C-HRのフロント（ストラット式）にキャンバー角を付ける理想的な方法は？

この記事は、単にフロントキャンバー角を付ける方法ではない。車にとって理想的な状況を考慮しつつ、キャンバー角を付ける方法だ。モデル車はC-HRだが、ストラット式の足回りの車には、同じようなことが言える。

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  前回の記事（※）に引き続き、J-LINEのC-HRを解剖していきます。

  （※）「調整式アッパーアームのメリットとデメリット」参照。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回はリアのアーム交換の解説でしたが、今日はフロントです。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  リアにキャンバー角を付けたら、バランスを取りたくなるのがフロント。

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  C-HRのフロントはストラット式。ダブルウィッシュボーンのリアとは違って、アームはロアアームのみです。



アッパーマウント（上側）とロアアーム（下側）の2点でショックを支えるストラット式。

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  ということは……フロントは、ロアアームでキャンバー角を付ける？

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  それで少しはキャンバー角も付きますが、フロントロアアーム交換の目的は、ドライブシャフト（ブーツ）対策ですね。



J-LINEのセンターポジションロアアーム・C-HR用。

✔ 問い合わせ先：〈J-LINE〉TEL 022-367-7534╱またはお問い合わせフォームから。

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  この新作ロアアームは、キャンバー目的ではない？

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  どちらかと言えば、「キャンバー角を付けた車の対策品」という位置づけです。

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  では、キャンバー角はどうやって付けますか？

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  ストラット式の足回りのフロントキャンバー角は、車高調の調整式アッパーマウントで付けるのが第一優先。それでも足りなければ、キャンバーボルトを併用します。



J-LINEのキャンバーボルト。写真はC-HR適合タイプ。

✔ ひとくちメモ

●キャンバーボルトは汎用品だが、足回り構造によって使うタイプが異なるので品番に注意。

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●C-HRに適合するのは、レギュラータイプが「CB16WRS」、鬼キャンタイプが「CB16WOS」

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※レギュラーと鬼キャンの違いは、「鬼キャンタイプのキャンバーボルトとは？」参照。

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  ただ、今回製作したモデル車両のC-HRでは、キャンバーボルトは使っていません。

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  それはまた、なぜ？

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  車高調のアッパー全開倒しと、ナチュラルキャンバーによって、フロントもキャンバー角は付いている。J-LINE的には、それで十分という判断です。


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  リアの倒し方に対して、フロントは控えめな印象ですが……

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  これはこれで、自然なバランスが取れている。まあ好みですが。

✔ ひとくちメモ

J-LINEの前後キャンバー角のコダワリについては、「キャンバー角はこう決める！ 重要なのは前後バランス」参照。

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  フムフム。C-HRは車高を落とせばナチュラルなキャンバー角も付くし、人工的にやるのはアッパー調整だけでいいのか。

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  とはいえ、車高調によってはそれほど倒れなかったりもするので、そういう時にはキャンバーボルトが役立ちますね。

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  ナルホド。

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  ただし、アッパーマウント調整がショックとナックルアームをいっしょに寝かせるのに対して、キャンバーボルトはナックルアームとショックの付け根で角度を付けるので……



※「キャンバーボルトの付け方」参照。

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  倒れたホイールの裏側のリムと、ショックの距離が近づくことになります。

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  ムムム。

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  C-HRでは、フロントに9Jを履いていると当たる可能性が高まるので注意が必要。フロントショックの太さにもよりますが。

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  そのへんは、ホイールマッチングともからんできますね〜。

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  フロントにキャンバー角を付けたいなら、できるだけアッパーマウント側で倒しましょう、というのはそういう理由です。

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  フロントは駆動輪ですから、キャンバー角の付いたフロントは、ドライブシャフトが押し込まれるという問題点が出てきます。

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  それって……ドライブシャフトがドン突き（※）する？

  ※「ドライブシャフトのドン突きとは？」参照。

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  ドン突きは主に軽自動車の話。C-HRなどの普通車では、ドン突きまでいくことはほとんどありませんが、それでもドライブシャフトブーツが破れやすくなるリスクはある。


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  グリスを塗る、とか、「車高が低い車の〈ドライブシャフトブーツの寿命〉を延ばす方法」も教わりましたが……。

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  グリスには寿命を延ばす効果はありますが、根本的な対策は、延長ロアアームを付けてドライブシャフトを外側方向へ逃がすことです。


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  それで、C-HR用のフロントロアアームも開発したんですね〜。

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  このC-HRはキャンバーボルトは付けていませんが、ロアアームは10ミリ延長タイプに交換しています。

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  キャンバーボルトは併用していないのにロアアーム交換がいるの？

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  アッパー全開倒し+低車高で、ロアアームの角度がバンザイ状態になり、ドライブシャフトがぎゅーっと中に入っていますから。

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  車高が低いからか……。

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  そうなるとブーツがぺっちゃんこになる。そのまま走っていると、ブーツが破けます。

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  ブーツの寿命を延ばす対策として、10ミリ延長したんですね。

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  ロアアームを延長することでハンドルが切れなくなるような状況では、この方法は使えませんが、そうでなければ、やっておきたいのが10ミリ延長ロアアームですね。