プロに教わるデッドニング講習②
プロもオススメするオーディオテクニカのデッドニングキット
デッドニングを始める前に、用意する部材(制振材や吸音材)のオススメをプロに聞く。今回ドアに使うのは「オーディオテクニカ」のデッドニングキット(ドアチューニングキット)で、なぜこれがオススメなのか、理由を聞くとなるほど納得。
ドアデッドニングは専用キットを使うほうが現実的!?
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「カーオーディオのプロに教わるデッドニング講習スタート」の続き。まずはドアから施工します。
●レポーター:イルミちゃん
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ドアに関しては、DIYでやるならドアデッドニングキットを使うことをオススメします。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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デッドニングするんだからデッドニングキットを買わないといけないのは当然なのでは?
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いや……例えば僕は、ふだんお客さんの車にデッドニングを施工するときに「キット」は使いません。
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ん?
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本来デッドニングというのは、こういった単品の制振材や吸音材(↓)を切り出して貼っていく作業です。
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しかし、バラ売りの制振材でデッドニングしようとすると、どの制振材を買えばいいのか? 自分の車では何枚買えばいいのか? ぜんぜん分からないと思うんですよ。
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確かに……ね。
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しかも制振材だけでなく吸音材なども使いますし。
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部材を揃えるだけでもけっこう知識がないと無理っぽいな。
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そういうことで悩まずに済むように、ドアデッドニングに必要な部材をセットにしているのが「ドアデッドニングキット」です。
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なるほど。
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だから、ドアについてはキットを使うほうが現実的だと思います。
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それを言うなら、ドアに限らず、天井やフロアでも同じなのでは?
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……いや、天井やフロアには(基本的には)キットなんてないので。
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なんでだろう?
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天井とかフロアは、車によって使う制振材の量もバラバラですし、キット化するのは難しいかと。
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それもそうか……。
車種別キットならともかく。 -
それに、天井やフロアはそもそも、そこまでやる人が少数派ですので。
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車種別でキットまで出しても需要がない……か。
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そこで、このデッドニング連載でも、天井やフロアは単品売りの制振材・吸音材・断熱材などを組み合わせながら貼る方法を紹介していきます。
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天井とフロアは、地道に切り出すやり方にならざるを得ませんね。
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そういうことです。キットで少しラクができるのはドアだけです。
大きなシート状の制振材を切り出している。
床面積や貼り方によって、必要な制振材の量が大きく変わってくる。
ルーフデッドニングで、制振材の上から断熱材を貼っているところ。
コスパの良さが光るオーディオテクニカのドアデッドニングキット
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デッドニングの制振材を出しているメーカーはいろいろありますが、キットで出しているメーカーはかなり限られます。あまりない。
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カーデンでよく使うデッドニングシート(↓)は、以前に解説してもらったことがありました。
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しかし、そういう制振材は全て、単体で販売されているものばかりです。キットではない。
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DIY向けというよりプロ向けの制振材みたいな感じですね。
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そんな中で、ひとつオススメのデッドニングキットがありますよ。
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ほう?
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それが、オーディオテクニカのドアデッドニングキット(↓)です。
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これはオーディオ初心者の人にもオススメできるキットですね。
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その理由は?
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ひとことで言えば、オーディオテクニカの制振材は値段が安いわりにはいい音がするからです。
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ほおぉーー。
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カーデンとしてお客さんの車にデッドニングを施工する場合、予算によっていろいろな制振材を使い分けるという話をしましたが……
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カーデンで以前からよく使ってきた制振材に比べて、オーディオテクニカは値段が安くてコスパが高いのです。
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では、キットを使わない佐伯研究員も、単品ではオーディオテクニカの制振材を使うこともあるんだ。
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ハイ。最近では「できるだけ予算を抑えてデッドニングしたい」という人には、オーディオテクニカの制振材を薦めています。
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それって、どのくらい費用が変わるのでしょう?
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カーデンでのドアデッドニング費用の目安は、一番安いコースで4万円位~(※部材と工賃の合計目安)です。
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その場合はオーディオテクニカの制振材を使っているのね。
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いっぽう値段の高い制振材を使うと、費用が10万円前後まで上がってしまいます。
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……同じドアデッドニングでもそんなに幅があるのか!
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そうですね。施工する手間がそれほど変わるわけではないので、主には材料費の差額です。
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…制振材もいろいろなのね。
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ちなみにオーディオテクニカの制振材には「青」と「赤」があって、「赤」は上位グレードですごくいいですよ。
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ただし「赤」は値段が高い。それに「キット」は出ていません。
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バラ売りのシートのみ、なのか。
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しかし低コストで十分な効果が得られる「青」のほうが入門としてはオススメできるし、「青」ならドアデッドニングキットがあります。
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ウーム。プロがオススメする理由が分かってきた。
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どういうものなのか、実際の施工方法を説明していきましょう。
実売価格等は、Amazonのオーディオテクニカ AT-AQ405 AquieT(アクワイエ)ドアチューニングキット参照。
カーデンで採用している制振材。左から「StP」「フェリソニ」「レアルシルト」
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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