キャンバーボルトの取り付け方法
ここではキャンバーボルトの取り付け方法について解説する。ただし、キャンバーボルト取り付け後は前輪のトー角が狂ってしまうため、サイドスリップ調整(トー角の補正)は必須となる。そのため一連の作業全てをDIYで行うのは難しい。
ショックとナックルを固定するボルトを外す
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キャンバーボルトの取り付け方について、J-LINEの氏家研究員に教わります。
●レポーター:イルミちゃん
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キャンバーボルトを取り付ける位置は、ショックの下部。ブラケットとナックルアームが接合されている純正ネジ2本のうち、1本を外して付け替えます。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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純正2本のうち、どちらを交換するかというと……、
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J-LINEでは、下側のボルトを交換することを推奨しています。
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その理由は「キャンバーボルトを取り付ける前に知っておくべきこと」の記事でまとめました。まだ読んでいない人は、参考にしてください!
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ちなみに! 上側の純正ボルトは外さなくていいんですが、ゆるめておきます。ココがポイント!
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え?
上側のボルトは関係ないのでは? -
そうなんですけど、このボルトをゆるめておかないと足まわりが動かない。キャンバーボルトを締めるときに支障があるんです。
下側の純正ボルトを外す
上側の純正ボルトをゆるめておく
キャンバーボルトを取り付ける
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抜いた純正ボルトの代わりに、キャンバーボルトを差し込みます。まだ締め込んではいません。
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とりあえずは手回しで、ナットを締めます。
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そしてキャンバーボルトを締め込むわけですが、このときにローターの上側をドン! と押して、めいっぱい内側に入れた状態にします。
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ボルトが細くなったことで「遊び」ができて、ハブが少しだけ倒れるわけですね。
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こうやって押し込んでキャンバー角を付けた状態で、キャンバーボルトを締め込みます。
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これでキャンバー角が付いた状態で、ボルトが固定されるわけかぁ。
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内側に倒した状態で固定するのがポイント。ただボルトを交換して締めるだけでは、キャンバー角がつきませんよ〜。
下側にキャンバーボルトを差し込む
ローター上部を押して内側に倒す
押したままボルトを固定する
キャンバーボルトの締め付けトルクについて
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キャンバーボルトの締め込みは、基本的にはトルクレンチを使ったほうがいいでしょうね。
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しかし氏家研究員は、普通にインパクトで締めていましたが……、
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僕は馴れていますから。いつも使っているインパクトレンチで、どのくらいのエア圧でどのくらい締まるかが、感覚で分かっているんです。あとトルクレンチは、個人的にあまり好きではないので。
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氏家さんみたいな職人は、感覚が研ぎ済まれているからできるわけですね。でも普通はトルクレンチで正確にやりましょう、ということですよね。
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そう。
そういうことです。 -
で、トルクはどのくらいに設定するのかという話ですが……、
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キャンバーボルトの締め付けトルクは、ボルトの太さと強度の掛け合わせで決まるものなので、ボルトの仕様によって異なります。
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J-LINEのキャンバーボルトも、車種の違いとか、太さの種類(キャンバー角度)があるから、ボルトごとに違う?
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そういうことになります。
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では締め付けトルクは、自分が付けるキャンバーボルトごとに確認しないといけませんね〜。
キャンバーボルトを付けたらトー角の補正が必須
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キャンバーボルトはいろいろ注意点もありますが、交換自体は難しくはありませんね。
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そうなんですけど、DIYで完全にやりきるのは難しい面もあります。
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と言うと?
取り付けができたんだから、もうやりきったのでは? -
ナックルアームに角度がついたということは、タイロッドも振られます。
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む。
タイロッドってなんでしたっけ? -
タイロッドはハンドル操作に合わせて、前輪を操舵するためのロッドですよ。これがナックルアームにつながっていて、前輪を動かしてます。
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なるほど。
では、ナックルアームを寝かせた影響は受けますね。 -
今回のようにタイロッドがホイールの後ろ側からつながってくる構造だと、トーインになります。
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キャンバー角を付けたら内股になっちゃった、みたいなカンジか。
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あるいはホイール前側からタイロッドがつながってくる車なら、トーアウト(ガニ股)になる。
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いずれにしても、キャンバーボルトを付けたことでトー角が狂ってしまうわけですね〜。
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トー角のズレは、タイヤの激しい段減りにもつながります。なのでサイドスリップ調整(トー角の補正)をやらないといけません。4輪アライメント調整まではしなくていいですけど。
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DIYで全部やるのが難しいというのは、そのことだったんですね〜。
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サイドスリップ調整は、ショップでしっかりやってもらいましょう。
前輪の操舵を伝えるタイロッド
✔ キャンバーボルトの注文は、J-LINEのホームページの「CONTACT」または、TEL 022-367-7534
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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