スマホの音楽を車で楽しむ(第3回)
純正ナビに、配線加工なしで外部アンプを取り付け(接続)する方法
純正ナビに外部アンプを取り付ける方法。これはすなわち、純正ナビと純正スピーカーの間にアンプを割り込ませる、ということ。この連載では「スマホの音声」をよくする目的でやっているが、スマホは関係なく、単に純正オーディオの手軽な音質アップにもなる。
純正ナビ&純正スピーカーのままで外部アンプを割り込ませることは可能
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「スマホと車載スピーカーを、最短ルート(音質重視)でつなぐ方法」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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順番として、今日はまず、純正ナビに外部アンプを取り付ける(接続する)方法から解説していきます。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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純正ナビに外部アンプを追加する……なんてことが、できるんですね。
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「ハイレベルインプット」に対応している外部アンプであればできます。
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今回の連載では、スマホの音声を(ナビを通さずに)イイ音で鳴らすために、アンプを割り込ませますが、スマホ関係なしで、単に純正オーディオの音質アップもできるんですよ。
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デッキもスピーカーも純正のままで、音質が上がる!
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ハイ。通常だと、スピーカーを社外品に交換する……から入る人が多いと思いますが、アンプだけを追加するやり方ですね。
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斬新ですね〜。
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前回も言いましたが、そもそも純正ナビでは、スピーカーを駆動するには十分なパワーがないケースが多いんです。
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フムフム。
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だから、純正ナビと純正スピーカーの間に外部アンプを追加しての音質アップは、理にかなっています。
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ナルホド。
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つまり今回の技は、単に「純正ナビ&純正スピーカーのままで音質を良くしたい」人にもオススメできます。
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スマホを使うかどうかに限らず、知っておいて損はなさそうです。
マ
メ
知
識
✔ 純正ナビは社外オーディオデッキとは違い、赤・白のRCAケーブル出力を持ち合わせていない。
✔ そのためRCA入力しか持たない一般的な外部アンプ(パワーアンプ)はつなげない。
✔ ナビやデッキが出しているスピーカー用の信号を外部アンプが受け取る方式を、「ハイレベルインプット」と言う。
Amazonでも販売されているビートソニック マイクロパワーアンプ PA2。純正ナビと純正スピーカーの間に割り込ませる想定で開発された外部アンプ。
外部アンプ(PA2)を配線加工なしで純正ナビに接続する方法
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具体的にはどのように、純正ナビと純正スピーカーの間にアンプを取り付けるのでしょうか?
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PA2は、スピーカー信号を直接入力できるパワーアンプですが……
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純正スピーカー線を切断する、ということ?
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いや、実はそういう配線加工無しで、外部アンプを割り込ませることが可能です。
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ほほう。
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ここでは、よくあるトヨタのディーラーオプションナビを例に説明します。
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これに対して外部アンプのPA2を割り込ませるために、2種類のハーネスを組み合わせて使います。
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このBH1、もともとの用途は、車両側の純正ナビ用配線を生かして、市販のカーナビ(社外ナビ)を取り付けるためのものです。
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本来はナビ交換用なんですね。
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純正ナビを取り外し、残った車両側のコネクターにこのBH1コネクターを差すと、各配線がすべてギボシ端子付きの線に変換されます。
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それで、社外ナビのギボシ端子付きの線につなげる。
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そうです、そうです。つまり社外ナビ取り付け用ハーネス、ですね。
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しかし、今回の目的はナビ交換ではなく、むしろ純正ナビを生かす方向ですが?
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そうですね。そこで、もうひとつのハーネスを組み合わせます。
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このBH5は、純正ナビを、他の車に移植したいというときに使うコネクターなんですよ。
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へ〜。
そんなのもあるんですね。 -
トヨタのディーラーオプションナビは、10ピン、6ピン、5ピンカプラーがささるタイプが主流です。
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つまり、この10ピン、6ピン、5ピンの中に、ナビに必要なすべての配線が通っています。
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そうなりますね。
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そこで、これらの配線を、一般的なギボシ端子の形に変換してしまえば……
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トヨタのディーラーオプションナビが、社外ナビみたいなギボシ配線状態になる?
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そういうことです。つまり、トヨタ以外の車にも付けられる……ということ。
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ほええ。
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コネクター側の形状が一致するのが、前提条件ですけどね。
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なかなか興味深い製品ですが、今回の企画は、純正ナビを外すわけではありませんよ?
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そうでしたね。
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さっきから、関係ないハーネスばかり持ち出して来ますけど……
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でも、このBH5とBH1を組み合わせると、カプラーオンで外部アンプ(PA2)を純正ナビと接続することが可能になるんです。
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と言うと?
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PA2には、もともとスピーカー信号を受け取るためのハーネスが付属していますので、それも組み合わせて……
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さきほど登場したBH1、およびBH5を組み合わせると、こうなります(↓)
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なんと!
さすがハーネス屋ビートソニック! -
フフフ。(この接続方法は私も今回調べてはじめて知りましたが、それは言わなくてもいいか)
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純正ナビ&純正スピーカーのままで、しかも配線加工ナシで音質アップできるなんて!
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PA2は、まさにそれを目的にしたパワーアンプですので。
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予算的にも、かなりローコストなシステムアップと言えそうです。
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今回はちょっと話がそれましたが、今回の話と「前回の話」(※)をミックスすると、スマホ→PA2→純正スピーカーを鳴らす、が可能になります。
✔ BH1
Amazonなどでも販売されているビートソニックのオーディオ用配線コネクター(トヨタ・ダイハツ車用)BH1
✔ BH5
ビートソニックのトヨタ純正ナビ配線コネクターBH5。適合はビートソニックHPで確認しよう。
写真右の配線は、マイクロパワーアンプPA2に付属しているもの。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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