ドライブシャフトのドン突きとは？ 解消する方法は？

「ドライブシャフトのドン突き」を詳細に解説。ローダウンした車、キャンバー角を付けた車の問題点として出てくる懸念だが、具体的にはどういう状態なのか。ドン突きになっている時の車の挙動、解消方法も知っておきたい。

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  今日のテーマはドライブシャフトのドン突きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  最近はだいぶ浸透しましたよね、その言葉。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  ……とはいえ、まだまだ、ドライブシャフトのドン突きってなあに？ と思っている人は多いと思うので解説を。

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  昔、FR車をいじるのが主流だった時代にはあまりなかった問題なんですけど、今の時代ってFF車が当たり前じゃないですか。

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  確かに。FRは、一部の高級セダンやスポーツカーに限られますね。

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  FF車……つまり前輪駆動の車だと、フロントの両輪を駆動するためにドライブシャフトがつながっています。


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  このドライブシャフトが回転して、ホイールを駆動しています。

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  そしてこのドライブシャフト、ある程度は出し入れの方向に動ける余地があるんですね。

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  ちょっと位、引っ張られたり押されたりしても大丈夫ということ？

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  まあ、そうですね。でも車高を落としたり、キャンバー角を付けたりしているうちに、その余地がなくなって、奥側（車体側）に押しつけるような形で、突いてしまう。

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  それがドライブシャフトのドン突きか〜。

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  そうなったら回転に連動して「ゴトゴトゴトゴト」とか異音が出たり、「ドドドドド」っていう振動が車内に伝わってきたりします。

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  ドライブシャフトに関しては、異音の悩みも定番ですね〜。

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  FF車のフロントの足回りは、ストラット式が主流ですが、このタイプはメインとなるアームがロアアームだけです。あとはストラット（ショック）があるだけ。


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  この足まわり構造は、ローダウンしたときにドライブシャフトが内側に入る動きが大きいんです。

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  へー！

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  これがダブルウィッシュボーンだと、ドライブシャフトの上下から、ロアアームとアッパーアームが伸びてくるから、ローダウンしても間にいるドライブシャフトの動きの変化は少ないんです。

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  ということは、FR（後輪駆動）車の、リアでは起こりにくい問題？

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  ダブルウィッシュボーンは、普通のローダウンではそこまで中にドライブシャフトが入らない。アーム交換などまでして、極端にキャンバー角を付けたりすれば別ですが。

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  なるほど。

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  ストラット式、つまりFF車のフロントのドライブシャフトがドン突きしやすいのです。

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  つまり、FFの車で、セダンのようにキャンバー角を付けようとするのも、本来は無理があると言えそうです。

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  ……ところで、ドン突きになったことって、気づけますかね？

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  走れば分かります。よくあるのは、真っ直ぐの状態だとドン突きしていないけれど、走り出して、曲がったときに「ドドドド」って回転に連動して振動が来るケース。

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  ハンドルを切ったときに、ドン突きになっている？

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  この場合は、そうですね。もっと重傷の車で、真っ直ぐの状態でもドン突きするレベルになると、エンジンをかけただけでも分かりますよ。エンジンの振動が車内に伝わってくるので。

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  うーん。
  車内の振動で怪しいレベル。

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  エンジンって、だいたいエンジンマウント3点で留まっているんですよね。各マウントにブッシュが使われている。


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  エンジンは大きく動くものなので、車体にガッチリ固定はできない。だからブッシュで動きを吸収するようになっている。ようはフリーの状態なんですね。

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  なるほど。
  だから通常は、モロには振動が来ない。

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  しかしエンジンとミッションは一体なので、ドライブシャフトがドン突きすると、その振動がモロに車体に伝わってくるようになります。

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  エンジンと車体がつながった……みたいな状態か。

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  そうなると、車内にエンジンの振動がドドドドって伝わってきて、ものすごくうるさい。それがエンジンをかけただけで起こるなら、完全にドン突き状態です。

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  ドライブシャフト、ドン突きの原因についてでですが……、

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  要するにローダウンとキャンバー角なんですね。まず、車高がなぜ関係あるかというと、アームやドライブシャフトの角度の問題。

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  フムフム。

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  ドライブシャフトは、車体側のほうが高い位置にあって、ハブ（ホイール方向）に向かって、ナナメに下っていくような角度が付いてます。


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  ローダウンしていくと、まずはだんだん水平に近づいていきますが、水平を通り越すと、今度は逆の角度がつきはじめる。

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  車体側のほうが低い位置……いわゆるバンザイ＼(^o^)／の状態になる。

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  そこから先は、だんだん内側方向に押されるような動きになります。そのうちに、マージンがなくなって車体側に詰まってしまいます。

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  それは、かなり低い車高の車の話、ってことになりますよね。

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  車高の問題だけならそうなんですが、その動きに追い打ちをかけるのが「キャンバー角」なんですよ。

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  フロントにキャンバー角を付けるっていうのは、まあ、よくやることですよね。

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  そうですね。見た目の問題もありますが、フロントはハンドルを切るので、タイヤがフェンダーに当たらないようにキャンバー角を付けることも多い。


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  しかし、アッパーマウント調整やキャンバーボルトでキャンバー角を付けていくと、ドライブシャフトはさらに車体方向へ押されて引っ込むことになります。

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  ダブルパンチになる的な。

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  そうなんです。車種や車高にもよりますが、「アッパーマウント全開倒し」＋「キャンバーボルト」を入れた時点で、問題が出るケースは多いです。

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  ウーム。
  なるほど。

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  ただ、同じメニューをやって実際にドライブシャフトに問題が出るかどうかは、車種にもよりますけどね。

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  タイヤがフェンダーにカブってない位でも、問題が起こるのでしょうか？

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  う〜ん。それ位なら大丈夫かもしれませんが、傾向として、「車高の低い人ほど、キャンバー角も付ける」わけじゃないですか。

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  確かに。

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  リクツで言えば、「車高が高いほど、キャンバー角を付けてもドン突きが起こりにくい」とは言えますが……、

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  でも、そういう車は少ないってことですね。

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  まず、車高が上がれば、ドライブシャフトは外側に逃げてくれるので、「車高を上げる」のが最もカンタンな解決策になります。

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  でもっ！
  それって、解決策と言えるのでしょうか？

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  そう言う人は、アッパーマウント側の調整で少しキャンバーを起こせば、消えたりします。



具体的な調整方法は「車高調のアッパーマウントでキャンバー調整する方法」参照。

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  そっか。「車高」と「キャンバー角」が原因だから、どっちか少しずつ戻す、ということですね。

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  あとは、以前に解説した「ロアアームの交換（延長）」という方法がありますね。

  ※「ロアアームを交換（延長）する前に知っておくべきこと」参照。

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  「車高」も「キャンバー角」も戻したくない！ という人は、ロアアーム交換を検討してみましょう。