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ハイフラ防止抵抗の正しい取り付け方法╱両面テープは避けたい
ハイフラ防止抵抗(ハイフラキャンセラー)の取り付け方法。高熱を持つだけに、両面テープでペタリと貼るのは避けたいところ。「効率よく熱を逃がし」「難易度はそれほど高くない」方向性で、オススメのハイフラ防止抵抗の固定方法を、IPFに聞いた。
ハイフラ防止抵抗を両面テープで取り付ける方法は、避けたほうがよい
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「ハイフラ防止抵抗の温度は、何度くらいまで上がるのか? 熱対策の知識」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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前回お話した通り、ハイフラ防止抵抗(メタルクラッド抵抗)は宙ぶらりんの状態では、熱がほとんど逃げません。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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IPFが推奨するハイフラ防止抵抗(ハイフラキャンセラー)の付け方、とは?
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ここではまず、「メタルクラッド抵抗の底面を、金属に接地させる」のが重要なポイント。
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ようするに車体金属に、ペタっと付ける。
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そうです。そうすれば熱がしっかり車体金属に伝わって、メタルクラッド抵抗の本来の放熱性能を発揮できます。
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では、次の疑問。どうやって車体金属に貼り付けるのか? 普通の人はここで両面テープを使いそうですが……
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IPFとしては、両面テープでの固定はオススメしません。
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溶ける心配があるから?
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それもありますが、両面テープを介してハイフラ防止抵抗を貼り付けると、メタルクラッド抵抗と鉄板の間に両面テープが挟まれている状態になります。それだと熱が、鉄板側に伝わりにくくなってしまいます。
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「鉄板に直接、メタルクラッド抵抗を当てたい」わけか。
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鉄同士の接触と、間になにか一枚挟むのとでは、熱の伝わり方はまったく違う。両面テープを介すると、けっきょくのところ、ハイフラ防止抵抗を宙ぶらりんにしているのと、あまり変わらない状況になりますので。
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……なるほどね。
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中には「熱伝導性の高い両面テープ」もありますが、そういうものを使っても、鉄板に直接触れているようには熱は移動しません。
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……金属に直接触れるのが一番いいってことですね。
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参考までに触れておくと、IPFのハイフラ防止抵抗は「宙ぶらりんでも100度程度に収まる仕様になっている」と言いましたが、鉄板にちゃんとくっついている状態なら、70度前後にまで温度が下がります。
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ホー。
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まあ、70度でも手で触ったら熱いですけど、一瞬なら触れなくもない温度です。
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湯飲み茶碗レベルに近づいてきた感じ。
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貼り付ける鉄板の状況(形状や厚み)によっては、もっと下がる場合もありますよ。
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……しかし、鉄板に直接当てるためには、間には何も入れられない。そうなると、どう固定するのか?
NG!
ハイフラ防止抵抗と車体鉄板を面接触させて、上からアルミテープで覆う方法
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ひとつのやり方としてオススメなのは、アルミテープを使った取り付け方法です。
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アルミテープ固定か。
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まずは、ハイフラ防止抵抗を「面接触」で接地させられる場所を、車体金属の中から探します。
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フムフム。
平べったい鉄板部分が必要ですね。 -
そして、ハイフラ防止抵抗(メタルクラッド抵抗)の底面を、鉄板に直接接触させた状態で、上からアルミテープで貼り付け固定するのです。
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これなら直接、ハイフラ防止抵抗が鉄板に触れますね。
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なおかつ、アルミテープ自体も、アルミなので熱伝導性が高いのです。
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そっちからも、熱が車体金属に伝わっていくんだ。
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そうです。効率的にハイフラ防止抵抗の熱を逃がせますよ。
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しかし、細かいことを突っ込むようですが、「熱」でアルミテープの粘着剤が溶けてくる心配はないのでしょうか? これだってテープなのは同じだし。
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ハイ、そこですね。確かに耐熱性がそれほど高くない通常のアルミテープだとその心配があります。
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粘着が剥がれたら、その時点で宙ぶらりんと同じだし。
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その対策として、できれば、耐熱のアルミテープを使うのがいいですね。一番いいのは、「車両用の耐熱アルミテープ」です。
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そんなのもあるのか~。
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ありますよ。古くから、マフラーの穴の補修用として、そういうテープが存在していますので。
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ナルホド!
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車両用の耐熱アルミテープは、一般的なカー用品店やホームセンターでも売られているものですから、入手性も高いですよ。
ハイフラ防止抵抗の固定方法としてネジ留めもあるが、難易度が高め!?
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というわけで、耐熱アルミテープだけでも固定は可能なんですが、それだけだと強い振動が加わったときに不安もあります。
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そう?
貼りまくっておけば大丈夫な気もしますけど。 -
しかし、アルミテープは非常に薄いですからね。けっこうカンタンに切れてしまうものではあります。
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……ふむ。
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保険をかけるという意味では、どこか一箇所は耐熱タイラップで押さえると、よりいいとは思います。
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なるほど。
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なお、メタルクラッド抵抗には最初から取り付け用のネジ穴があるので、これを利用する手もあります。
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IPFのハイフラ防止抵抗の場合は、M3のネジ穴が開いています。
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ネジで、どこに留めたらいい?
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サービスホールを利用するか、都合よくなければ、鉄板側に穴を開けるしかありませんね。
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穴開け加工は、ちょっと敷居が高いなァ。
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サービスホールを使う場合は、ハイフラ防止抵抗の裏側にアルミの汎用ステーをあてがって、ボルトナットで締める取り付け方法もありますが、ステーを介した付け方は、車両鉄板に直接付けるのに比べると、放熱性が大きく下がってしまうのが問題。
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……まあ、薄っぺらいステー経由でしか熱が伝わらないですもんね。
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ステーを使うよりは、耐熱アルミテープで車体鉄板に貼り付ける方法のほうが、はるかに放熱性が高くなりますよ。
Amazonでも販売されているIPF ハイフラッシャー防止キャンセラー抵抗 WA-19(2個入)
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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