プロセッサー(DSP)特集
TOON X プロセッサー(DSP)を付けると、純正オーディオのままでも音が良くなる理由
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純正オーディオ(純正ナビ&純正スピーカー)のままでも音を良くする新型プロセッサー(DSP)TOON X。しかしなぜそんなことが可能なのか? その理由を理解するために、初心者にとって難しく感じるオーディオ用語のひとつ・イコライザー調整からわかりやすく解説。
TOON X プロセッサー(DSP)が純正オーディオに対してやっていること
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「カプラーオン取り付け可能な、TOON X プロセッサー(DSP)のラインナップと選び方」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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今日は「TOON X プロセッサー(DSP)がなにをしているか」という点の解説です。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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あ、確かに。「この箱をカプラーオンで付けると音が良くなるよ」なんて説明では、きな臭い。
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……ですよね。
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TOON X プロセッサー(DSP)は「スピーカーも交換していない純正オーディオ」がメインターゲットなんだから、説明がマニア向けではアンバランスだし……
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ごもっともです。
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TOON X プロセッサー(DSP)がなにをしているか? この点をマニア向けではなく初心者向きに、開発者のワタナベ研究員に説明してもらいたいなと思います。
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TOONプロセッサー(DSP)がやっていることは、大きく言えば2つです。
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フムフム。
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用語でいうと「イコライザーの調整」と「タイムアライメントの調整」。これらが一番重要な要素です。
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もちろん、各スピーカーのボリュームの調整などの要素もあるんですけど、細かい話なんでひとまずそこは置いておきます。
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特に重要な調整は、2つ。
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まず、イコライザーの調整を優しく説明しましょう。
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ふむ。
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人間(あるいは動物)の耳に聞こえる音の高さのゾーンを「可聴域(かちょういき)」と言いますが……
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カ、カチョー……???
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人間の耳に聞こえる音域の幅は、 20ヘルツから20キロヘルツ(2万ヘルツ)位まであるんですけど……
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ちょ、ちょ……いきなり難しいことばっかり言ってるし!
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音の高さを数字にするときは「ヘルツ」っていう周波数の単位を使うんですね。
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フムフム。
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ヘルツの数値が高いほど高音で、低いほど低音です。
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なるほど。
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ザックリで低音は20ヘルツくらいまで、高音は2万ヘルツくらいまで聞き取れるんですよ、私達人間は。
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けっこう広い幅に対応できている、と言える?
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そうなんです。人間の耳って、思っているより高性能なんです。
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なるほど。
それで…? -
いっぽう純正ナビが信号として出していて、音として再生されている幅はどうかというと……
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人間のカチョー域よりずっと狭いんだ…!
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……と思うかもしれませんが、実はそうでもなくて、純正オーディオでもある程度は出してはいるんです。
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あれ? でも純正ナビ&純正スピーカーだと「低音があまり出ていない」とか「高音の伸びがない」とか不満があるから、スピーカー交換したりサブウーファー付けたりするんじゃないの?
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いいツッコミです。確かに純正オーディオだと、あまり出ていない音も多い。
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あのー、さっきは純正でも出てる、と言いましたけど……どっちなの???
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信号レベルで解析して見れば、データ的には可聴域の低いところから高いところまで出てはいるけれど……という意味です。
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……ほほう。
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しかし、それが実際の人間の耳に聞こえるレベルの大きさで出ているかといったら、ほとんど出ていない音域も多いのです。
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けっきょくのところ、聞き取れない周波数も多いんだ。
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そうなんです。そこで、TOON X プロセッサーのイコライザー調整の出番となります。
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そういうことか。
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もともとの純正状態だとあまり出ていない周波数を、ちょっとだけ増幅して出してあげる。
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足りない部分を補うのね。
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純正オーディオといっても、実際の音の状況は車種ごとにバラバラですので、車種ごとに音の状況を見ながら調整していきます。
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それによって音の臨場感が出たりだとか、今までは聞き取れていなかった細かい音が聞こえるようになったりするんです。音色が変わりますよ。
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なるほど、なるほど。
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これを良い具合に調整することによって、純正ナビ&純正スピーカーでもだいぶ聞こえ方が変わるんです。
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純正オーディオベースでも音を変えられる理屈が少し分かってきたぞ。
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ただし、実際にはイコライザー調整だけやってもダメです。そこでもうひとつの要素が重要になってきます。
予備解説
一般的なプロセッサー(DSP)は筆頭に「クロスオーバー調整」が上がってくることが多いが、TOON X は純正オーディオをメインターゲットにする性質上、少し事情が異なる。
※この点は連載の続きで詳しく解説予定。
Amazonでも販売開始されたビートソニック TOON X シリーズ ※車種別ラインナップについてはAmazon販売ページの「スタイル」メニューを参照。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL
0561-73-9000
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TOON X プロセッサー関連
一般的なプロセッサー(DSP)の知識