バッ直の知識
エーモンのバッ直ケーブルには種類があるが、どう違う?
バッ直ケーブルの選び方。DIY用品の定番・エーモンのバッ直ケーブルには種類があるが、それぞれどのような違いがあるのか。初心者でも選べるように、わかりやすく解説する。
エーモンのバッ直ケーブルは3種類ある
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電源をバッテリーから直接取るためのコードを、バッ直ケーブルと言いますが……
●レポーター:イルミちゃん
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エーモンにも、バッ直に使えるケーブルはいくつかありますよ。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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そこ。
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……え、何か?
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「エーモンのバッ直ケーブル」といっても、一種類ではないんですよね。
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そうですね。バッテリーから直接電源を取るためのケーブル、という意味では以下の3種類がありますので。
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定番はリレー付電源ケーブルですが、リレーなどは付いていないシンプルなバッ直用のコードもあります。
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しかし、例えばアンプ取り付けで「電源をバッ直で取るならどれがいい?」となったら、どれがいいのか分からない人も多いと思う。
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なるほど。では、3つのバッ直ケーブルの違いを説明しておきましょう。
エーモンのバッ直ケーブル
✔ リレー付電源ケーブル(2049)
✔ 電源取り出しコード(E341)
✔ 大容量電源取り出しコード(1188)
バッテリーから直接「常時電源だけ」引っ張りたい場合
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リレーが付かないシンプルなバッ直ケーブルから解説すると、まず電源取り出しコード(E341)があります。
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この「E341」は、エーモンのバッ直ケーブルの中では最も細く、容量が小さいタイプです。
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そうか。
配線コードの太さの違いもあるんだ。 -
そうですね。「E341」は1.25スケアの太さで、容量は10アンペアまで、です。
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10アンペアということは、消費電力に換算すると……
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12V車の場合は120Wです。つまり「120W以下の電装品に対してバッ直で常時電源を供給する」目的なら、E341でもOKです。
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なるほど。
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そして、もっと大容量の電源がほしいなら、大容量電源取り出しコード(1188)を使います。
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この「1188」は5スケアの極太ケーブルが使われておりまして、最大40アンペアもの電流が流せます。40アンペアのスローブローヒューズが付いています。
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40アンペアは、消費電力に換算すると……
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12V車なら480Wですね。
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容量がぜんぜん違うんだ。
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そうなんです。ですから、大容量の電装品……例えば大型のパワーアンプのバッ直ケーブルなどに使うのなら、こういったケーブルを使います。
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なるほど、なるほど。
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ただ「E341」は電源線とアース線がセットになっているのに対して、「1188」は電源ケーブル(プラス線)のみです。
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まあ、電源だけバッ直で取れればいいんですけどね。
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しかし、例えば大容量のパワーアンプを付けるときなど、大きな電流が流れるのはプラス線だけではないわけですよ。
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……むむ。
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同じだけの電流がマイナス線側にも流れますから、アースケーブルも太いものを使っておくのが望ましいです。
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そういえば……そういう理屈になる。
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というわけで、「1188」に対応する「大容量アースコード(1189)」も用意してあります。
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これはつまり、1188と同じ配線スペックの、マイナス線バージョンということね。
Amazonでも販売されているエーモン 電源取り出しコード(E341)
詳細はAmazonのエーモン 大容量電源取り出しコード(1188)
詳細はAmazonのエーモン 大容量アースコード(1189)
常時電源だけでなくACC電源(またはイルミ電源)を大容量でほしいとき
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もうひとつが、リレー付電源ケーブル(2049)です。
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「2049」の容量は30アンペア……つまり12V車なら、360Wまでの電装品に使えます。
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バッ直ケーブルにリレーが付くと、なにがヨイのでしょうか?
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リレー無しのシンプルなバッ直ケーブルだと、常時電源をバッテリーから直接取ることしかできません。
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まあ、バッテリー自体が常時電源ですので……それは当たり前ですが?
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しかしリレー付電源ケーブルを使えば、ACC電源(アクセサリー電源)などと連動させて、ACC電源もバッ直で取れることになります。
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バッ直なのに、ACC電源……?
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正確に言うと、バッ直で取った常時電源を、ACC連動で流す……ということですが、要するに大容量で安定したACC電源を確保できます。
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なるほど。
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リレーに連動させる電源をイルミ電源にすれば、大容量のイルミ電源も取れますね。
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つまり、ほしい電源の種類が、バッ直で手に入るってことか。
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そういうことでございます。
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エーモンのバッ直ケーブルの違いが分かったぞ~。
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容量の違いは重要なので、もう一度整理しておきます。
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使う電装品の容量(消費電力)を確認して、超えないように選びましょう
エーモン バッ直ケーブルの容量(電流と消費電力)
リレー付電源ケーブル(2049) | 30A(360W)以下 |
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電源取り出しコード(E341) | 10A(120W)以下 |
大容量電源取り出しコード(1188) | 40A(480W)以下 |
大容量アースコード(1189) | 40A(480W)以下 |
※カッコ内の消費電力は12V車の場合。24V車なら、その倍まで対応できる。
バッ直にはメリットだけでなくデメリット(リスク)もある。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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