プロに教わるデッドニング講習
キットを使わないドアデッドニング方法③╱インナーパネルへの制振材の貼り方
ドアデッドニングキット不使用のデットニング方法・インナーパネル(車内側のドア鉄板)編。インナーパネルに制振材をキレイに貼るコツとは? 奥側のアウターパネルよりは貼りやすそうだが、配線が障害物になるので…
アウターパネルに制振材を貼る準備作業
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「ドアデッドニング方法╱アウターパネルへの制振材の貼り方」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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次はインナーパネル(車内側のドア鉄板)への制振材の貼り方です。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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奥にあるアウターパネルに比べたら、作業はしやすそう。
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なお今回のモデル車のカローラスポーツは、サービスホールにプラスチックのフタが付いていましたので、先に付け直します。
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そういえば、この場合は「サービスホールを制振材で塞ぐ」必要がないんですよね。
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純正のカバーを付けた状態で、その上から制振材を貼るのがいいと思います。
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なるほど。
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まずはドアの鉄板部分に制振材を貼っていきましょう。
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インナーパネルはわりと平らに近いから、シート状の制振材を貼りやすいのかな。
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そうなんですが、今回のように制振材を全面貼りしようとすると、配線などが障害物になります。
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あー。ドア内にはいろいろ配線が通っているのか。
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そこでまず、配線を鉄板に固定しているクリップを外しておきます。
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あとで戻すときに、どこに付いていたか正確な位置を忘れそうですが……
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ここは、外す前にスマホで写真を撮っておくといいですね。
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あ、そっか。いつものアドバイスですね。了解!
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ドアのインナーパネルに制振材を貼る準備が整いました。
マイナスドライバーなどでこじって浮かせている例。
インナーパネルに制振材をキレイに貼る方法
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インナーパネルに制振材を貼るときの注意点です。
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ふむ。
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今回のように単品の制振材を使って全面貼りしようとすると、クリップや内張りピンがささる穴も埋めてしまうことになります。
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ドア内張りが戻せなくなる…。
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そこでカッターを使って、制振材をくり抜きながら貼っていきます。
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貼り方を具体的に見ていきましょう。
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まず、シート状の制振材を程よいサイズに切り出してから、あてがってみて……
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このときに露出させておかないといけないピン位置などを確認しつつ、カッターで切れ込みを入れておきます。
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そこをくり抜くんですね。
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完全にくり抜くのは制振材を貼ったあとのほうがキレイにできるので、この時点では目印に切れ込みを入れているだけです。
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ホー。
ナルホド。 -
先に制振材を貼ってしまいます。ローラーなどを使ってしっかり鉄板に圧着させましょう。
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そのあとで、目印を頼りにカッターで制振材をくり抜くと……
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ピン穴が出てきました。
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他の穴も同様に処理しています。
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そして配線コードの固定クリップを付け直します。
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純正配線の下まで、全面貼りができている。うん。キレイな仕上がりです。
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全面貼りするといっても、大きい制振材をそのままベターっと貼ろうとすると、このくり抜く作業がかえって大変になるだけです。
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確かに。マーキングしているうちに、関係ない場所にくっついたりしそうだし…。
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ですので、貼りやすいサイズにカットしつつ、この処理を繰り返していくといいですね。
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大きい制振材をそのまま1枚貼りするわけではないってことね。
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そもそも制振材の1枚貼りではドア全面には貼れませんので、どのみち継ぎ足しになります。
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ふむ。
確かに。 -
だったら貼りやすいサイズで、つなぎ合わせていくほうが作業性がいいですよ。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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