アンプの追加方法
パワーアンプの取り付け方╱車の純正配線を切らない接続方法
車にパワーアンプを取り付ける方法。なお従来のカーオーディオのイメージしかなかった人には、革新的な付け方。具体的には純正ナビを生かして、純正配線も切らずに、カプラーオンでアンプが接続できるのだ。
余計なハーネス類などを買いたくない人は(従来通り)純正配線を加工する方法もある。やり方は「パワーアンプの取り付け方法╱純正ナビのスピーカー線を見つけるには?」参照。
車のパワーアンプ取り付けが、カプラーオンで可能に
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「ハイレベルインプットの外部アンプでも音質は良くなるのか?」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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それでは、純正ナビにパワーアンプ(PA2T1)を取り付ける方法を解説していきます。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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PA2T1を使う最大のメリットは、純正配線を切らないで接続できること。
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そうですね。トヨタ・ダイハツ車のディーラーオプションナビ(10ピン&6ピン仕様)であれば、純正配線を加工せずに、カプラーオンで取り付け可能です。
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なぜ、そんなことができるのでしょう?
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ようするに、純正ナビの10ピン&6ピンカプラーに合わせて、10ピンと6ピンの割り込み接続用ハーネスが付属しているんですよ。
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ムムム……。
4つもありますね。 -
10ピンと6ピンカプラーの、それぞれのオスとメスですね。
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そっか。
つまりこれ、間違ってつなぐ心配はまったくない。 -
そうです。カプラーは正しい接続方法でないと、そもそも接続できませんので。
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では、実際に取り付けてみましょう。
今回取り付けるアンプ
Amazonでも販売されているビートソニック マイクロパワーアンプキット PA2T1
パワーアンプの接続方法(配線方法)
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まずは、純正ナビを外します。
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ナビ裏側の配線を抜くために、ナビ本体を手前に引き出します。
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そして、ナビ裏側につながっている配線のカプラーを全て抜きます。
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ここは、いったん全部の配線を抜かないとダメですねー。
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そうすると、もともと純正ナビ裏につながっていた、10ピン&6ピンカプラーが車両側に残りますよね。そこに対して、PA2T1のハーネスをつなぎます。
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付属のハーネスに付け替えることで、ギボシ端子付きの線に変換されるので、パワーアンプ(PA2T1)とつながるようになります。
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パワーアンプ側の配線というのは……?
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パワーアンプ本体につながるハーネスは2種類。まずは純正スピーカー線から、ハイレベルインプット(入力)するためのコネクターがあります。
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これが前回教わった、ハイレベルインプットの線か~。
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もうひとつは電源系と、音声信号の出力ハーネスがまとまっているコネクター。
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つまり、パワーアンプ取り付けのために全部で6種類のハーネスが出てくることになりますね。
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その6種類を、以下のようにつなぎます。
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パワーアンプを経由して、新たにハイレベル信号に変換された音声信号が、ギボシ端子でつないだ純正スピーカーの配線に戻っていくんですね~。
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そういうことですね。音声とは関係ないナビ本体の電源関係の線(赤・黄色・青・オレンジ等)は、アンプを経由せず、これまで通り車両側からナビ裏に直接つながっていきます。
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スピーカー線に対してだけ、パワーアンプが割り込んだ、という格好だ。ナルホド。
✔ パネルの外し方は車種によるのでここでは省略するが、パネルを外せば、ナビのステーを固定している4本のネジが見える。
この線は、PA2T1だけでなく、普通のPA2(汎用モデル)にも付属している。
この線も、PA2T1だけでなく、普通のPA2(汎用モデル)にも付属している。
パワーアンプの電源と、リモート線(ACC電源)はどこから取るの?
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アンプの電源は、黄色の配線ですね。
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ハイ。ここには常時電源を取ります。それともうひとつ、パワーアンプの取り付けには、アンプリモート線(※)にACC電源を取る必要があります。
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つまりパワーアンプの電源関係の線は、アースを含めて、この3本(↓)
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この常時電源やACC電源は、どこから取ればよいのでしょう?
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ナビ裏で全て配線接続を済ませる場合は、付属の10ピンカプラーハーネスから、ナビの常時電源・ACC電源を股取りできるようになっているんですよ。
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あ! 付属ハーネスを割り込ませた時点で、アンプの電源用の線も分岐で用意されているんですね。
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そうなんです。下写真の接続ポイントで、アンプの常時電源とACC電源を取っているのです。
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カプラーオンと、ギボシ端子の接続だけで、全てが片付くんだ~。
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あとは、クワ型端子の付いた黒い線がアース線なので、これはボディアースします。
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もともとナビ本体をボディアースしているポイントに、重ねてアースしてもOKですね。
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あとはナビを戻すだけ。
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ちなみにPA2T1本体の置き場所としては、スペースがあるならナビ裏でもいいのですが……
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しかし、現実にはスペースがない車種も多いと思います。いくら小さいアンプだとは言っても…。
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ただでさえ、配線の束が増えているしね。
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しかも、ナビ裏ってけっこう危なくて、エアコンのダクトが取り回されていたり、可動するエアコンルーバーなどもあるので……引っ掛けると壊れてしまいます。
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無理矢理押し込むのは、リスキーか。
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そういうところから逃げる……という意味では、裏側に配線を通して、グローブボックスなどにパワーアンプ(PA2T1)を置くほうが無難ですね。
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デッカイアンプは、グローブボックスにも入らないから、やはりマイクロパワーアンプは小さくて便利~。
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というわけで、純正配線を切らなくても、パワーアンプの取り付け(接続)は可能です。
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トヨタ車やダイハツ車で、純正ディーラーオプションナビを付けている人には、オススメの付け方ですね。
※ アンプ起動の合図になる配線。エンジンオフで電源が切れるACC電源を取る。
✔ PA2や、PA2T1はマイクロパワーアンプだから、小さい!
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL
0561-73-9000
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