タイヤ(ホイール)のバルブコア交換の基礎知識。外し方は…?
バルブコア交換のやり方・バルブコアの外し方。作業は難しくはないのだが、「タイヤ(ホイール)のバルブコア交換をやったことがない」人も多いので、初心者向けにわかりやすく解説する。
タイヤのバルブコア交換の知識
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バルブコアの交換についての基礎知識です。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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バルブコア?
●レポーター:イルミちゃん
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タイヤの空気の注入口となっている部品ですね。
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フムフム。
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車のタイヤだと意識している人は少ないかと思いますが、自転車のタイヤで「空気を補充してもすぐ減る」症状が出てきて、その原因が「バルブコアの劣化」であることはよくあります。
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車のタイヤのバルブコアも交換できるんですね。
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できますよ。以前にエアバルブキャップの交換を解説しましたが、エーモンのラインナップには、交換用のバルブコアもあります。
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こういうのが売られているってことはつまり、バルブコアも消耗品なのか。
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そうですね。
劣化はするので、消耗品といえば消耗品です。 -
しかし、交換タイミングを測るのが難しそうですね。漏れてからじゃ遅い気がするし。
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タイミングとしては、タイヤ交換時。タイヤを新品にするのとセットで、バルブコアも新品に換えておくという人はけっこういますね。
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なるほどね。それなら前回交換したタイミングも忘れないし、いいかも。
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それ以外でいうと、一般ユーザーの人はあまりやっていないんじゃないか、という気がします。
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バルブコアの交換なんて一度もやったことない、という人はこれを機に、交換方法を知っておきましょう。
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バルブコアの交換作業そのものはカンタンなんですが、注意点もありますので、そのあたりを解説します。
✔ バルブコアとは
バルブコアは通称、「虫」と呼ばれ、自転車の場合は、バルブコア(虫)を覆っているゴムのチューブ(虫ゴム)が劣化して空気が漏れるのは定番。
交換用のバルブコア(8829)。アルミホイールにもスチールホイールにも対応する。
バルブコアの交換には虫回しドライバーが必要
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バルブコアの交換には、虫回しドライバーという工具が必要になります。
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むしまわし?
へんな名前の工具ですね。 -
バルブコアは通称、「虫」と呼びますので、「虫回し」と言うわけですね。
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なるほど。
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エーモンの虫回しドライバーは、かなり歴史のある製品なんですが、最近モデルチェンジしました。
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なにが変わったのでしょう?
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形状とデザインですね。グリップなどの具合を良くしたり、エアバルブキャップの紛失を防ぐためのホルダーを付けたり。
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なるほど、なるほど。
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上の「8831」は長いタイプですが、軸なしの短いタイプ(↓)もあります。
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バイクだとロングは使いにくいので、ショートバージョンがよいかと思います。
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では実際に、虫回しドライバーでバルブコアを外してみましょう。
バルブコアの外し方と、付け方
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まずはバルブコアの外し方。
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バルブコアを交換するときは必ずタイヤを外すか、ジャッキアップした状態で行います。
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タイヤが地面に接地した状態で作業してはいけない、ってことね。
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そういうことですね。その準備ができたら、エアバルブキャップを手で外します。
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このエアバルブキャップをなくさないように、虫回しドライバーのホルダーに付けておきましょう。
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そして、エアバルブに虫回しドライバーを挿し込んで、左回しでバルブコアを外します。
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なお、タイヤの空気が入っている状態でバルブコアを外すと、ピョーンっと飛び出してくるので、保護メガネを着用して作業するほうがよいです。
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飛び出してくるのか……。
回避策は? -
タイヤの空気を抜いた状態のほうが安全ですね。あるいはそーっとバルブコアを回してくれば、ボーンっとバルブコアが飛び出すのを防げます。
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グルグル回すとボーンとくるかも。
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できるだけ、そーっと回しましょう。それが外し方のコツです。
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バルブコアの取り付け方は?
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まず、バルブコアの向きに注意しましょう。
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向きを確認したら、エアバルブ内に挿し込んで、右回しで締めていきます。
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普通のネジを締める向きと同じ。
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バルブコアは軽くきゅっと締め込めばOKです。外すときも軽く外れるので、そんなに強いトルクで締まっているわけではありません。
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だとすると、締めすぎもよくなさそう。
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そうなんです。締め付け過ぎたり、ナナメに締め付けたりすると、バルブコアが破損します。
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というわけで、注意点はあるものの、タイヤのバルブコアの交換作業はそんなに難しくはなさそうです。
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ここまでやってから、タイヤの空気を入れます。それからバルブコアを交換したあとは、空気の漏れがないかを定期的に確認しましょう。
バルブコア後部の形状と一致する(ハマる)向きで奥まで差し込んで、反時計回りに回す。
バルブコアが外れた
✔ 厳密に言うと締め付けトルクの規定もあるが、そこまでするならトルク管理できる工具が必要になる。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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