プロに教わるデッドニング講習③-8
ドアデッドニングで配線の通っているサービスホールを上手に塞ぐコツ
ドアのデッドニング方法をプロに教わる連載。デッドニングをやっていて困るのは、配線が通っているサービスホールの塞ぎ方。制振材をそのままペタリと貼れない部分は、どうすればいいのか。できるだけ隙間なく制振材を貼るコツを学ぶ。
配線が通過しているサービスホールのデッドニング方法①
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「ドア内側の鉄板(インナーパネル)のデッドニング方法」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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単純に鉄板に穴が開いているだけのサービスホールであれば、前回の要領で塞いでいけます。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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制振材を型取りしたプチプチ(表裏注意!)をあてて切り出して……
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ペタリと貼って……
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ローラーでグリグリ圧着していく。
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これだけだったら、カンタンなんですが……
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型取りした制振材をペタリと貼るだけでは、塞げないサービスホールも登場してきます。
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例えばこういう場面。
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サービスホールの奥側から、室内側に配線が出てくる箇所もたくさんあります。
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どうするのコレ?
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配線が通っている箇所は、制振材にカッターで切れ込みを入れます(↓)
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そして、いったん配線のカプラーを抜いて、制振材の切れ込みに配線を通します。
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おお。
なるほど。 -
そしてカプラーをつなぎ直し、制振材でサービスホールを塞ぎます。
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先に配線を貫通させた制振材で、サービスホールを塞ぐんですね~。
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ただ、配線通しのために切れ込みを入れた箇所は、そのままだと隙間が大きく空いてしまいます。
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…ふむ。
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これについては、後で処置方法を解説します。ひとまず次のサービスホールへ進みます。
配線が通過しているサービスホールのデッドニング方法②
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サービスホールのフチに近いところから配線が出ている場合は、配線に合わせるようにして、制振材の端に切れ込みを入れます。
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そして切れ込みから配線を表側に出しながら、サービスホールを塞ぎます。
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塞がった!
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ただし、この場合も、追加の処置が必要になります。
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このままだと何が問題?
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サービスホールを塞ぐことが目的なのに、どうしても制振材に穴が開いてしまうので。
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あー。
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最初に言った通り、ドア鉄板のサービスホールを塞ぐ目的のひとつには、ドアをスピーカーボックス化する、という狙いもあります。
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スピーカーボックスに穴が開いてしまったってことか。
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そうなんです。ということで、切って配線を通したあとで、隙間をできるだけなくす処置をします。
配線を通した穴をできるだけ隙間なく塞ぐ
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こういう場面で便利なのが、余った制振材の切れ端です。
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なるほど。
端材はたくさん出ていますね。 -
小さくカットした制振材で、配線を通した穴を塞ぎます。
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端材の有効利用。
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切れ込みを入れて配線を通した箇所も、同様のやり方でフタをします。
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そして配線に沿って圧着させることで、できるだけ隙間をなくします。
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配線のカタチが浮き出る位まで圧着させました。
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もっと太いハーネスが通っている、隙間が大きい箇所は、まずこのようなカタチに制振材を切り出します。
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配線用のトンネルを開けたんだ。
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これを、サービスホールに貼った制振材とは反対方向から、配線根元に合わせていきます。
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さらに反対側からも、小さく切った制振材を貼り合わせました。
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配線の根元を包むように、制振材を貼っています。
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うーむ、こうやって配線穴の隙間を埋めていくのか。
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ちなみに、型取りするまでもないような小さな穴も、カットした制振材で塞ぎます。
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なお注意点としては、内張りピンの穴などは埋めてはいけません。
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サービスホールが全部埋まりました~!
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ただ、僕の場合は、もう少し+αの処置をしたいところですね
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ここまでキッチリ塞いだのに、まだなにかやるんだ?
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ハイ。次回はドアデッドニングの仕上げ編です。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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