デイライトをスモール(ポジション)連動で「減光」させる方法(後編)
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デイライトをスモール(ポジション)連動で減光させる方法の後編。5極リレーと抵抗および整流ダイオードをどうつなぐのかは、リアル配線写真を見るとわかりやすい。抵抗値の選び方も解説する。
5極リレーと抵抗があれば、デイライトを減光制御できる
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「デイライトをスモール(ポジション)連動で「減光」させる方法(前編)」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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おさらいですが、5極リレーを使って、こう配線すれば(↓)スモールオンで夜間はデイライトが減光できます。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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今回のリレーだと、「赤」の途中に抵抗を付けています。
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実物だと、こんな感じですね。
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こうしておくと、スモールオンで「黄色」に電気が流れた段階で……
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リレーの出力が、「黒」から「赤」ラインに切り替わる。
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「黒」から電気を入れるのか、「赤」から電気を入れるのかで、デイライトの明るさが変わるんですね。
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なおデイライトに対しての入力が2系統になるので、電気の回り込みによる逆流を防ぐために「整流ダイオード」も付けておきます。
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整流ダイオードは、向き(極性)があるので、カソードマーク(オビ)の方向にも注意しましょう。
デイライトをスモールオンで減光させるリレー配線
※配線の色は、リレーによって異なります。
拡大図
✔ 写真では抵抗とダイオードを、あえて見えるように付けているが、実際は絶縁しておく。
✔ リレーのもうひとつの出力線(今回のリレーでは黒)にも、整流ダイオードを付けておくのが望ましい。
デイライト減光に使う「抵抗」を選ぶときの注意点
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ここで使う抵抗に関しては、ワット数(消費電力)の選び方に注意ですね。
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抵抗のワット数?
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抵抗には、1W・1/2W・1/4Wなどと、容量がありますので。
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1/2W抵抗というのは0.5W、1/4W抵抗なら0.25Wってことですね。
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今回のような用途だと、球屋では1/4W抵抗は使わないですね。
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小さい抵抗ではダメなんだ。
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ハイ。LEDを使っているとは言え、デイライト用のLEDなどを減光させる用途としては、抵抗が小さすぎるんです。
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抵抗が小さいと、なにが問題なのでしょう?
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減光させるということは、電気を「熱」にして消費させるということです。つまり、抵抗は熱を持ちます。
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フムフム。
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抵抗が小さいと発熱が激しい。大きめの抵抗をチョイスしたほうが、同じ電流量でも発熱が少なくて済むのです。
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なるほど。
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最低でも1/2W抵抗。あるいはそれ以上(1W超)の大きさの抵抗を使うのが望ましいです。
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LEDテープライトの種類や長さによっても、消費電力は変わるところですが……
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そうですね。長さがあるとすれば、1W抵抗などを使っておくほうが無難です。大きいぶんには、特にデメリットはないので。
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というわけで、今回も1Wの抵抗をチョイスしています。
抵抗の消費電力の種類
✔ 上に並んでいるのは一例で、2W抵抗や3W抵抗もある。詳しくは、LED通販サイト「エルパラの抵抗ラインナップ」が参考になる。
予備解説
容量ギリギリの抵抗をチョイスすると抵抗の発熱が激しくなるので、容量が足りていればいい、という話ではない。
LEDの実際の消費電力に合わせるのではなく、2倍あるいはそれ以上のマージンを取って消費電力の大きい抵抗を選ぶほうが、発熱は抑えられる。
LEDの減光具合は、「抵抗値」で決まる
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実際にデイライトとして使っているLEDがどのくらい減光するかは、抵抗値(Ω数)次第で変わってきます。
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抵抗値は、どうチョイスしますか?
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まあ、カンタンに言ってしまえば抵抗値が大きくなるほど、減光具合が大きくなって、LEDが暗くなる、ということです。
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フムフム。
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今回使った抵抗は120Ωですが、このあたりは各自の使うLEDや、減光具合の好みで変わります。
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もっと大きい抵抗値を用意するほうが、明暗の差がハッキリ付きますね。
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抵抗値については、何パターンか試して決めましょう。高い部品ではないので。
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実際に付けるときは、抵抗と整流ダイオードは収縮チューブでまとめて覆って絶縁します。
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抵抗の熱で、溶けたりはしませんか?
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ここでの抵抗は、収縮チューブを溶かすほどまでには発熱しないので問題ないです。
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ハイフラ抵抗のように、熱くなるわけではないんだ。
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むしろ、そこまで発熱するとしたら、そもそも抵抗のW数(消費電力)のチョイスが間違っています。
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チョイスした抵抗での「減光具合」や「発熱具合」もテストしてから、実装するのが無難と言えそうです。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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