アンプ導入ガイド╱第2回

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アンプのチャンネルとは？╱「アンプの選び方」入門

アンプの選び方を、初心者向きにガイドする。まず、意外と悩ましいのが、チャンネル数をどうするか。初心者向きに「アンプのチャンネル数とは何か？」から、わかりやすく解説する。

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  「パワーアンプ（外部アンプ）を追加する必要性はある？ その効果は？」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日からは「アンプの選び方」を、解説していきます。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  外部アンプ（パワーアンプ）といっても、膨大な製品数があります。どうやって、自分に合ったものを絞り込めばよいのでしょうか。

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  まずは、アンプのチャンネル数のチョイスをどうするのか、という問題がありますね。

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  あ〜、そういえば2チャンネルアンプ（2ch）とか4チャンネルアンプ（4ch）とか、よく言いますね。

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  そうそう、それのことです。

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  ……てゆーか、チャンネルって何ですか？

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  カンタンに言うと、スピーカーを鳴らせる数だと思ってください。1個のスピーカーに対して、1チャンネルが必要です。

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  それって、左右のフロントスピーカーを鳴らすためには、2チャンネルアンプが必要ってこと？

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  そういうことですね。

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  ……いや、待てよ？

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  ？

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  「車のスピーカー交換入門」のときに、コアキシャルスピーカーより、セパレートスピーカーのほうがおすすめって言いましたよね？



✔ セパレートスピーカーは、高音域を鳴らすツイーターと、中音域を鳴らすミッドレンジの2つに分離されている。

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  この場合は、右ツイーター・左ツイーター・右ミッドレンジ・左ミッドレンジで、正確に言うとスピーカーは4つだから……「4チャンネルアンプが必要」ということになりませんかね？

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  ……ええっとね、そういう組み方もできますが、それは「アンプをマルチで組む」という、より本格的なカーオーディオシステムの話でして……。

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  上級者コースなのか。

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  一般的には、フロントスピーカーだけなら、2チャンネルアンプで十分です。ツイーターとミッドレンジの音の分配は、前に説明した通り、パッシブネットワークがやってくれますから。



✔ 「パッシブネットワークとは？」参照。

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  そっか。パッシブネットワークがあるから、1系統のチャンネルでツイーターとミッドレンジが鳴らせるんですね。

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  そうですね。しかし、フロントスピーカーだけでなく、リアスピーカーまで外部アンプで鳴らしたいとすれば、合計で4スピーカーをつなぐことになります。

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  その場合は、4チャンネルアンプが必要になるんだ。

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  そういうことです。

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  じゃあ、フロントスピーカーだけの人は2チャンネルアンプ、リアスピーカーまで付いている人は4チャンネルアンプを買えばいいってことですね〜。

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  ……アンプの選び方は、そう単純ではないのです。

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  以前「車の〈スピーカー交換〉入門」で述べた通り、カーオーディオは基本的に、フロントスピーカー重視で組んだほうがいいのです。音質の面からも。

カーオーディオはフロントスピーカー重視



✔ フロントスピーカーの交換手順については、「車のスピーカー交換方法」参照。

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  あ〜、そういえばそんな話がありましたね。

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  その考え方でいくと、リアスピーカーはナシでもいいし、あってもほとんど鳴らしません。

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  外部アンプまではいらない？

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  そうなんです。……とすると、やはり2チャンネル（2ch）のアンプでも十分なのです。2チャンネルでいいアンプを買うほうが、無駄がないですよね。

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  なるほど、なるほど。

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  ただ、今後のシステムアップなどもいろいろ考えて……ということなら、4チャンネル（4ch）アンプを選んでおくのも、アリだとは思います。

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  今後のシステムアップって？

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  余っているチャンネルをサブウーファーを鳴らすのに割り当てる、といったこともできますので。

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  そういうことか〜。

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  サブウーファーは大きいけれど、1個は1個だから、1チャンネル分あればいいんですよね？

サブウーファーは通常1発で十分


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  そうなんですが、ブリッジ接続に対応している4チャンネルアンプなら、余った2チャンネル分を活用できます。

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  ブリッジ接続？

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  ブリッジ接続とは、2チャンネルを1チャンネル（モノラル）にまとめて、サブウーファーなどにパワーをかけるつなぎ方です。

