プロに教わるデッドニング講習⑥

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天井デッドニングとフロアデッドニングの違い。どっちを先にやるべきか？

天井デッドニングとフロアデッドニングの、自分にとっての優先順位を考える。まずは天井デッドニングとフロアデッドニングの違い・特長・効果を知るところから。

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  「ドアデッドニングの制振材の貼り方には〈全面貼り〉もあるが、そのメリット・デメリットは？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここからは天井デッドニングとフロアデッドニングについて解説していきたいと思います。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  「ドアデッドニングを一番最初にやるべき」なのは、今までにも教わってきておりますが……

まずはドア


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  では、ドアを施工したあと、さらに音質をグレードアップさせるとしたら？ 次は天井とフロアのどちらに進むのがよいのでしょうか？

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  それは難しい質問ですねぇ。

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  そうなの…？

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  そこは、車によって変わってくると思います。

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  どっちのほうがより音に利く、っていう話ではないのか。

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  そもそも天井やフロアをデッドニングするのは、オーディオとは関係ない人も多いですしね。

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  ほえ…？ オーディオの音を良くするためにやるんじゃないの？

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  もちろん車内の静粛性が高まることで、オーディオを聴く環境も有利にはなりますよ。

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  ふむ。

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  しかし、ではオーディオコンテストに出場する車が、みんな天井やフロアをデッドニングしているかといえばそうでもない。

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  へぇ～。てっきりみんな、フルデッドニングしているのかと。

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  そんなことはないですよ。オーディオカーとして見た場合には、やり過ぎもあんまり良くなかったりするし。

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  なんか難しいこと言い出したぞ…。

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  例えばレーシングカーでも「ガチガチに固めすぎるとかえって良くない」と言ったりするのと似た面もある、ってことです。

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  ……じゃあ、天井デッドニングとかフロアデッドニングはなんのためにするのでしょうか？

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  天井の鉄板が薄くて雨音が気になる車や、ロードノイズがうるさい車の場合に有効なんですよ。

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  「車がうるさいからやる」対策になるんだ。

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  そうですね。音質向上というよりは「車内の静音化」で、効果が大きいメニューです。

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  それでは、天井デッドニングとフロアデッドニングの違いを比較してみます。

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  車内空間の静粛性を高める、っていう意味では両方とも同じなんですが……

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  ふむ。

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  天井デッドニングに関しては、雨音が静かになったり、断熱材も入れたりすることで、エアコンの効きが良くなったりといった効果があります。

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  へー。デッドニングにはそんな効果もあるのか。

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  鉄板ムキ出しの状態に比べたらけっこうな差が出ますよ。

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  ドア以外のデッドニングの効果って、ビビリ防止だけかと思ってた。

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  というのも、天井やフロアをデッドニングするときには、制振材だけでなく断熱材（※）も入れたりするんですよ。



※詳しくは後述するが、ビビリ防止の制振材とは別に、吸音や断熱に効果のある素材を使う。

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  へー。そうなんだ。家みたい！

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  だから当然、外気温の影響を受けにくくなり、エアコンの効きがよくなります。

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  なるほどね～。

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  車の天井の鉄板はどうしても薄いので、断熱材を入れる効果はフロアより大きいですね。

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  では、夏場の太陽光の影響を受けにくくしたいなら、まず天井デッドニングからが良さそう。

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  いっぽうフロアデッドニングに関しては、ロードノイズ低減に効果を発揮します。

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  車の場合はどうしてもロードノイズがあるもんね。

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  それを抑えて静かにしたいならば、一番効果的なメニューです。

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  なるほど、なるほど。

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  ドアほどではなくてもオーディオの音の振動がフロアにも伝わりますので、それを抑制する狙いもあります。

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  フロアデッドニングの場合も、断熱材を入れたりするのでしょうか？

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  そうですね。断熱材も入れるので、アスファルトなどの路面からの照り返しや、マフラーの熱に対しての断熱効果もあります。


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  天井デッドニングと同じような効果だ。

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  ただ、太陽光を直接受ける天井に比べれば、床からの熱さを感じることは、もともとあまりないと思いますけど。

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  そっか。

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  やはりフロアデッドニングの一番の狙いは、走行中の車内空間を静かにする、ということですね。

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  これらの性質上の違いを踏まえて、どっちを優先的に施工するか決めましょう。