タイヤ交換コラム
DIYでのタイヤ交換における注意点をおさらい①「最初の罠」編
タイヤ交換をDIYで行う注意点。初心者向きのDIYタイヤ交換方法は、過去記事で詳しくやっているが、今回は「基本手順はわかっている(つもりの)人」向け。スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻す前に、一読をおすすめ。
スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻すとき
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スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに戻す人が多い時期です。
●レポーター:イルミちゃん
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この時期だけは、DIYでタイヤ交換するという人も多いと思います。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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しかし馴れないDIYタイヤ交換には、危険がいっぱい。
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馴れている人でも油断は禁物ですので、このタイミングでDIYタイヤ交換の注意点をまとめておさらいしておきましょう。
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なお、ゼロからタイヤ交換方法を勉強したい人は、下記記事(↓)のほうがよいです。
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今回は、基本的なタイヤ交換方法は分かっている(つもりの)人向けに、今いちど、重要な注意点だけおさらいしていきます。
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それで言うと、意外とタイヤ交換作業に入る前から、重要な注意点がありますよ。
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作業前……?
なんか教わったことあったっけ?
交換作業に入る前に、タイヤの空気圧を確認しておく
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まずは、交換する予定のタイヤの空気圧を、事前に確認しておきましょう。
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これから付ける、ノーマルタイヤ(夏タイヤ)の空気圧を見るってことね。
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ハイ。
タイヤは自然と空気が抜けます。風船と同じです。 -
それは分かるけど、どうせこれからタイヤを付けるんだから……
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重要なのは、付ける前に空気圧を確認しておくことなんですよ。
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付けた後で空気圧点検して、補充すれば同じことでしょ?
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しかし、DIYでのタイヤ交換作業だとするとその場にコンプレッサーなんてありませんよね。あるならいいんですけど。
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ふむ。
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すると、タイヤ交換してから「空気入ってなかったぁ! 急いでスタンドなどに空気入れに行こー!」っていう展開になる。
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なりますね。
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つまり、空気の入ってないタイヤで走行することになる。空気が入っていない状態で走行すると、タイヤが異常発熱(スタンディングウェーブ現象)を起こして、バーストの原因になります。
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無事にガソリンスタンドまで着けるよう、祈りましょう!
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いやいやいや。
走らないでっていう話だから! -
だって! もう付けてしまったタイヤをまた元に戻すのは面倒だし、少しなら走っても……
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と思うかもしれませんが、空気の少ない状態で走ったタイヤは、外見であまりわからなくても内部破損を起こしている可能性だってあるのです。
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内部損傷……いわゆるセパレーションが起こるっていうことか。
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「セパレーション」と聞くと、連想するのは引っ張りタイヤだけど……
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空気が入っていない状態で走れば、普通のタイヤでも起こります。特にサイドウォールは、トレッド面などと比べると弱い部分なので。
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う~む。
そうなんだ。 -
問題は、それが起こっても外見上はあまり変わっていない、という点です。
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ちょっと走ってしまったけど……異常は見当たりません! 隊長ぉ。
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そうやって「あとは普通に空気を入れれば大丈夫でしょ!」と都合よく考え、空気を入れて長距離を走っているうちに、後からバーストする可能性もありますからね。
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自分で自分に罠を仕掛けるようなもの……か。
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だから、タイヤを付けてからではなく、タイヤを付ける前に空気圧の点検をしましょう。
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あのぅ、もう走ってしまって手遅れな人向きのアドバイスは?
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思い当たるフシがあって心配な方は、タイヤ屋でタイヤの点検をしてもらうといいいですよ。
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その展開になってしまうと、面倒だし、DIYの意味が半減ですね。
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……ということで、DIYでタイヤ交換するときの正しい手順としては、まず交換用タイヤの空気圧をチェックです。
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なるほど。
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そしてもしノーマルタイヤの空気が減っていたら、空気を補充してきてから、タイヤ交換作業に入るようにします。
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エアゲージを持っていない人は、「先にガソリンスタンド等で空気を入れてくる」が正解になりますね。
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次回は、ジャッキアップの注意点を整理します。
DIY
Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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