パワーアンプ取り付け講習⑤
パワーアンプの取り付け方法╱純正ナビの配線から電源を取る方法
純正ナビにパワーアンプを取り付ける方法を学ぶ連載。第5回目は、パワーアンプの電源用にACC電源と常時電源を取り出す。今、行っているのは「アンプの取り付け」だが、あとで外すことも考えたやり方。
純正ナビの配線を加工してパワーアンプの電源を取る
-
「パワーアンプの取り付け方法④╱純正配線を加工する場合」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
-
スピーカー線以外に必要な線は、ACC電源と常時電源ですね。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
-
まずはテスターで常時電源とACC電源を調べます。
-
電源線はカットするわけではなく、パワーアンプの常時電源線やアンプリモート線をつなぐのですが……
-
フムフム。
-
ただ、パワーアンプ側の配線をそのまま直結してしまうと、外すときには配線を切るしかなくなります。
-
ふむ。
-
そこで僕の場合は、電源取り出し用の短い配線を用意して、それを電源線に接続します。
-
なるほど。
-
あらかじめ、電源取り出し用コードの片側(パワーアンプとつなぐ側)にはギボシ端子メスを付けておきます。
-
ここで重要なのは、電源取り出しに使う線には、先にギボシ端子のメスを付けておくことです。
-
ショート対策、ですね。
-
そうです。電源を取り出した線が裸の状態で車体金属に触れたらその瞬間にショートしますので。
-
ギボシ端子メスは、スリーブで端子が覆われる形状だから絶縁になります(↓)
-
電源取り出しを後回しにする手もありますが、作業の都合上、先に電源線につないでおきたい場合は、反対側に先にギボシ端子メスを付けておきましょう。
✔ テスターで電源の種類を調べる手順が分からない人は、「ACC電源をナビ/オーディオ裏から取る方法」などを参照。
常時電源とACC電源の取り出し用に、2本の配線を用意した。
パワーアンプ用の電源を純正配線から取り出す方法
-
電源線にはどうやってつなぎますか?
-
僕の場合はエレクトロタップなどは使わず、確実に結線するためにハンダを使います。
-
なるほど。
-
今回のホンダ車(フィット3)の純正ナビでは、みどり色が常時電源線。これがかなり太い線だったので、手持ちのワイヤーストリッパーでは被覆が剥けませんでした。
-
こういう場合はワイヤーストリッパーで被覆に切れ込みを入れておいて……
-
カッターを使って被覆を剥きます。
-
内部の導線が切れないように、被覆だけを切り取ります。
-
常時電源線の一部の被覆だけをキレイに剥き取りました。
-
露出させた部分の導線に、用意しておいた電源取り出し用配線の導線をくくりつけます。
-
ギボシ端子を付けておいた側とは反対側を、電源線につなぎました。
-
つないだ部分はハンダ付けします。
-
ハンダ付けができたら、ビニールテープを巻いて絶縁しておきます。
-
プロはこうやって電源取り出ししているのか。
-
アンプリモート用のACC電源取り出しも同様ですが、こちらはそれほど太線ではないので、ワイヤーストリッパーだけで被覆を剥けます。
-
そしてハンダ付け。
-
ちなみにここでは常時電源線には黄色の配線コード、ACC電源には赤の配線コードをつなぎましたが、これはパワーアンプ側の配線コードの色と合わせるためです。
-
一般的なオーディオ配線の色分けルールにのっとっているんだ。
-
今回のようにいったん中継コード的なものを作って電源取り出ししておけば、パワーアンプを取り外しするときも配線を切らずに済みますよ。
-
これでスピーカー線・常時電源・ACC電源の取り出し準備は完了しました。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
関連記事
- プロローグ:カーオーディオプロショップは敷居が高い、という誤解
- カーオーディオの順番。どこから手を付けるのがよいか?
- 車の「スピーカー交換」入門
- ツイーターの取り付け位置・固定方法はどうすればいいの?
- バッフルボード(インナーバッフル)とは?
- パッシブネットワークとは?
