プロセッサー導入ガイド⑰

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カーオーディオのプロセッサー取り付け実例（ハイエース編）

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カーオーディオにプロセッサーを導入する際に参考になる、プロセッサー（DSP）の取り付け例。カロッツェリアの2wayスピーカーを組んでいたところからのシステムアップで、3way化したケースだ。

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  「高音質なハイエンドRCAケーブルを試してみたいときの、おすすめ」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここからは実践編。プロセッサー（DSP）の取り付け事例を紹介します。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  カーデンのお客さんの実例ですか？

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  ハイ。DIYラボを見ていて、来てくださったお客さんなんです。

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  へー！
  それは嬉しい話ね。

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  以前にはスピーカー交換で来店してくださったのですが、今回はプロセッサーを導入する仕様変更です。

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  「プロセッサーを取り付けたい」と思ったきっかけは、何だったのだろう？

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  一番の理由は、フロントスピーカーを3way化したくなったから、なんですよ。

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  ホー。
  憧れのフロント3wayか。



✔ 基礎知識は「フロント3way（スリーウェイ）スピーカーとはなにか？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  前の仕様では普通の2wayスピーカーを付けていました。といってもカロッツェリアの6万円位するスピーカーなので、けっこうイイスピーカーなんですが。

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  それでも物足りなかったと？

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  「もうちょっと中音域がほしい」のが要望でした。「真ん中が抜けている感じがする」と。

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  そこそこ良いクラスのスピーカーを付けていても、気になるところは出てくるのね。

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  ハイエースは、ドアスピーカーが足元の低い位置（↓）にあります。いっぽうシート位置は高く、条件面でも不利ですしね。



ハイエースのドアスピーカー位置。

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  ちなみにハイエースは、音質を追求するのが難しいことで有名な車種です。

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  なるほどぉ…

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  それで、もっと高い位置にミッドレンジ（スコーカー）を足そうと考えました。幸いカロッツェリアは、フロント3way用のミッドレンジが単体でラインナップされていますから。



Amazonなどでも販売されているカロッツェリア 6.6cmミッドレンジスピーカー TS-S062PRS

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  では、今回はミッドレンジだけ買い足せば、フロント3wayにできるのかな。

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  そうなんですが……しかし、3way用のパッシブネットワークは設定がありません。そこでプロセッサーが必須になってきます。

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  そういう展開だったのね。

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  ちなみに音質にはもともとこだわっていて、ナビも純正ではなくサイバーナビで、4チャンネルの外部アンプ、チューンナップウーファーも付けていました。

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  ……その場合、今回のような仕様変更をしても、今まで使ってきたアンプやウーファーは生かせるのでしょうか？

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  はい。今回は全部を生かす方向で組んでいますよ。

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  プロセッサーはどれを選んだんですか？

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  今回のハイエースの組み方は、少し変則的です。このオーナーさんは「リアも鳴らしたい」タイプなので。

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  そうか。ハイエースだから後ろにも人を乗せるんでしょうね。

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  ただ、ハイエースの純正リアスピーカー位置が、ラゲッジの後ろのほうにあるんですね。

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  後席シートよりも、けっこう後ろになるんだ。



ハイエースの純正リアスピーカーは荷室の後ろのほうにある。

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  それで、後席に乗る人のために「リアシートの真上あたりにスピーカーを付けたい」ということで、リアスピーカーを埋め込みで増設しました。



ハイエースの後席天井にリアスピーカーを埋め込み増設

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  おお…！ こんなリアスピーカー増設方法もあるのか。

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  埋め込み方法の話はあとで詳しくするとして……こうなってくると、リアスピーカーだけで4個あります。

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  一番後ろの純正位置のも鳴らすの？

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  それがオーナーさんの要望でしたので。

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  確かに変速的ですね。フロント3wayに加えて、リアスピーカー4個もあるとは。

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  フロント3wayスピーカーで6チャンネル必要になり、リアスピーカーで4チャンネル必要で、あとはチューンナップウーファーもあります。

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  ええっと、つまり、全てをプロセッサー制御しようとすると12チャンネル分いる計算か。

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  アンプについては、チューンナップウーファー（アンプ内蔵）を除いて、10チャンネル分必要ということですね。

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  これを1台のプロセッサーで済ませる方法はあるのだろうか。

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  ヘリックスのプロセッサーだと、14チャンネルプロセッサー・12チャンネルアンプ内蔵の「HELIX V-TWELVE DSP MKII」という機種がありますが……

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  ほおぉ。
  スペック上はバッチリですね。

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  でも、このプロセッサーは24万円（税別）するのですよ～。

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  ひえぇ。

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  ちょっとそこまでは……ということで、現実的な対策で、手持ちの4チャンネルアンプを生かすことを考えました。

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  そうか！ 仮にリアスピーカー4個を手持ちの4チャンネルアンプで鳴らせば、6チャンネルアンプ内蔵のプロセッサーでもいいよね。

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  ヘリックスでいうと、アンプ内蔵型プロセッサーに「HELIX M-SIX DSP」という機種があって、10チャンネルプロセッサー・6チャンネルアンプ内蔵タイプ。これなら9万円（税別）です。

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  26万円から9万円に下がると、安い気がするから不思議！

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  しかし、10チャンネルプロセッサー・6チャンネルアンプ内蔵タイプということは、RCA出力（内蔵アンプは介さない出力）は4つ、ということです。

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  ふむ。…それが何か？

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  そのうち2つのRCA出力はチューンナップウーファーに割り当てることになるので、けっきょくリアスピーカー4個分を外部アンプで鳴らすのにはRCAのチャンネルが足りません。

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  ぐぬぬ。惜しい。上手くいかないものだわ。

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  こんな場合にはRCAケーブルを分岐させて、ひとつのチャンネルで2つのリアスピーカーを鳴らすことはできるんですが……

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  ほう？

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  けれどそれだとマルチ接続ではなくなり、音を調整するときにリアのスピーカー4個分が、いっしょにセットで調整されてしまいます。

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  うーむ。それだとかえって調整がやりにくいのでは？

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  そうなんですよ。結論としては今回のハイエースの場合、一番後ろのリアスピーカーはどのみちほとんど鳴らさない使い方になるので、これをプロセッサーにつなぐことは諦めました。

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  もともと一番後ろのスピーカーはオマケみたいなものなのに、そのために26万円の機種を選ぶのは高すぎるよね。

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  一番後ろの純正位置のリアスピーカー用には、手持ちのアンプを使って、フロントの音の邪魔をしない程度に鳴らします。

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  それなら10チャンネルプロセッサーで、残りのスピーカーは全部制御できますね。

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  プロセッサーはヘリックスの「HELIX V-EIGHT DSP MKII」を選択しました。



「HELIX V-EIGHT DSP MKII」

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  10チャンネルプロセッサー・8チャンネルアンプ内蔵なので、これひとつでフロント3wayスピーカー・後席上に増設したリアスピーカーまで、内蔵アンプで鳴らせます。

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  そしてRCA出力2チャンネル分には、チューンナップウーファーをつなぐ。

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  そうですね。一番後ろのスピーカーを考えなければこれがピッタリの選択となります。

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  このプロセッサーはいくらなの？

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  17万円（税別）ですね。

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  ウーム……。高いけど、このハイエースには最適解となるのもわかりました…。

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  今回は少々イレギュラーケースでしたが、このようにして導入するプロセッサーが決まったら、次は取り付けです。