電源取り出しコラム
バッ直とは何か? 初心者向き「バッ直電源取り出し」入門
バッテリーから直接電源を取る「バッ直」を、初心者向けに解説。消費電力の大きい電装品を余裕でつなげるバッ直電源取り出しは、大いに使えるので覚えておくべき。
バッ直電源って、なんのこと?
今日は、「バッ直」について初心者向きに解説していきたいと思います
アドバイザー:DIYライフ 藤本研究員
バッチョク? 何ですか、ソレ?
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
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「バッテリーから直接電源を取る」ことを、通称「バッ直」と言うんですよ。
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なんなんですか、その安易なネーミングは。
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「バッ直電源」とか、「バッ直配線」などと言ったりもしますが、言っていることは全部同じです。
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あのぉ、藤本研究員。「バッテリーから直接電源を取る」と言いましたよね?
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そうですよ。
こんな風に直接取りに行きます。 -
それって、バッテリーに直接つなぐのと同じことでは???
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ハイ。この線に電装品をそのままつなげば、バッテリー直結したのと同じことです。バッテリーから取り出せる電源は、いわゆる常時電源ですね。
常時電源(↓)とは何か……をおさらい!
✔ 常時電源
電気が常に流れてくる電源のことを(配線やヒューズなども含めて)、「常時電源」と呼ぶ。エンジンオフでも電気が流れてくるので、例えばLEDを常時電源につなぐと、24時間光りっぱなしとなり、やがてバッテリーが上がる。-
バッテリーから直接、電装品の電源を取ったらバッテリーが上がるでしょうがッ!!
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そうですね。例えばレジャーで、エンジンオフにして冷蔵庫などをバッ直でつないで使っていたら、すぐバッテリーが上がりますね。
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分かっているなら、なぜわざわざバッテリーから直接電気なんか……、
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要するに、エンジンオフになったら電源が遮断される「ACC電源」や「IG(イグニッション)電源」を取ったほうがいいって言いたいんですね。
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そう。ソレですよ! バッ直には、ほとんどニーズがない気がします。
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分かってないなぁ。
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あん?
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バッテリーから直接取った電源自体は、「常時電源」ですが、それを「ACC電源に連動させる」ことができればいいわけですよ。
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なぬ?
バッ直は、単なる直結とは違う!?
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バッ直を二段階で説明しましょう。バッ直という言葉が意味するところは、まずは「バッテリーから常時電源を取り出す」こと自体を指しています。
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そこまでは、わかります。
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そのために使うのが、バッ直ケーブルですね。
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このバッ直ケーブルには、バッテリーに直結できるように端子が付いていて、配線の許容量を超えた電気が流れたらヒューズが切れるように、ヒューズが付いています。
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これをバッテリーのプラス端子につなぐんですね。
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そうです。しかし、これだけだと、バッテリーから常時電源を取り出すのみです。
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この線をそのまま電装品につなぐと、電気が流れっぱなしになってしまう……
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そこで、必要になるのがスイッチ代わりのリレーです。
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リッ、リレーが出てくるのか。ちょっと難易度が上がる気配!?
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出てくるといっても、この「リレーキット端子付き」を使えば、つなぐだけ。難しいリレーの知識は不要です。
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これも最初から端子が付いているので、さっきのバッ直ケーブルとすぐつなげます。
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どうつなぐんですかコレ?
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こうつなぐんですよ(↓)
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キーとなるのは、青い線ですね。この青い線に電気が流れている間だけ、「バッテリーから来た電気を、電装品に流す」という仕組みになっているんです。
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ほほう。
記事中で使用したバッ直ケーブル。DIYライフの「バッ直電源セット」の中に入っている。2メーターの他、3メーターや5メーターもある。
いわゆるバッ直リレー
記事中で使ったのは、DIYライフの「リレーキット端子付き」
これがバッ直のリアル配線図
バッ直電源をACC連動やイルミ連動にする方法
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つまり青を、ACC電源につないでおけば、結果として「バッテリーの電気がACC連動で取り出せる」ことになります。
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なるほどね〜。では、スモール連動のイルミ電源が欲しいとしたら……、
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さっきの青い線を、イルミ電源線につなげばいいのです。つまり、こうなる(↓)
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これで、スモールランプをオフにすれば、バッ直の電源が遮断されるんですね。
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納得したでしょ?
