プラスドライバーのおすすめはどれ？ 車やバイクの整備ならコレ

プラスドライバーは、どう選んだらいいのだろう。見た目・素材・握り心地、またはブランドなどは、それぞれ好みの部分だが、車やバイクの整備で使うなら、明確におすすめがある。もちろんそこには理由がある。

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  前回は、「プラスドライバーのサイズの種類」について教わりましたが……

  ※「プラスドライバーのサイズの種類。買うべきは何番か？」

  ●レポーター：イルミちゃん


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  これだけでは、工具は買えません。

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  KTCのプラスドライバーといっても、いろいろとありますので。

  ●アドバイザー：KTC トリー研究員

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  いろいろって？

  ●DIYラボ別館 ユキマちゃん

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  ドライバーの種類は、大きく分けるとグリップの材質と形状の違い、それから軸の違いがあります。


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  例えばメガネレンチやスパナのような、金属製でメッキをかけている工具なら、形状の違いで選べばいいのですが、ドライバーの場合は材質にも種類があるんですよ。

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  ナルホド。
  それで種類が多くなるのか。

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  グリップの材質は大きく分けると、樹脂と木の違いがありますね。そして、樹脂にも固いものと柔らかいものがあります。

代表的な素材の違い


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  木もある〜。

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  材質やグリップ形状の違いは、好みの部分が大きいです。「天然素材の風合いが好きだから、木がいい」とかね。

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  持ちやすいのは、柔らかい樹脂のような気もしますが……

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  持ちやすさは、グリップ形状によっても差が出ます。そこも好みがある。だから断面も丸とか四角とか六角形とか五角形とか、いろいろあるんです。

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  ……そんなにあるのか！

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  そこへきて軸の長さの違いなども加わって、ひとくちに「KTCのプラスドライバー」といっても、膨大な数になってしまうのですが……

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  どれを選んでいいのか、分からなくなるばかり！

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  そういう人には、KTCのプラスドライバーでは一番スタンダードなこちら（↓）をおすすめします。



✔ KTCのドライバーのスタンダードモデル

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樹脂柄ドライバ クロス貫通タイプ。分類は、樹脂のソフトタイプ（断面が四角タイプ）ということになる。

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  え!?
  いきなり結論ですか？

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  ……てっきり、選び方の講習が、5回連続ぐらいになるのかと思いきや……

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  （アンタの態度が悪いから、きっと面倒になったのよォ）

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  ……そうではなくて、ちゃんと理由があるのです。

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  KTCの場合は、自動車の整備というのが工具開発の根幹にあるので、KTCのスタンダードモデル＝自動車整備で使いやすい仕様になっています。


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  ほほう。

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  逆に言うと、もし用途が自動車整備ではないとするなら、スタンダードモデル以外のものが最適の場合も、もちろんありますよ。

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  でも、ねじを回すのは、車でも家具の組み立てでも同じことでしょ？ 車向けって何が違うの？

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  それを理解してもらうためには、再び〈ねじの話〉に戻りますが……

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  また「ねじ講習」に戻るのか！

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  プラスのねじにも規格（製造上のルールみたいなもの）がありますが、実は市場に出回っているプラスねじは、六角ボルト以上にいろいろなんです。

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  いろいろ……というのは、規格の種類が？

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  それだけではありません。品質面での差（バラツキ）が、割と大きいのです。そもそも形状も複雑ですから。

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  そういえばプラスドライバーも、先端形状は複雑ですね。


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  そうなんです。で、この先端部分にも規格があるのですが、複雑な形状ゆえに、こちらも品質面でバラツキが出やすい。

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  フムフム。

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  バラツキの大きいもの同士（ねじとプラスドライバー）だけに、組み合わせによっては、ピタっとハマらないことがけっこう多いのです。

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  2番を買ったのに、2番にハマらないってことよね。

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  そういうことがあり得ます。

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  それは困った話ですねぇ。ドライバーの精度が高くても、ねじがダメだったら意味がないのでは？

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  そうなりますよね。だから相手（ねじ）がバラバラなら、それに広く合うように、工具の側もそれなりに公差（※）で合わせておかないと、ハマらないパターンが出てくるんですけど……

※「公差（こうさ）」とは、工業製品におけるサイズや重量の、公式範囲内でのバラツキのこと。

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  あー、分かりました。KTCのスタンダードモデルは、広くいろいろなねじに合うように作ってあるんだ。

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  いいえ。
  逆ですね。

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  あん？
  どういうこと？

プラスのねじはバラツキが大きいと言いました。しかし、自動車に使われているねじに限って言うなら、割と品質の高いモノが多い



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  へー！

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  ねじの品質も上げないと、車の品質に関わってきますからね。

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  だから、いいねじが使われているんですね。

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  そうです。そして話が戻って、いいねじが使われているということは、公差（製造上のバラツキ）も少ないのです。

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  そういうことなら……。
  工具側も公差を小さくできる？

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  ハイ。自動車業界のねじの品質レベルに合わせて、工具（プラスドライバー）の品質も合わせたら、お互いを組み合わせたときのフィッティングがより高くなりますよね。

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  ……そ、そんな事情まで含めて、プラスドライバーを作っていると言うの？

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  KTCではそうしています。車業界は良いねじを使っているから、公差を合わせていける。これは最初はネプロス（※）で用いた手法でしたが、今日のKTCのスタンダードツールにも、基本的な技術はフィードバックしています。

※「ネプロス」は、KTCの上位ブランドシリーズ名。

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  そこで自動車で使われているねじを膨大に集めて、それに対してフィーリングテストなどを行って、最適な先端形状を開発したのです。



✔ カンタンに言えば、自動車のねじに合うように、微調整がなされている。

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  なんだかプラスドライバーの先端が、スゴイものに見えてくるから不思議。

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  だから、コレがトリー研究員のおすすめのプラスドライバーってことなのね。

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  一般的なドライバーは、ある程度、市場に出回るいろいろなねじに合わせて開発していく必要もあるので事情が違いますが、車やバイクの整備が目的なら、そう言えますね。