- 車のスピーカーケーブルを交換する効果は? 引き直しの注意点
- スピーカーケーブルに使う端子の種類とつなぎ方。処理の注意点
- 車のスピーカー交換方法①純正スピーカー(リベット)の外し方
- 車のスピーカー交換方法②バッフルボードの取り付け方
- 車のスピーカー交換方法③ツイーターの取り付け方
- 車のスピーカーから音が出ない! 原因は?
- スピーカーを持ち込み取り付けしてもらう前に、知っておくべき話
- スピーカーのアウターバッフル(アウター加工)とは?
- 車のスピーカー交換でノイズがのることはあるの? 対策は…
- 車のスピーカーの選び方で、一番重要なこと
- スピーカー交換の次はデッドニングか、アンプか?
- プロが使っているデッドニングシートはいろいろ。おすすめは?
- バッフルボードの材質(素材)についての知識
- ワンオフでバッフルボードを作るメリットはなに?
- スピーカーのオススメを語るのは難しいが、選び方のオススメならある
- パワーアンプ(外部アンプ)を追加する必要性は? その効果は?
- アンプのチャンネルとは?╱アンプの選び方入門
- RCAとハイレベルインプットの違いは重要╱アンプの選び方入門
- パワーアンプのA級、AB級、D級とは?╱アンプの選び方入門
- スピーカーやアンプの「インピーダンス」とは?
- パワーアンプの設置場所(置き場所)は、車内のどこがいいのか?
- 純正ナビにパワーアンプを追加するときの配線知識
- 純正ナビにパワーアンプを追加するときの配線知識(後編)
- パワーアンプの取り付け方法①╱純正ナビを外すときのコツ
- パワーアンプの取り付け方法②╱純正ナビを外すときのコツ(後編)
- パワーアンプの取り付け方法③╱純正ナビのスピーカー線を見つける
- パワーアンプの取り付け方法④╱純正配線を加工する場合
- パワーアンプの取り付け方法⑥╱純正ナビ裏にアンプを隠して設置
- チューンナップウーファーとは? サブウーファーとの違いは?
- チューンナップウーファーのおすすめはどんなタイプ?
- サブウーファー取り付け時の、配線方法の知識
- サブウーファー取り付け時の、「電源」の知識
- サブウーファー取り付け方法①車内の設置場所を決める
- サブウーファー取り付け方法②純正ナビとの配線接続
- サブウーファー取り付け方法③床下に配線を通すための準備
- サブウーファー取り付け方法④スピーカーラインとACC電源を取る
- サブウーファー取り付け方法⑤バッテリー直結(バッ直)で電源を取る
- サブウーファーはリアスピーカーの配線を分岐して付けたらダメなの?
- ツイーターとサブウーファーを、純正配線「無加工」で増設できる小技
- サブウーファーの箱(ボックス)だけワンオフ製作してもらうのは可能?
- ディスプレイオーディオの純正配線を切らずにサブウーファーを取り付ける方法
- サブウーファーはフロント・リアどっちのスピーカー線につなぐのか?
- 車のシート下あるいは中に、サブウーファーを隠す方法
- 純正スピーカーにツイーターを追加するときの知識
- ツイーター追加時の配線方法。純正配線を傷付けたくない人は…
- ツイーターを追加(増設)する方法
- ツイーター埋め込みには、どの位の費用がかかる?
- リア(後部座席)にツイーターを追加する効果と、逆効果
- リア(後部座席)ツイーターを増設する位置と配線方法
- ツイーターがうるさいと感じるときに、単独で音量調整する方法は?
- ツイーターの高音が耳に刺さる……その原因と対策は?
- ツイーターが壊れる原因。修理はできるのか?
- スピーカーケーブルの値段 トータル価格は意外と高いかも…
- 車のスピーカーケーブルを交換する前に考えておくべきこと
- 外部アンプ追加だけ(純正ナビ&純正スピーカー)で音は良くなる?
- 純正ナビに外部アンプを取り付け(接続)する方法
- スマホの音楽を車のスピーカーで(イイ音で)聴く方法
カーオーディオ入門╱スピーカー交換編
カーオーディオ入門╱アンプ導入編
カーオーディオ入門╱ウーファー導入編
カーオーディオ入門╱ツイーター追加編
その他