん
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デッドニングの基本はドア。音質に影響するという意味では、ドアデッドニングが一番重要です。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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車の場合はドアにスピーカーが付いていますからね~。
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そうです。ドアデッドニングの目的は2つあって、まず「スピーカー周辺の鉄板の振動を抑える」ことと……
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もう1つは「サービスホール(ドア鉄板の穴)を塞いで、ドア自体をスピーカーボックス化して、しっかり鳴るようにする」こと。
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単に鉄板のビビリを防止するだけではない。
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その意味では、他の箇所のデッドニングとは違います。より効果の大きいデッドニングになります。
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だからカーオーディオのデッドニングといえば、ドアデッドニングなんだ。
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そうですね。
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逆に言うと、ドアデッドニング以外になにがあるのか? と思う初心者の人も多そうですが。
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音の振動は車全体に伝わりますので、ドアの先のメニューとしては、天井デッドニングやフロアデッドニングがあります。
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さらにフロアデッドニングの延長でラゲッジをデッドニングしたり、タイヤハウスもロードノイズを低減させる目的でデッドニングの対象になります。
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うーむ、なんだかんだと、けっきょく車体全部やるのか。大変な話だ。
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言い出したらキリがないのがデッドニングですね。しかし、そういうのは応用的なメニューです。やる人は徹底的にやりますが、そこまでやる人はオーディオ好きでも少数派ですので。
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あえてドアを後回しにして、天井デッドニングをするお客さんっていうのはいないの?
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オーディオ目的ではいないですね。ただし、「雨音がうるさいから天井だけデッドニングしたい」という人ならときどきいますよ。
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ホー。
そういう目的の人もいるんだ。 -
その場合は目的がオーディオの音質ではなくて、車内の静音化ですからね。目的がちょっと違う。
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なるほど。
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オーディオの音を良くする目的で、ドアをやらずに天井やフロアを施工するというのは考えにくい話です。
ドアデッドニング
※バッフルボードは製作途中のもの。
制振材と呼ばれる部材を鉄板に貼り付けて、共振を抑え込んでいく。
スピーカーをただ取り付けただけでは、スピーカー背面から出た音(※位相が逆の音)も、奥の鉄板に反射してオモテに出てきてしまう。
それによってオモテ側の音と打ち消しあってしまったりするので、穴を塞いだり、吸音材を仕込んだりする。
ルーフデッドニング
フロアデッドニング
アンプやサブウーファーの追加よりもデッドニングが優先事項?
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カーオーディオ入門の連載では以前から言っている通り、スピーカーを交換したら次は(普通には)ドアデッドニングをオススメします。なんなら純正スピーカーでも、デッドニングで音ははっきり変わりますから、かなり優先度の高いメニューです。
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アンプやサブウーファーより、先にやりたいメニューなんですね。
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なぜかというとドアデッドニングをすると、今付けているスピーカーから思っていた以上にしっかりと音が出るようになります。
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ふむ。
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そうすると、もしかするとそこで満足するかもしれないですし。
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ホー。思ったより低域も出ているぞ、とか。
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そうなんです。だったらサブウーファー無しでもいいか、と感じる人だっているでしょうね。
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デッドニングをしない状態で、アンプやサブウーファーにステップアップしてしまうのは、もったいないのかも。
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そうですね。まずはドアスピーカーの性能を出し切って、それでも足りないと感じる要素を見定めていくほうがいいと思います。
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なるほどねー。
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スピーカーの性能を出し切る、という意味では、まずドアデッドニングが重要です。このデッドニング連載でもまずはドアから施工していきます。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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