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うーん。
でもなんか、まだ騙されてる感がぬぐえない……。 -
えー!!
なにがですかッ? -
だって! わざわざそんな遠回しなことしなくても、普通にヒューズとかナビ裏から、ACC電源を取ったらいいのでは?
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そうではないのです。電気そのものは、あくまでもバッテリーから直接取り出した電気を使っている、という点に意味があるのですよ。
バッ直でACC連動電源を取るための配線図
ACC電源の取り方は、「ACC電源をヒューズから取り出す方法」参照。
バッ直でイルミ連動電源を取る場合の配線図
イルミ電源の取り方については「イルミ電源をスイッチ裏から取り出す方法」等参照。
なぜ、わざわざバッ直で電源を取るのか?
車から電装品の電源を取る、というと、通常は下のような場所から取りますよね
✔ シガーソケットから電源を取る
✔ ヒューズから電源を取る
✔ 純正配線から分岐で取る
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シガーソケットから電源を取るのは普通のことです。でもポータブルのカーナビひとつをシガーソケットにつなぐ分には全然問題なくても、分配機を使って口を増やしていくと話は別です。
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タコ足配線とか……。
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そうやって電装品を増やす……例えばモニターをたくさん付けたりすると、シガーに電源を供給しているヒューズのほうが飛んだりする。
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ムムム。
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「ヒューズからACC電源を取る」という方法にしても、取り出せる容量には限界があることを前にお話しました。
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例えば15アンペアのヒューズから、5アンペアだけもらう、みたいな感じでしたよね。
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ヒューズからあまり取り過ぎると、おおもとのヒューズを飛ばして、そのヒューズを使っている純正の電装品も動かなくなる、という問題があるのです。
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だから、ほどほどの取り出し量に設定されているんですね。
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純正配線から分岐して取り出す……というパターンでいくと、例えば外装のLED用の電源をスモールランプの線から取るのが定番ですが……、
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この場合は、せいぜい2アンペア程度までにしたほうが無難、という話をしましたよね。
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LEDなら、2アンペアあれば十分な量と言えそうですが……
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しかし、例えばアンダーLEDで何メーターものLEDテープライトを使っていると、スモールランプの配線から取れる許容量を超えてしまいます。
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フロント、サイド、リアまでフルで付けるなら、バッテリーから直接電源を取る、というのが一番安心・安全で確実なわけですよ。
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なるほど。
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そもそも消費電力の大きいオーディオ機器……例えばサブウーハーや、パワーアンプはバッテリーに直接つなぐのが前提ですし……、
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そうなんだ。
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実はヘッドユニットやナビも、高出力のものはバッ直が推奨がされていますからね。
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バッテリーから電気を直接取れば、電力不足の心配をしなくていいんですね。
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それと、独立した電源を取るってことは、純正の回路に影響をおよぼさないで済むメリットもあります。
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確かに。
安心感が違いますね。
明るめのLEDテープライトを使えば、フロントだけでも1アンペア程度は流れる。「アンダーネオンLEDを、DIY取り付けする時の注意点まとめ」参照。
バッ直にはメリットだけでなくデメリット(リスク)もある。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:藤本壮啓
某カー用品メーカーに長年勤務し、車業界にDIYを広めた伝説の広報マン。現在は独立して、DIY用品を扱うセレクトショップ「DIYライフ」を設立。単なる製品の宣伝トークではない、DIYユーザー側に立ったアドバイスが持ち味。通称「フジモン」。
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