タイヤ交換コラム
スタッドレスタイヤへの交換を自分でやる前に、おさらいすべき知識④
自分で行うタイヤ交換の注意点は多い。ジャッキアップして「夏タイヤ&ホイールを外すときの注意点」もあれば「スタッドレスタイヤに付け直すときの注意点」もある。さらには腰を痛めないように注意が必要だが、ハブボルトを痛めないような注意も必要。つまり気を遣うポイントはいろいろと多岐にわたる。
ジャッキアップするときのジャッキアップ量について
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「スタッドレスタイヤへの交換を自分でやる前に、おさらいすべき知識③」のつづき。
●レポーター:イルミちゃん
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早くジャッキアップさせなさいよ。
●DIYラボ別館:ユキマちゃん
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ホイールナットを少しゆるめたところでジャッキアップを再開させますが、ここでの注意点は、ジャッキアップ量は必要最低限にとどめるということです。
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どういうこと?
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あんまり上げないでね、という意味です。
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輪止めもしたし、サイドブレーキもかけたし、ジャッキポイントも正確なのに、なんで遠慮がいるのよ?
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そういう問題ではなく、車載のパンタグラフジャッキは上げれば上げるほど不安定になります。
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だから作業上必要な、最低限のジャッキアップが望ましいのです。
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それで、タイヤ交換ができる最低限度のジャッキアップ量というと……?
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スパイス・佐藤研究員には「タイヤの下に手が入るくらいのスペースができたら十分」と教わりました。自分でやる人はこれを目安に。
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そういうことね。
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ホイールナットはすでにゆるめてあるので、ここまできたらナットは手回しでも取れます。
この位のジャッキアップ量で十分
タイヤ&ホイールを自分で取り外すときの注意点
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タイヤ&ホイールを外す時の注意点は真っ直ぐ立てた状態で、水平に引き出すこと。
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ホイールがナナメになった状態で引き出すと、ハブボルトがゲジゲジになります。
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よーし、やっとタイヤが取れたぞ。え~っと、そういえばスタッドレスタイヤはどこだっけ?
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ここで重要なのは、いま外したタイヤ&ホイールを横に倒して車体の下に入れておくことです。
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序盤で注意喚起した通り、ジャッキアップした車体がいつ下がってくるか分かったものではありません。
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む。
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しかもパンタグラフジャッキで上げるときって、ウマも使えないからね。
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そう言われてみれば、今はジャッキだけで支えている状況なんだ。
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なので、大切なタイヤ&ホイールではありますが、より大切なものを守るためには「タテ」として使います。
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車体の下にもぐるわけではないけど、やったほうがいいのね。
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もぐらなくても、車体が落ちたら大惨事。足が挟まるかもしれないし、自分は無事でも、足回りはやられるし……想像するだに恐ろしい。
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オッケー。ではタテも設置したし、スタッドレスタイヤを取ってこよう。ちょっと見張ってて。
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そもそも論として、先に交換用タイヤをそばに置いた状態から、作業を始めなさいよ。ジャッキアップしたまま車から離れないでね。
スタッドレスタイヤを自分で取り付けるときの注意点
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タイヤ&ホイールを付けるときは、ホイールのナットホールをハブボルトに合わせて、差し込みます。
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そしてホイールナットを締め込むのね。
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そうなんだけど、ここでの注意点はまず「ホイールがナナメにならないように、下側をしっかり押し込んでパンと垂直にする」こと。
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そのうえで、一番下に位置するナットホール(ハブボルト)から、ホイールナット付けます。
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下から付けるのはなんでなの?
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一番下のホイールナットを入れることで、ホイールがガタンと倒れ込むことがなくなるから、と教わりました。
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このナットを入れるまでは、手で押さえておく必要がある、ということです。
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なるほど。え~っと、十字レンチはどこいった?
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待った! この段階ではまだ工具を使わず、手でクルクルとホイールナットを締め込んだほうがよい。
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どうせ後から工具で締めるんだから、最初から工具で締めればいいんじゃないの?
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ナットが少ししか噛んでいない状態からの工具回しは、避けたほうがいいのです。
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なんで?
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手回しなら「きちんとネジが噛んでいるかどうか、手の感触で分かる」からなのです。
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きちんと噛んでいないこともあり得るってことか。
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ハブボルトが汚れているせいで、砂みたいな小石が噛んで、そのまま工具で締め込んでネジ山をつぶす……なんていうの懸念がおおいにあるので。
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言われてみると、ハブボルトってけっこうドロや砂で汚れているなァ…。サビみたいのもあるし。
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そういう場合は、先にワイヤーブラシなどでハブボルトを掃除するのがいいんだけど……
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そういうことはホイールをハメ込む前に、先に言いなさいよ! また外さないといけないじゃない!!
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ふふ。腰を痛めないように注意してね。
ホイールが垂直に付いた状態
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