PA2とTOON X（DSP）の疑問

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PA2（アンプ）とTOON X（DSP）を併用する場合には、音の再調整が必要になるのか？

PA2とTOON X（DSP）の併用について、読者からの質問。マイクロパワーアンプPA2をすでに使用していて、TOON X（DSP）を追加で取り付ける場合、DSPの車種別調整データは使えないのか。またはDIYでの微調整ができるのか？

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  カプラーオン取り付けできるDSP「TOON X」の売れ行きが好調なようですが、今日はこんな疑問点について取り上げます。

  ●レポーター：イルミちゃん

Q

現在、マイクロパワーアンプPA2を取り付けていますが「TOON X」のDSPを追加で取り付けした場合、DSPのプリセット調整データは使えない（改めて調整が必要になる）と考えたほうがよいでしょうか？ DIYで微調整できるレベルなのか、プロに改めて調整してもらうほうがいいのかが知りたいです。

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  ここでおさらいすると、TOON X プロセッサー（DSP）のウリは、車種別の調整データをメーカー側が用意するという点にあります。



Amazonでも販売開始されたビートソニック TOON X シリーズ ※機種ラインナップについてはAmazon販売ページの「スタイル」メニューを参照。

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  しかし、これはあくまでも「純正オーディオを前提に調整」されたファイルです。

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  もともと外部アンプを取り付けている場合には、どうなるのか、というのが今回の質問ですね。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  調整のスペシャリストでもある佐伯研究員に聞きます。

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  その場合は再度の調整が必要になりますね。

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  やっぱりかぁ……。

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  なぜそうなるかと言えば、大きくは2つの理由があって、まずアンプのゲイン調整の問題があります。

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  ゲインとは、アンプの出力を調整するツマミのことですよね？

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  そうです。PA2の場合は4チャンネルアンプなので、フロントとリアのゲインを調整できます。


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  PA2を取り付ける段階で、前後のゲインも調節していると思われます。

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  前後の音量バランスを、PA2で取っている。

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  そうですね。前後スピーカーの音量差を、それぞれの好みに合わせて調節しているわけです。つまり「前後の音量差」が純正状態とは違う。

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  ということはTOON X（DSP）のプリセットデータでは合わない、と。

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  TOON X も前後スピーカーのレベル調整はしていますが、それは純正の前後の音量差に合わせたものなので、基準が変われば当然バランスは崩れます。

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  なるほど。

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  参考までに触れておくと、TOON X の車種別調整データは、リアスピーカーのレベル調整を（フロントに対して）マイナス気味にしているケースが多いです。

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  そうなんだ。

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  運転席で聴いたときに、リアスピーカーがあまりジャマをしないようにバランスを取った調整ですね。

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  だからこそ、センター奥にボーカルが立っているかのような臨場感が出せているんだ。

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  そうなんですよね。それなのに、もしもPA2のゲイン調整でリアスピーカーの出力レベルを上げていたら、当然ながらバランスは崩れてしまう。

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  音の位置が、後ろに引っ張られるみたいな。

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  PA2のゲイン調整で「リアを抑え気味」にしていたとしたら、そこまでは崩れないないかもしれませんが。

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  そのへんはケースバイケースになるんですね。

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  続いて、アンプが付いているならTOON X（DSP）の再調整が必要になる理由その②です。

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  ふむ。

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  アンプが付いている時点で、純正オーディオに比べたら特に低域がよく出ています。

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  それがPA2のウリですもんね。

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  それだけに、純正オーディオに合わせた調整データだと、イコライザー調整に関して盛りすぎ感が出てしまうかなと思われます。

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  盛りすぎ…というと？

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  TOON X は純正ナビの内蔵アンプで純正スピーカーを駆動している前提で「できるだけ純正に頑張らせる」という調整をしているので、高性能なアンプが付いたら当然バランスは崩れるわけです。

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  逆に音が出すぎる、みたいな状態？

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  そうですね。一言で表現すれば、うるさく聞こえるような感じになる可能性が高いかと。

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  なるほど。

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  だから、そのあたりを抑える調整は必要になりますね。

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  それって、DIYでの微調整でできるレベルの話なのでしょうか？

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  うーん、けっきょくのところ、イコライザーを全体的に触るような話になると思うので、そこは一般的なDSPの調整と変わらないレベルになってきますね。

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  TOON X の場合はプリセットの調整データがあるから、ラクにできる、とかいう期待はできない？

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  タイムアライメントに関してはもしかしたらそのまま使えるかも知れませんが、イコライザーは完全にゼロから調整したほうが早い気がします。少なくとも僕がやるとしたらゼロスタートで調整し直しますね。

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  そうなんだ。

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  DIYでできるかどうかは人によりますが、その点に関して言えばTOON X だからカンタン、とかいう話ではないですね。

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  ……ということで、すでにPA2を付けている人が、TOON X（DSP）を導入する場合、「イコライザーの再調整は必要になる」ということを頭に入れておきましょう。