抵抗の知識シリーズ

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抵抗を並列に接続することで抵抗の熱を下げる、という発想

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抵抗の並列接続を解説するシリーズ。今回からは「抵抗の熱を下げる」効果について。抵抗を並列に接続すると、熱対策になるのか？ 車でLED加工をする人は、知っておきたい。

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  「抵抗を並列に接続するとなにが起こるのか？ 直列との違いは？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  抵抗を並列接続すると、抵抗値が減るかわりに容量が増えるという話をしてきましたが……

  ●アドバイザー：エルパラ 平川研究員

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  ふむ。

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  抵抗を物理的に2個に分けると、抵抗の発熱を分散させられる効果もあります。

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  そっか。抵抗は熱を持つから、熱分散って重要ですね。

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  基板上で大きい抵抗を付けると、LEDに近くなってしまったりする。そんなケースでは、熱でLEDにダメージを与えやすいです。

抵抗の熱がLEDに伝わる


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  抵抗とLEDは足でつながっていて、熱も伝わりますので。

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  LEDの寿命が縮んでしまう…。

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  そこで、抵抗を分散させるという熱対策もあるわけです。

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  ナルホド。

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  ただし、この場合は……1Wの抵抗1個から、1/2Wの抵抗2つの並列に分けても「トータルの発熱量はどちらも同じ」なんですけどね。

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  ん……？
  そういうことになるか。

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  とはいえ、大きい抵抗をLEDのそばにドンと付けるよりも、ちょっと離して小さい抵抗を2個付けるほうが、LEDに伝わる熱は減らせるだろう、という視点がまずひとつ。

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  抵抗の発熱量が減っているわけではないけどLEDは守れるかも。

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  そして抵抗の発熱を根本的に減らしたいなら、容量は同じ抵抗のままで、並列2個に分ければ、発熱量はかなり減りますよ。

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  ホホウ。

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  というのも抵抗の発熱量は、消費電力が同じでも、容量の大きい抵抗だったらそんなに熱くならないですから。

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  その点では大きいほうが有利なんだ。

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  例えば容量1Wの抵抗で、実際に1Wの電力を消費させたらもう、とても触っていられないほど熱くなる。

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  マージンゼロの状態ですもんね。

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  それを、もし並列に2個の1W抵抗に分ければ、ひとつあたりの抵抗の消費は0.5W相当まで下がるので、抵抗自体が発する熱量を抑えられます。


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  なるほど～。
  このパターンは明確に熱対策になるのね。

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  現状で1/4Wの抵抗を1個付けているとして、熱を減らしたいとすれば、同じ容量の1/4W抵抗を2個、並列につなげばいいですね。

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  車のLED加工では重宝しそうな話です。

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  ただ、こういう目的で抵抗を並列に分けるのは、車でLED加工する人だけかなぁ、という気はしますけどね。

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  そういうもんですかね？

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  一般的な回路設計だと「計算上1Wの抵抗が必要だったら2W、3Wの抵抗を使う」考え方が普通ですので。

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  そっか。車の場合は、狭いところにLEDと抵抗をいっしょに置くから、大きい抵抗も使いにくいし、ちょっと事情が特殊ですね。

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  そうですね。イルミスタの野本研究員などは、別基板を作ってまで、LEDから抵抗を離したりしていますからねぇ～。

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  とはいえここまでやろうとすると手間がかかるしなァ……。


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  ですので、抵抗を並列接続して熱対策をするという手法は、知っておくといいと思います。

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  理屈は分かりましたけど、実際にやったらどのくらい温度が下がるんでしょうね？

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  う～ん。それは、実際に実験してみないとなんとも……。やってみますか。

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  では次回は抵抗の熱分散実験ですか。マニアックだなー。