抵抗の知識シリーズ
抵抗を直列に接続するとなにが起こるのか?
抵抗を直列に接続して使う手がある。覚えておくといつか使えそうな便利なテクニックなので、ぜひ勉強しておこう。理屈の説明だけでなく、後半では実際に抵抗を直列に接続して、抵抗値を測ってみた。
抵抗を直列に接続するとどうなるの?
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「抵抗の容量(ワット数)の選び方。抵抗計算のおさらいを兼ねて」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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ここからは、抵抗の直列接続や並列接続の解説をします。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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以前に、整流ダイオードの直列と並列の違いについては解説したことがありますが……
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抵抗も、直列とか並列につなぐことってあるんだ。
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ありますよ。おさらいですが、直列と並列のつなぎ方の違いはこういうことですね(↓)
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むーん。こんなヘンな抵抗のつなぎ方があったとは。
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その目的はいくつかあって、狙いは人によるでしょうけど、理由として一番多いのは合成抵抗かと思われます。
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ゴウセイ・テイコウ?
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抵抗を直列や並列に接続することで、抵抗値をかえて使うことです。
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ほほう。抵抗のつなぎ方で抵抗値を変えられるんだ。
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抵抗を直列接続する場合は、単純に足し算でOKです。
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と言うと?
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例えば、100Ωの抵抗をふたつ直列接続したら、200Ωになるってことです。
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そうなんだぁ~。……でも理屈はそうでも、ホントにそんな上手くいくもんですかねぇ?
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実際に測ってみましょうか。
抵抗を直列に接続して抵抗値を測ってみた
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まず100Ωの抵抗を1本用意して、テスターでその抵抗値を確認してみます。
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98Ω…?
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抵抗にも誤差(個体差)はあるので、これは100Ωの抵抗です。
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なるほど、なるほど。
確かにほぼ100Ωだ。 -
で、同じ100Ωの抵抗をもう1本用意して、直列に接続すると……
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195.5Ω…! ホントに2倍の200Ω近くになりました~。
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手元に100Ωしかない状況で、200Ωの抵抗が欲しかったら、100Ωを2個直列接続すればいいのです。
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200Ωを買わなくて済む!
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そういうことですね。この場合は200Ωが合成抵抗値、になります。
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なるほど、なるほど。
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100Ωと200Ωを直列接続すれば、合算して300Ωになります。
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え~っと、100Ωを3本直列に接続して300Ωにするのもアリでしょうか?
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問題ありません。
場所は必要になりますけど。 -
これは覚えておくと便利なテクニックだ。
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ただし、容量(抵抗のワット数)は、直列接続しても変化はありません。
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抵抗の容量……っていうのは、前回勉強したやつ。
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ちなみに今回は容量的には1/4W抵抗を使って説明していますが……1本でも2本でも、容量的には1/4W抵抗のままということです。
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あくまでも抵抗値が加算されているだけなのね。
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そういうことです。しかし、抵抗を並列に接続すると事情が変わってきます。
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直列はシンプルでわかりやすかったけど、並列ではどんな違いがあるのかな?
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