プロに教わるデッドニング講習
ドアデッドニングの制振材の貼り方はいろいろあるが、どれがいいのか?
デッドニングキットを使わない、ドアデッドニング方法の連載。第2回目は、制振材の貼り方の知識。デッドニング用の制振材・吸音材の貼り方はいろいろあるが、ここでは「できるだけ材料費を抑えながら、効率よく貼る」やり方を教わる。
デッドニングにおける制振材・吸音材の貼り方はお店によって違う
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「キットを使わないドアデッドニングはどうやればいいのか? 材料は?」の続きです。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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専用のドアデッドニングキットを使わないでデッドニングするってことは、貼り方のルールも無いんですよね?
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。単体の制振材に、貼り方の説明書みたいなものはありませんので。
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自由度が高いのはいいけれど、どうやって貼るのか戸惑いそう。
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そこは施工者オリジナルの貼り方になってくるわけです。
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全面貼りがいいとか、逆に貼りすぎはよくないとか、いろいろな意見がありますよね。
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実際のところ、デッドニングの貼り方はお店によってぜんぜん違っていたりしますよ。
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そういうものなのか。
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ドア鉄板に対して全面的に制振材を貼る「全面貼り」もあれば……
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振動する場所を、ピンポイントで抑えるだけにとどめるお店もあると思います。それだけでも十分効果はありますからね。
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どっちがいいんだろう…?
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どっちが正解なのかを断じるのは難しいですが、明確に言えるのは「全面貼りをすれば材料費が高くつく」のがデメリットです。
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それは間違いない。
そしてドアが重くなる。 -
それもありますね。「全面貼りをすれば遮音性は高くなる」のはメリットと言えるでしょうが。
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いっぽうで、ピンポイント制振のデメリットはどうでしょうか?
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あまりに足りないと、同じボリュームでもビビる(共振する)ところが出てくるので、その場合はけっきょく貼り足していくことになります。
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ピンポイント貼りは、さじ加減が難しそう。
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そもそも、ビビりやすいかどうかは、車によっても違います。もともとあまりビビらない車もあるし、逆もありますから。
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そんなこと言われると、どんどん貼り方の正解が見えなくなりますけど。
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あまり予算がないから、効率良い貼り方をしたい、というならイイ方法がありますよ。
全面貼りのドアデッドニング例。
できるだけ材料費を抑えながらデッドニングしたいときの貼り方
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制振材を無駄なく適切に貼ろうとするなら、音を鳴らしながら貼るしかないと思います。
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音を鳴らしてどうするの?
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鉄板のビビる(共振する)ところを手で探りながら、その部分を強化するように、ピンポイントで制振材を貼っていくのです。
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なるほど。
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これが一番コストを下げられる、効率のいい貼り方だと思います。ただしスピーカーも接続し直して音を出すので、手間はかかりますが。
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それなら無駄がない。
効果も出そうだし。 -
ただし、音楽を聴くときのボリュームにもよっても変わりますよ。
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自分が聴く音楽で、自分が聴くボリュームで、ビビっていなければいい!
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そういうことですね。ただし、分かりやすくビビるのは、ドアの鉄板側ではなくて内張り側だったりするかもしれませんが…。
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そういえば、ビリビリ振動するのは内張りのイメージも…。
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特に、ドア鉄板側に制振材を貼って強化すると、力が弱いところに逃げようとするので、結果的にドア内張り側がびびり出す、なんていうこともあります。
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あっちを強化したら、こっちが狙われる、みたいな展開か…。
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だから、ドア鉄板だけで予算を使い切るような貼り方よりは、内張り側もバランスよく補強することを考えたほうがいいかもしれませんね。
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なるほど。では、ドア鉄板だけでなく内張りへの制振材の貼り方も勉強しておかねば。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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