プロに教わるデッドニング講習
キットを使わないドアデッドニング方法④╱インナーパネルへの制振材の貼り方(後編)
ドアデッドニングキットを使わないデットニング方法をプロに教わる連載。今回はインナーパネル(車内側のドア鉄板)の制振で、最も重要なスピーカー周囲。制振材の貼り方に加えて、スピーカー裏の吸音材の貼り方もわかる。
スピーカー周囲は特に重点的に制振材を貼る
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「ドアデッドニング方法╱インナーパネルへの制振材の貼り方」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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ドアのインナーパネルの制振で、特に重要なのはスピーカー周りです。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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スピーカーに近い場所だから鉄板がビビリやすい。
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そういうことです。今回はドアのインナーパネルにも制振材を全面貼りしますが、もし材料費を抑えたいならスピーカー周りだけでもデッドニングすれば効果は出ますよ。
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部分貼りでやるとすれば、優先的に貼るポイントですね。
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そして今回のカローラスポーツでは最初からプラスチックのカバーでサービスホールが塞がっていますが、ここにも制振材を貼っていきます。
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サービスホールが塞いであるとはいっても、プラスチックのフタなんで、ビビリ(共振)は発生しますからね。
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ビビるフタを強化しなくては。
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サービスホールカバーの形状に沿って、余分なところはカットします。
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特に型紙などをおこさなくても、貼りながら形状を合わせていけるのは……佐伯研究員がプロだからでしょうか。
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いきなり制振材をカットするのが不安であれば、いったん型を起こしてもいいし、そのあたりは人それぞれのやり方でしょうね。
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ふむ。
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制振材を切り貼りしていくうちに端材が出ているはずなので、そういうものも上手く組み合わせて貼っていきます。
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補強の出っ張りの周囲などは、細かくカットしながら貼り合わせています。
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平らな面だけではなく、断面部分にも貼れる範囲で貼っておきましょう。
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サービスホールカバーには、だいたい制振材を貼れましたね。
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大きい場所に制振材を貼れたら、あとは余りなどを使って、細かい隙間を埋めていきます。
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インナーパネルにも、制振材をほぼ全面貼りしました。
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仕上げに吸音材を仕込みます。
スピーカー裏に吸音材を貼ると効果的
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ここまでは制振材の貼り方を教わってきましたが……
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ドアデッドニングでは吸音材も使います。
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吸音材ってことは、音を吸収するわけですね。
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そうですね。制振材のようにたくさん貼ればいいというものではありませんが、スピーカー裏に貼っておくのは効果的です。
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今回のものは4本のスポンジがセットになっているので、ここではスピーカー裏に2枚ずつ貼ります。
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この独特の形状のスポンジが、スピーカー背面の音を吸音・拡散してくれます。
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なんだかちょっと高そうな吸音材でしたね。
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4枚入りで1万1000円(※執筆時点の税込価格)しますからね。グレードの高い吸音材です。
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キットではなく単品素材を揃えてのデッドニングは、なんだかんだでコストが高くなるのは、分かる気がします。
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今回の例は、基本的にプロショップが使っているのと同じモノを使っていますので、とことんこだわる人向けのドアデッドニング方法ですね。
使用したのは、制振材と同じM&Mデザインの吸音材「SAP-100」。詳細は公式サイト参照。
1枚目
2枚目
スピーカー背面から出る音は、表に出る音とは「位相が反対」なので、表に出た元の音とは打ち消し合う効果が働く。それが吸音材を貼る主な理由。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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