アンプ電源のQ&A
PA2(超小型アンプ)の場合はバッ直で電源を取らなくても大丈夫ですか?
PA2アンプの電源をナビ裏で取る方法がDIYラボに出ていたけれど、バッ直でなくてもいいの? という読者からの疑問。確かにパワーアンプの電源取り出しは、一般的にはバッ直だが…
PA2は超小型アンプだからバッ直までしなくても動作する
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読者の方から頂いた、質問といいますか……ツッコミ(?)に答えていきたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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このような鋭い質問が来たのですが、佐伯研究員、いかがでしょうか?
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PA2の場合、スタンダードな取り付け方法では「ナビ裏で電源を取る方法」をメーカー側も案内していますからね。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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ディスプレイオーディオ用の取り付けキットである「PA2T2」の配線図を例にすると、こんな感じ。
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電源線も含めて、ナビ裏ですべての配線が完結!
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ただ、PA2(およびPA2T1・PA2T2)の場合は「超小型アンプだから」というのがあると思いますが。
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小型アンプではなくて、普通サイズもしくは大型のパワーアンプだったら?
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一般的なパワーアンプは、バッ直で電源を引くのが普通ですね。
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そういうもんなんだ。
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PA2のような小型アンプのほうがむしろ例外的、と言えるでしょう。
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なるほど。
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なので、付けようとしているのがPA2などの小型アンプでない限りは、バッ直で電源を取ったほうがいいですよ、という回答になります。
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付けるのがPA2だったら、バッ直まではしなくて大丈夫なんですね。
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動作上はそれで問題ありません。カーデンでは何台もPA2の取り付けを行っていますが、ナビ裏の常時電源からとって、PA2が電源不足になったことはないですね。
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なるほど、なるほど。
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しかし、より安定してアンプを駆動させるならば、バッ直で電源を取るに越したことはありません。
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そう言われると、DIYで取り付ける人にとっては迷いが生じそうですが……。
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ただ、グローブボックスの中に収まるような小型アンプは「手軽に取り付けできる」のが、ウリでもあります。
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ふむ。
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だからPA2や、以前に紹介したカロッツェリアの小型アンプ「GM-D1400」にしても、バッテリーから電源を直接取るためのコードは付属していません。
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こういった小型のアンプは、基本的にはナビ裏で配線を完結させる前提のハーネスになっていることが多いです。
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補足しますと、カロッツェリアの「GM-D1400」については、もしも電源が不足するなら別売りのバッ直コードを使ってくださいね、という案内になっていますね。
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そうですね。ただ、オーソドックスな取り付け方法としては、バッ直までは指定していません。
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ひとまずは、バッ直まではしないで取り付けて様子を見てみればいい、といったところでしょうか。
図の黄色が、常時電源線。「PA2T2」は、ディスプレイオーディオ裏の配線からカプラーオンで取り出せる仕様だ。※マイクロパワーアンプPA2の公式ページ参照。
カロッツェリアの「GM-D1400」。現在は後継製品のGM-D1400IIが登場している。
アンプの電源をバッ直で取るときの要注意点!
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とはいえ、こだわるならPA2や、派生モデルでカプラーオン取り付け可能なPA2T1・PA2T2のような小型アンプであっても「電源だけはバッ直で取る」のはアリです。
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ふむ。
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その場合は黄色の電源線を延長して、バッテリーのプラス端子に直接つなぎます。
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バッ直といっても、いわゆるリレー付きのバッ直ケーブルまでは必要ない?
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アンプはリモート線でオンオフのコントロールがされるので、リレーなどを組む必要はありません。
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なるほど。シンプルな延長コードでもいいんだ。
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ただし、常時電源の配線が長くなるので、バッテリー側に近いところでヒューズは入れたほうがいいです。
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PA2本体にもヒューズは入っているんですけど、電源線を延ばしていく場合は、電源元に近い位置でヒューズを入れたほうがいいんです。
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それはなぜですか?
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常時電源線が長くなるほど、間でショートする可能性のある場所も増えるからです。
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配線の途中でショート?
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ふだんは問題なくても、(事故なども含めて)なにかあったときに常時電源線が車体金属に触れる状況になってしまったら、最悪は車両火災の危険もあるわけですよ。
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そういうことか。
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だから、バッテリーから電源を取った直後にヒューズを入れておく。ショートした際には、すぐに電源が遮断されるようにしておくことが重要なんです。
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アンプの電源をバッ直で取るときには、必ず押さえておきたい重要ポイントですね。
PA2の配線。黄色がメインの常時電源で、青がアンプリモート線(ACC電源などを取る)
もともとヒューズの入ったバッ直ケーブルを使うほうがやりやすいかも。ただしこの場合、リレーはいらないので、上のようなバッ直コードを使う。
バッ直にはメリットだけでなくデメリット(リスク)もある。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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