✔ 理屈の上では、ブリッジ接続を行うと電圧的には倍になり、抵抗は半分になるので、出力としては4倍になる。1チャンネルあたり100Wまでいけるアンプなら、ブリッジ接続で400Wになる、ということ。

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✔ ただし、実際はこの計算通りとは限らず「ブリッジ接続した場合には、350Wまで」という風に、アンプごとに仕様がある。

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  ただし、ブリッジ接続できないアンプもあるので、サブウーファーの追加まで考えてアンプを買うのであれば、「ブリッジ接続できる4チャンネルアンプ」を選びましょう。

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  なるほどぉ〜。

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  将来的に、デジタルプロセッサーの導入まで視野に入れるなら、4チャンネルアンプを買っておく手もあります。

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  と言うと？

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  プロセッサーがあれば、さっき話に出てきた、フロントスピーカーの「ミッドレンジ」と「ツイーター」のそれぞれに1チャンネルを割り当てる（マルチで組む）ことで、スピーカーを個別に制御（調整）できるからですよ。


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  ちっちゃいツイーターのためにまで、1チャンネルを割り当てるのか。

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  そうなると、フロントスピーカーだけでも4チャンネル必要になります。


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  なんて贅沢なアンプの組み方……。

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  だから最初から4チャンネルのアンプを選んでおいても、有効活用は可能かなと思います。

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  どうやら、いろいろ将来のことを考えると、2チャンネルアンプでは発展性がなくて、無駄になりそうな気がしますね。

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  そんなことはないですよ。

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  だって、サブウーファーとかプロセッサーとか、追加できなくなるじゃないですか。

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  いやいや。チャンネルが必要になったときに、2チャンネル（あるいは4チャンネル）のアンプを買い足す、というやり方もあるので。

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  そっか。2チャンネルアンプ×2個の、4チャンネルでもいいのか。

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  もちろんできます。サブウーファー用には、より出力の高いアンプを専用に用意することも多いし。

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  なるほどね。アンプの選び方って、けっこう自由度が高いというか、奥が深い。

最初に2チャンネルアンプを買っても、それが無駄になる心配はないですよ



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  それを聞いて一安心。

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  ただ、考慮するべきは費用の問題です。買いたいアンプのシリーズで、2チャンネルと4チャンネルにそれほど価格差がないなら、4チャンネルを買っておいてもいいかも。

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  ……それもそうだ。

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  例えば1万円程度しか差がないのであれば、2チャンネルアンプを2個買うより、コストが大幅に抑えられます。

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  実際の価格差は、どの位なんでしょう？

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  そこはメーカーやグレードによりけりですから、何とも言えませんね〜。

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  買いたいアンプのチャンネル違いの価格は、先にチェックしたほうが良さそうですね。

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  本格的なオーディオシステムを組んでいる人だと、4チャンネルアンプを2個使ったりするケースもあります。

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  車のドアは4枚なのに、8個もスピーカー積む気なの？

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  フロント3Wayで組んでいる人は、ツイーター（高音）・ミッドレンジ（中高音）に加えて、ミッドバス（中低音）も出てきますから……



✔ フロント3Wayってなに？ という人は、「スピーカーのアウターバッフル（アウター加工）とは？ その効果は？」参照。

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  なんと。これをマルチで組んだら、フロントスピーカーだけで6チャンネルもいるぅ！

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  そうなんです。だから、4チャンネルアンプを2個使って、余った2チャンネルはブリッジ接続でサブウーファーに回す、なんていう組み方をするのです。

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  8チャンネル分を、キレイに使い切ってしまいました。

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  あるいは、ツイーターとミッドレンジに4チャンネルアンプを割り当てて、ミッドバスはパワーを出したいので専用に高出力の2チャンネルアンプを組んだりすることも多いですね。

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  ウ〜ム。
  よりコダワリを感じる組み方ですね。

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  逆にフロント3Wayでも予算を抑えるなら、アンプ内蔵型プロセッサーなどを使う手もありますし、アンプの組み方は本当にいろいろです。

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  ……いろいろ教わった結果、かえってアンプの選び方で迷うような気もする。

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  とはいえ、フロント重視の考え方で、現時点では予算も抑えたいなら、2チャンネルアンプでも十分ですよ〜。