プロに教わるデッドニング講習⑪
ラゲッジルームデッドニングの効果と優先度はいかほどか!?
ラゲッジルームのデッドニングの効果とは? ラゲッジは前回デッドニングしたフロアの延長にある場所だが、フロアはやらずに「ラゲッジデッドニングだけ」単独でやることに意味があるか? など気になる点をプロに聞いた。
フロアデッドニングをするならラゲッジまでデッドニングしたいが…
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「フロアデッドニングのやり方・断熱材の貼り方」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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ドア→天井→フロアと来たので、次はラゲッジ(トランク)ルームのデッドニングについて解説します。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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フロアデッドニングの延長、みたいなカンジですね。
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車の鉄板としてはつながっていますので、フロアデッドニングをやるために内装を外したのであれば、ラゲッジルームまでデッドニングしたほうがいいでしょう。
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フロアに続けてやったほうが、効率がいい。
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まあ後部だけなら、ラゲッジルームのスペアタイヤや工具類を降ろして、発泡スチロールをよけて……というやり方でも制振材を貼れるとは思いますが……
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これだとラゲッジルームの一部の鉄板にしか、制振材や吸音材を貼れません。
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リアシートの下のほうまでは貼れない。
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そうなんです。いっぽうフロアデッドニング時はリアシートも外した状態ですから、ラゲッジルームの隅々から奥のほうまで制振材を貼れます。
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そう考えると、フロアデッドニングまでやる時点で、全部セットでやるほうがいいでしょうね。
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ラゲッジデッドニングのためだけにリアシートを外したり、なんてことになると工賃面で不利だし。
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そうですね。少なくとも二重に工賃がかかるようなやり方は避けたいところかと。
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DIYで楽しみながらやるにしても、二度手間はイヤですね。
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そこで今回の連載では、フロアデッドニングに続けてラゲッジルームまでデッドニングしていきます。
ラゲッジデッドニング単独でやる効果と意味
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ちなみにフロアデッドニングをしないで、ラゲッジデッドニングだけやるのは、意味ないのかな?
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トランクやラゲッジにサブウーファーを載せている場合には、その周辺の鉄板を制振したほうが共振を防ぎますから、効果がありますよ。
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そっか。ウーファーの低音は、けっこう振動が伝わるからなー。
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そうなんですよ。それを抑えるのが目的なら、フロアよりラゲッジデッドニングのほうが効果的。そしてラゲッジ(トランク)だけなら、予算を抑えられます。
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カーデンの場合でいうと、フロアデッドニングは7万円位~(※部材や車種にもよって変動する)で、ラゲッジ・トランク部分は別料金でしたね。
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そうですね。
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ではラゲッジルームデッドニングを、単独で施工したとしたら…?
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今回のようなコンパクトカーサイズで、4万4000円位~ですね。使う材料などによって変動する点は同じですが。
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ラゲッジデッドニングの場合、使用する材料はフロアデッドニングと同じでしょうか?
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基本的に材料は同じです。今回も、天井やフロアデッドニングに使ったオーディオテクニカの制振材(青)のシート版を使います。
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それから、フロアデッドニングでは吸音・遮音・断熱効果のある素材を貼りましたよね。この点も同じです。
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ラゲッジルームも室内の一部ですので、やはり同じような効果がほしいところです。
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なるほどね。そういえばラゲッジルームの両脇にはリアタイヤがあるから、ロードノイズ対策にも効果がありそう。
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……それはそうですが、ロードノイズ対策が目的なら、別メニューにタイヤハウスのデッドニングもあります。
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む?
そんなのもあるのか。 -
特にフロアデッドニングをやらずに、ラゲッジデッドニングを単独で施工するとしたら、ロードノイズ対策という意味ではリアだけの効果ですよね?
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確かに。
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それなら、運転席や助手席に近いフロアデッドニングのほうが、ロードノイズ対策には効果があります。
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ラゲッジルームデッドニング単独では、ロードノイズ対策の効果は薄いってことね。
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ハイ。ロードノイズ対策がメインの目的なら、タイヤハウスデッドニングを先にやったほうがいいと思います。
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ロードノイズを軽減したい人にとっては、ラゲッジデッドニングの優先度はやや下がる。
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タイヤハウスデッドニングまでやる前提で、より静かにしたいならラゲッジデッドニングまでやっておくに越したことはありません。今回のスイフトは、まさにこのパターンです。
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なるほど、なるほど。ラゲッジデッドニングのポジションが見えてきた気がします。
今回使っているのは500×750mm×8枚入りの「AT-AQ451P8」だが、こちらは完全に業務用ボリューム。一般DIYユーザーには「AT-AQ450」のほうがよさそう。
詳細はAmazonのオーディオテクニカ バイブレーションコントローラー AT-AQ450参照。
今回使っているのは500×750mm×10枚入りの「AT-AQ431P10」だが、こちらは完全に業務用ボリューム。一般DIYユーザー向けには「AT-AQ430」のほうがよさそう。
詳細はAmazonのオーディオテクニカ ノイズレスラグ AT-AQ430参照。
※タイヤハウスデッドニングについては、いずれ解説予定。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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